「皆が知らないこと」ロマンスドール ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
皆が知らないこと
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは何だろうか。
僕には、若くして亡くなった女性の友人がいて、食事の約束をしていたその日に、健康診断でガンが見つかって行けなくなったと連絡があった。
入院、一度退院して仕事に復帰したが、再発・転移。
その後は、あっという間だった。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは何だろうか。
僕は、ガンになって初めて考えることではないと思う。
それは彼女が教えてくれた。
闘病中にメールのやり取りはあって、仕事やら何やらで将来のことを悩む僕に、今を一生懸命考えて生きなさいとさりげなく諭してくれた。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは何だろうか。
心が通いあってれば良いということは無いと思う。
バカバカしいことで笑ったり、正直であったり、触れ合ったり、セックスしたり、普段から、こういうことが大切なのだと心の底から思う。
葬儀は家族葬にするとのことで参加できなかった。
だから、浅草寺の8月の万霊燈篭供養会でひとりでこっそり、燈篭に名前を書いてお別れした。
映画のストーリーは、前半の結構笑える展開から、その後、ギクシャクして、死と向き合う展開だ。
洗濯機に哲雄が頭を突っ込む場面には、そして、園子の感触を求めてラブドールを制作する場面には、心が締め付けられる。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは何だろうか。
哲雄にとって、皆が知らないことを知ってると、ちょっとした優越感を隠して、人生を過ごしていくことだろうか。
僕自身は、違う気がする。
やっぱり、ずっと生きていて欲しかったと思うに違いないから。
でも、強がってみせるのも必要かもしれない。
追記:
蒼井優さんのスッピン感にゾクッとした。
そのこ1号は、実際は他の誰かがモデルだろうか?
P瀧さんは、この後、逮捕だったのかしら?
そして、
園子の「私なりによく考えて出した結論なの」は、女性の最後通牒の最終兵器だと思って、一瞬おののいた。
以上