「期待しすぎた。ハーレイはジョーカーではない」ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
期待しすぎた。ハーレイはジョーカーではない
ダークナイトやスーサイドスクワットでおなじみのジョーカー…の元カノが好き勝手に暴れまわるお話。なのだが、その暴れっぷりは案外普通。ジョーカーのように狂気と知性が合体したようなものでもなく、バットマンのように無茶を無理やり押し通すようなものでもなく、かなり悪い女の子が好き放題するだけ。だけと言っても、なかなかのものなのだが。
たとえば、ジョーカーが出てくる映画は基本的にジョーカー登場ゆえの度肝を抜くストーリーが売りである。が、ハーレイは基本的に行き当たりばったりだし、まわりの悪いやつらもごく一般的に悪いだけなので、ちょっと刺激が足りなかった。
この映画の作りはハーレイシリーズの第一作らしい。ハーレイがジョーカーの女ではなく、”ハーレイクイン”として覚醒するお話なのだが、同時にバーズオブプレイという女ヴィジランテ集団の誕生譚でもある。
「第一作らしい」というのは、私が勝手に受けた印象なので実際は知らないが、とにかくごく一般的なヒーローの第一作とプロットが同じだったのだ。ヒーロー(ハーレイ)が悪党(ブラックマスク)と戦うことになり、なんやかんやドラマがあって、友人を作って立ち向かう、という。元悪の女帝ならではのイカレっぷりを見せてほしかったなあ。
アクションはいい。素晴らしい(こいついつもどんな映画でもアクションほめてるな…)。楽し気にショットガンをぶっぱなすハーレイやクスリでキマッた後のアクロティックアクションは滅茶苦茶楽しい(こいつアクションほめるときに楽しいか格好いいしか言わないな…)。
ただ、ワンチームになってからのアクションは、場面が薄暗いことに加えて画面がごちゃごちゃしていたからわかりづらかった。ハーレイはずっと楽しそうだったけど。