「愛の営み」ロマンスドール tyzさんの映画レビュー(感想・評価)
愛の営み
見る者の経験が、作品の評価を分ける。
一度でも、愛に溢れた
互いをいつくしむセックス経験がある人は
かなり共感できるだろう。
存在を確認し、今という瞬間に
愛を伝え刻み付けるような営み。
全てに勝る快楽と温かさ。
蒼井優の表情と裸の背中が見事に体現している。
しかし、その悦びは永遠ではない。
だからドールに想いを込めたのだが、
どんなに美しくてもドールはドール。
とてつもない喪失感に慟哭するしかない。
いつか必ず失うことがわかっていながら、
愛することがやめられない。
全ては無常。
だが、記憶がある限り営みの感覚が五感に残る。
それがあれば、この後も何とか生きていける。
悲しく美しく、それでいて温もりのある作品。
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