「「聖なる十字架」を勝ち取り、「一番福」となった彼女のこれからは?」ペトルーニャに祝福を スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
「聖なる十字架」を勝ち取り、「一番福」となった彼女のこれからは?
本作の主人公は学歴もあり、聡明なアラサー女性だが、
世間体ばかり気にする「毒母」や世間の風習、世の男たちのメンツとデリカシーの無さなどに翻弄され、人生の行き詰まりを感じている。
ある日、某世界三大宗教の女子禁制の儀式に主人公は無許可でやけっぱちで参加。
そして、その一年幸福が約束されるとされる「聖なる十字架」を手にし、その場から逃走する。
もちろん、この彼女の行動は、教会・宗教・マスコミを
巻き込んだちょっとした騒動となる。
ただ幸せになりたい女性、
伝統を守りたい教会、
どう対処していいか混乱する警察、
この騒動を利用して虐げられている女性たちの代弁者となりたい女性リポーター、
儀式に参加した信心深いのか敬虔な信者なのか疑わしい男性たち....
登場人物は主人公を含めて卑しい奴らばかりだ。
(そこがこの作品の良さであり、人間社会のリアルを包み隠さず描いている)
私はどちらかといえば、フェミニストというよりはマスキュリストだ。
だから、この女性がこの後どうなろうが知ったこっちゃない。
したがって、祝福はできそうにもないが、
それでもどうか一年といわず幸せを感じられる人間になってほしいと願った。
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