僕に、会いたかった : 特集
【多忙な毎日を送るあなたに、心を癒してくれる「優しい映画」お届けします】
《海外注目監督》《TAKAHIRO長編単独初主演》《鑑賞後の温かな気持ち》、
そして――監督&出演者が語る《今、この時代だから見てほしい物語》
本作は、本当の意味で私たちに“必要”な映画だ――。離島を舞台に、記憶を失った漁師と島民、“島留学”の学生たちの温かな交流を描く「僕に、会いたかった」(5月10日公開)には、慌ただしい日常の中ですり減った心を“再生”してくれる「癒し」と「優しさ」が詰まっている。一見何気ないシーンの一つひとつが、日々に眠る大切さを思い出させてくれ、ラストには思い出深い“温もり”へと変わる。普段の生活では味わえない美しい情景に身をゆだね、かけがえのない時間を過ごしてみてはいかがだろう。
【《離島での暮らし》が教えてくれる「家族との“今”を大切にすること」】
優しさ、情景、人情──“かけがえのない時間”が、心を《再生》してくれる
「渾身 KON-SHIN」「たたら侍」等で知られ、国内外から高評価を受ける錦織良成監督がメガホンをとり、EXILE TAKAHIROが単独初主演を務めた本作。島根県・隠岐島を舞台に、ある事故で記憶を失った漁師の徹(TAKAHIRO)が島の人々の優しさに触れ、少しずつ生きる力を取り戻していくさまを優しく描きつつ、県外・本土から“島留学”してきた高校生3人の心の成長にもスポットを当てる。社会人や学生、どの世代が見ても共感できるつくりになっているため、安心して物語に入り込める。
・離島での穏やかな日々に、「癒される」
本作の特長は、島での生活を“疑似体験”できる部分。劇中で描かれる究極のスローライフは、誰もが過ごしてみたかった「第二の人生」といえる。「見る」を超えた「暮らす」を、味わっていただきたい。
・美しい情景の数々に、心が「満たされる」
心を空っぽにしてくれる夕焼け、穏やかな水平線、雲一つない青空――。ため息をついてしまいそうになるほど美しい情景は、全て“本物”。日本古来の原風景が、見る者の気持ちを浄化してくれる。
・どんな時も支え合う……温かい人情に、心が「洗われる」
忘れてはいけない、本作のもう一つの「美しさ」……。それは、他者への思いやり。どんなときも声を掛け合い、支え合い、共に困難を乗り越えていこうとする確かな「きずな」に、胸を打たれるだろう。
・記憶を失った主人公が全てを思い出したとき、優しい気持ちに「救われる」
物語のカギを握る、徹の記憶。彼の過去に、一体何があったのか? 全てが明らかになったとき、衝撃と共に、予想を大幅に上回るエモーショナルなドラマが立ち上がる。感動のラストシーンは、必見だ。
・家族と過ごす“今の時間”を描く物語に、大切なものを「思い出す」
本作の“余韻”は、見た後もずっと、長く続く――。徹や高校生の姿を通し、“家族”の温かみを繊細に描写。松坂慶子、小市慢太郎らの味わい深い名演も加わり、波のように優しく心に響き続ける。
【特別座談会】 監督・キャストが語る「今の時代だから見てもらいたい」
映画ファンに共有したい、作品に込めた“大切な思い”とは――
本作で“もうひとりの主人公”の役割を務めたのは、成長著しい若手注目株の山口まゆ、柴田杏花、板垣瑞生の3人。さまざまな思いを胸に島留学を選んだ高校生たちをみずみずしく演じ切り、作品に爽やかさと広がりを与えている。錦織監督のもと、等身大のキャラクターを演じ切った3人が訴える、「今だからこそ見てほしい」本作ならではの魅力とは? 錦織監督を交えた座談会は、4人の結束を感じさせる充実の内容となった。
板垣瑞生は――
「温かさ」と「島留学」を知ってほしい!
山口、柴田、板垣は、隠岐島での撮影の日々を振り返り、「楽しかった」と口をそろえる。
中でも板垣は、「ずっとここにいたいって思いました」と島への愛着を明かし、「(完成品を見て)“見えない優しさ”が恋しくなりました。あの温かさは島に行かないとわからないけれど、この映画で少しでも伝わったらいいなと思います」と作品の“ヒーリング効果”について語る。
さらに、自分自身が島留学を“疑似体験”したことで、「新しい人生を見つける意味でも、島留学が一つのルーツになっていったらいい」と目を輝かせる。「環境も人もいいし、人生を挑戦できる場所だった。こういう映画がないと、島留学のことを知らなかったかもしれないです。だからこそ、この作品を通していろんな方に知ってもらいたいです」。
山口まゆは――
「自分の存在価値」を再発見してほしい!
山口は、実際の島民との触れ合いの中で「自分の存在価値を感じることができました」という。「頼りにされることも頼りにすることもあるし、人との関わりが大事になってくるので、私はいていいんだって感じました」と劇中同様の経験をしたことで、ある変化が訪れたそうだ。
「(撮影時)、私は進学か仕事か悩んでいたのですが、この作品は将来を考えるきっかけになりました。民宿の方に相談したりしていました」(山口)。劇中では、“島親”と呼ばれる留学生のホストファミリーが親身になって悩みを聞き、協力しようとする姿が感動的に描かれるが、カメラが回っていない部分でも、温かな関係性が生まれていたようだ。
柴田杏花は――
「本当に大切なもの」を取り戻してほしい!
山口の言葉が示すように、この映画には“ウソ”がない。ゆえに、見る者の心にすっと染み入るのだろう。女優として、その“効能”をダイレクトに感じ取ったのが、柴田だ。
柴田は、「忙しい時間を日々過ごしていると、本当に大切なものって何だったっけって振り返ったときにわからなくなってしまうこともあるけれど、島の時間を過ごしたことで落ち着きました」と笑顔を見せる。
錦織良成監督は――
若い世代に「元気になって」ほしい!
役者陣の語りに耳を傾けていた錦織監督は、「島に『ないものはない』っていうポスターが貼ってあった。ものすごく便利な時代に便利さとは別の最先端、生きていく上で一番必要なものがこの映画にはある」と熱を込めて語る。
「ニュースを見ていて、人々の助け合いが少なくなっているように感じます。便利だけれど、ぽかんて穴があいた感じがする。(隠岐島は)そういうのと真逆の島。島は病気になると本土よりリスクが高いけれど、人たちが支え合っている“目に見えない強さ”がありました」。
“今”の空気感を敏感にとらえた錦織監督は、「10代の子たちも生きづらさを抱えていると思うけれど、この映画を見て元気になってほしい。キャラクターたちの生き様を含めて、ふわふわした癒しじゃなくて“攻めた”癒しの映画です」と結んだ。