「依存症から抜けられない」ベン・イズ・バック コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
依存症から抜けられない
ハッピーな気持ちに程遠く、観ててつらい作品であった。
先日観た『ビューティフル・ボーイ』同様に、青年にドラッグが蔓延している欧米の社会に対して、問題提起する内容。
ドラッグ依存症で施設に入所中の息子・ベンが、クリスマスイヴに家族と、命を救ってくれた愛犬に会いたくて脱走してくるが……
実はドラッグを手に入れたくてという禁断症状からであり、昔の売人仲間に帰宅を知られて、簡単にぬかるみに引き戻される。
キャッチコピーは「救えるとしたら私しかいない」だが、母親が状況判断を誤って、子どもを死に追いやって行くだけなのが切ない。
親の最適解は、脱走してきた息子を、クリスマスのイベントなんかに連れて行かず、すぐに施設に戻すことだろう。
また、後半は「警察呼べよ」とずっと思うことに。
これほどまで、ドラッグから抜けることは不可能に近いと警鐘を鳴らすわけだが、故につらい描写の連続になるのは必然であった。
「母の愛」な美談を期待してはいけない。
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