「怖いもの見たさ」屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ ナカネムさんの映画レビュー(感想・評価)
怖いもの見たさ
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「女は二度決断する」のファティ・アキン監督が作品。1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した5年間で4人の娼婦を殺害した連続殺人犯のお話をベースに作られた話です。昔観た「セルビアン・フィルム」を彷彿とさせるグロさです。主人公のフリッツ・ホンカは寂しい男と女が集まるバー「ゴールデン・グローブ」で最下層の女達を広い自分のアパートに連れ込みSEXしてから殺害して切り刻み雑に包装して部屋の物入れに押し込んでガムテープで密封する。酒を飲みながら淡々と雑に作業していきます。途中から酒が悪いと反省したのか禁酒してガードマンとして真面目に働くが、職場の清掃係の女とその夫から酒を勧められもろくも解禁してまた殺害し切り刻み押入れに入れる。助かる女と殺される女、女たちは皆、太っていて性格はだらし無く醜悪に描かれており、その女達を狂気かつ暴力的に殺していく主人公。酒場での個性的な友達達や常連の女性客。全てにおいて救いがなく生々しくおぞましく怪奇的です。唯一まともなのはホンカが想いを寄せる若い女なんですが、最後はその子のことも付け回して一歩間違えばその被害者になり得る状況でしたが、突然の結末を迎えます。ほとんど救いのない映画ですが、圧倒的な力を感じて最後まで観てしまいました。
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