「再びオーバールックホテルへ」ドクター・スリープ ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)
再びオーバールックホテルへ
ドクタースリープをシネマサンシャインで鑑賞。前作シャイニングを始めキューブリック作品は数多く見てきました。しかしキューブリック作品は単体での完成度が高く、本作も蛇足感の強いものになっていないか心配していました。
いざ見てみると、単体の映画として十分面白く。続編兼オマージュとして素晴らしい出来でした。キューブリック愛に溢れていて、後半からグイグイ引き込まれて終始ニヤニヤしながら見てしまいました。この時代に展望ホテルを新たな切り口で見れたのが嬉しいです。
シャイニングの"再現度"という点でも素晴らしかった。レディプレイヤー1でも展望ホテルのシーンがありましたが、本作のそれの方が再現度は上。特にバスタブの老婆はオリジナルに劣らぬ不気味さでした。
あと忘れちゃいけないのが、能力者同士のサイキックアクション、この駆け引きも熱くてスキャナーズを思い出すものがあった。シャイニングを踏襲しつつ、今の目で見ても全く見劣りしないアクションに仕上がっています。
心配していたダニーの配役ですが、見ているうちにユアン・マクレガーがダニーに見えてくるし、新キャラを演じたレベッカ・ファーガソンも妖艶で堪らなく魅力的でした。幼少期のダニーは流石にオリジナルの可愛らしさには劣りますけどね。
全体的に構成が上手く、言うならばローグワンに近い構成です。
新キャラ・ストーリーで導入。じわじわ前作の要素を出し期待感を煽り、クライマックスでホテルが出た時には問答無用でテンションが上がってしまう。
もはやこれは反射に近いですね。
ストーリーも全く破綻していないのは見事でした。
シャイニングの追体験映画としても、単体の映画としても良作な1本でした。