「後ろ向きになりがちな今にこそ」イン・ザ・ハイツ ヤッターさんの映画レビュー(感想・評価)
後ろ向きになりがちな今にこそ
○やっぱりミュージカルいいなぁ。今回はラテン系の人たちのお話ってこともあって楽曲全てにパッションが、「陽」の気が満ち満ちていて、元気になる。観る栄養剤!
○出演者みんな歌がよくて(プロだから当たり前だが)耳の保養でした。特にタクシー会社の兄ちゃん、めちゃうま。
○キャラが心情を語る、仲間を鼓舞する場面において、ラップするっていうのはとてもいいかも。素直にアガる。自らの祖国、自分に流れる血を誇りに思い、力の限りレペゼン(英語で言われてるの初めて聞いたかも)する姿に胸が熱くなります。
○どこの国にも「おばぁ」はいて、「おばぁ」は偉大なんだなと思いました。
・現代アメリカにおける人種問題や社会構造など、知っておいた方が物語をより深く理解できるように思います。高額な家賃や不法移民など、日本であまり知られてない(少なくとも自分は知りませんでした)事柄が登場人物のバックボーンにあるので。
・結末。今生きるこの場こそが俺の祖国!っていう結論は飲めるんですが、ヴァネッサは良かったんかいなぁ。羽ばたける才能があるにも関わらず、コミュニティの中に収まってしまったような気がしていて…。ご近所のゴシップに花が咲く美容室があるような、人々の距離が近いコミュニティって、仲間意識が強いとも言えますが、ある意味閉塞的でもあるように思うのです。閉塞的だからこそのヤダみもあると思うんですが、それは村意識の強い日本だけの感覚なんでしょうか。それともこの物語では完全オミットされてたんでしょうか。
気にしなくていいことだったかもしれませんが、ちょっと、ほんのちょっともやりました。