劇場公開日 2020年2月14日

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「「僕たちは希望という名の列車に乗った」のエリックを演じたヨナス...」屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ ワイルドとみまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「僕たちは希望という名の列車に乗った」のエリックを演じたヨナス...

2020年2月27日
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鑑賞方法:映画館

「僕たちは希望という名の列車に乗った」のエリックを演じたヨナス・ダスラー君が実在した殺人鬼を演じるということで楽しみにしていた作品。
「フリッツ・ホンカ」自身について事前調べをせずに鑑賞したせいか、想像していた殺人鬼像とは180度違ってましたけど。

実在の人物のお話しですけど、ホンカの願望パートやその他もろもろは色々と脚色されてるんでしょうね。
ストーリー展開としては殺人のストーリーと憧れ願望のストーリーが交錯してゆくところがなかなか面白かったかな。
監督さん、ダイアン・クルーガーが主演した「女は二度決断する」のファティ・アキンなんですね。
女は二度~も三部構成が上手く絡みあった作品だったから、ファティ監督の特色が本作でも全面に出ているのかもしれません。

殺人鬼という位なので、やはりメインになるのはアレがどのようになされるかだと思います。
アレは冒頭から目にすることになるんですが、これがワタクシの想像していたやり口とは凡そかけ離れたもので、
ん?ん??えっ???そこに???って
なりましてホンカのアレする行為もえげつないことには変わりはないんですけど、アレにはさほど驚きは無く(手捌きは別の意味で驚きでしたけど)何故だか驚いたのは自転車でした。ほんとビックリして頭のけぞりました😆

ホンカの人物については現在の立ち位置を中心に描いているので、彼に感情移入することはありません(感情移入したらヤバいですけど)

ホンカさん御用達のバー
“ゴールデン・グローブ”
ここでターゲットをロックオンするんですが、見ての通りの風貌ですから彼自身にロックオンされる人はいません。
バーG.Gの常連客の皆さん、男女問わず個性的な方ばかり。で、とにかく酒さえあれば何でもするみたいな人達。
なのでホンカさんの奢る酒にロックオンされちゃうんですね。全員では無いですけど。
バーG.G、場末も場末なんですがジュークボックスから流れる音楽に合わせ踊るシーンはちと哀しい。
踊りながらね、皆さん泣くわけです。
色々な想いが駆け巡るんでしょうね。
これでもかっていうくらい濃いアイシャドーの姐さんも…。哀愁ですわ

こんなシーンもありつつ、ホンカさんについてゆくお姐さま方。
ホンカさんあるコンプレックスを持っていてそのせいで姐さんたち、かなりえげつないことされちゃうんですね。これがいたたまれない。姐さんと言ってもかなりの歳なんですけどね。その上ポアされちゃうんですから。

とにかく全編に渡り恐怖と云うよりは、嫌悪の立ち込める雰囲気。
ホンカがピュークするところなんて、お前がするな!って思いと共にあの臭いが劇場に漂った気がして……。

ホンカも立ち直る機会はあったんですけどね~。勝てないんすね、やはり。

派手な演出もないし淡々と描いた感じなので面白みに欠けるかもしれませんが、所々で驚かされ、ツッコミたくなるシーンが多くてワタクシこちら好きでした。

演出といえば、ヨナス君のメーキャップも佇まいも完璧な感じでした。
たまに目がいっちまってるところもかなりおヤバい。
ちなみにホンカのホンカがたくさん出てきます笑

とみまる