「人間の延長線上にある丁寧な人間ドラマ」屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ Kさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の延長線上にある丁寧な人間ドラマ
印象的だったのは屋根裏の部屋がとても日常らしかったことだ。そこに住んだわけではないのにどこか懐かしいと感じる生活の描写という基準が私の中にはあって、その部屋はその基準にすっぽりとはまっていた(そして意外にもかわいい)。だからどんなに残酷な描写があれども、人知を超えた殺人鬼の物語には見えず、人間の延長線上にある丁寧な人間ドラマに見えた。それでいて退屈でもなく、過剰な同情や憎悪を押しつけられるでもなく、サスペンスがあって、そういう意味でいい映画だった。
だからこそこんなイロモノ邦題でなくても「ゴールデン・グローブ」でよかったのではと思った。
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