「エンドロールでじわじわ来る」ベン・イズ・バック オランダさんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロールでじわじわ来る
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終始切なかった。
素直な優しい少年なのに、薬物とそれに纏わる人たちによって人生を振り回されてしまっている。自分を愛してやまない母にさえ、伝えられない自分の状況や心の内。彼の孤独がすごく伝わってくる。
母は彼が逮捕されないよう、強い母親となって1人で彼をかばい、彼を守り、彼を探した。でも最後、警察に駆け込み「彼を逮捕して」と泣きながら必死にお願いする姿に「彼が生きてさえくれればいい。彼が死んでしまう前になんとしても見つけて」という母親の素直な気持ちが爆発するシーンには涙が止まらなかった。
終わり方について...
ミーティングでベンが話した「昨年のクリスマス」のエピソードとほぼ同じ状況で終了した。同じ悲劇が繰り返されてしまった、デジャブのような終わり方にエンドロール中切なすぎて涙が止まらなかった。「昨年のクリスマス」エピソードがこの映画の最大の伏線のように感じた。
薬物から肉体的精神的に抜け出しても、薬物に纏わる人間関係からなかなか抜け出すことが出来ないことに、彼らの背負うものの大きさを考えさせられた。
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