黒い司法 0%からの奇跡のレビュー・感想・評価
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ここはアラバマだ! へっ、威勢がいいのも今のうちだけだぜ! って思ってる白人もいっぱいいるんだろうな
実話に基づいた作品。
本作は主人公の黒人弁護士ブライアン・スティーヴンソンが2014年に発表したノンフィクション『黒い司法 死刑大国アメリカの冤罪』を原作としている(WiKi)
邦題は印象的でとてもよい。原題ではあまりインパクトがない。
正義のまえにあたりまえの慈悲。慈悲もない奴らの正義なんて信用できない。
黒いのは警察と検察と裁判所の判事で、黒人の弁護士だから黒い司法ではありません。
脇を固める囚人役、
とくに、
ティム・ブレイク・ネルソン(顔に火傷の痕がある白人マイヤーズ役)
ロブ・モーガン (ハーブ:電気椅子で死刑になってしまうベトナム戦争で一人生き残ったためにPTSDの黒人)の台詞、演技がよかった。
オシェア・ジャクソン・Jr(ロング・ショット)も含めて、囚人同士の友情も泣かせる。
ロブ・モーガンが出ている、「マッドバウンド 哀しき友情」2017年も日本では公開されなかったけど、キャリー・マリガン、ギャレット・ヘドランド、ジェイソン・クラーク、ジェイソン・ミッチェルが出てるので、Netflixで見ようかとおもう。
エバ・アンスリー役のブリー・ラーソンはキャプテン・マーベルだし、
ジェイミー・フォックスはフッド:ザ・ビギニングのジョンだし。
負けないことはわかってるけど、結構ハラハラしました。
1988年のアラバマ州のはなし。冤罪の死刑囚なんて、日本じゃ、戦後のバタバタしていた時期だけかと思っていたせいもあり、驚きでしたね。この映画はティム・ブレイク・ネルソンが演じた実在の囚人が出獄してから、世に出しているんですね。充分に気を使っていると思いました。
アメリカも人権に関しちゃまだまだこれから。 まぁ大変ですね。 中国の人権問題へのけん制も目糞鼻糞を笑う? 馬三家からの手紙も見ようと思っています。
まぁ、日本は平和。 Fukushima50 は見ないと決めています。な~んにも解決してないのに、早すぎると思うんですよ。映画にするのは。セシウムCs-137の半減期は30年ですよ。まだまだこれから作業で被曝する人がたくさん出てくる。 チェルノブイリ(爆発は1986年)は最近映画になって、すごく好評のようですね。見るなら、先ずはそっちからかと。
脱線して申し訳ないです m(__)m
壁は高かった。
「黒人なら犯罪者でもおかしくない」という "常識" がまかり通っていた時代の米国南部アラバマ州で、冤罪で死刑囚とされている黒人を守ろうとして努力する若き黒人弁護士の話。実話の映画化。
「グリーンブック」「グローリー」「ドリーム」と、米国が黒人差別から脱却する過程を描く映画は多い(戦争映画とどっちが多いんだろう?)。自らの恥の歴史をこうして堂々と描ける米国の懐の深さを感じると共に、差別からの脱却をほぼ成し遂げたという心地よい自負がなせるわざでもあるのかな、とも思う。
アラバマ州は、1960年代にキング牧師が黒人の権利を求めて闘っていた舞台だそうだが、本作の1980年代でも依然として黒人差別は激しく、観ている俺は、何度も絶望しかける。再審が実現したかどうかは、劇場でご覧くださいだけれど、心は何度も折れるよ。
それだからこそ、正義の敵は絶望だ、という主人公の台詞は、わかる気がする。
MERCYの意味は、慈悲なんですね。"Just Mercy=公正(であることこそ)慈悲” と、ある解説にあった。この意味は深いですね〜。
主演のマイケルさんは、正義が似合う。
原作者の、TEDトークを視聴するとよいとのことなので、YOUTUBEで見たら、追記します。
2023/1/1 追記
TEDトークを観た(検索は容易だった。「ブライアン・スティーブンソン TEDトーク」だけでOKだった)
再び本作を観た際の課題提起「有色人種は無罪でも有罪になりやすい」を思い出し、かつ「罪は財産額で判断されている」も新たに課題提起される。
彼の言う「貧困の反対側にいるのは富裕ではない。貧困の反対側、最も遠い所にいるのは正義だ」というセリフと、「人類を、社会の品格を評価するのは、お金持ちや権力者の扱われ方ではなく、貧乏人や収監されている者の扱われ方で決まるのだ」というセリフを忘れないようにしていこう。
アメリカ司法暗部をえぐり出す作品
以前から言われていた白人優位なアメリカの司法。
自由.平等の国アメリカだけど実は..…といった作品が近年多いです。いまだに州によっては黒人不利の裁判を展開してるのがわかります。
感銘をうける人も多いと思いますが所詮アメリカなんて今のトランプ政権みればわかるけど自分ファースト、白人ファーストなんですよね。だから古くからの白人ファーストを継承している州、市はいくらでも残っているはずです。その事実をクローズアップするのは必要なことですし実話だけになおさらいい意味での社会変革に繋がると思います。日本は幸い第二次世界大戦終戦とともに司法もリセットされ、ごく稀に理不尽な判決や冤罪もありますがアメリカと比べればまともな法治国家に思えます。
しかしブリーラーソン、地味な役だったなぁ〜
実話を元にした優秀作
逆転裁判みたいな感じかなーと思いつつ見ましたが、なかなかの良作。アメリカの司法の闇がこれでもかというくらい描かれています。
しかも、これの題材となる人々の戦いが、ここ数十年、下手したら現在まで続いているというしんどい話です。ただ1人にフォーカスを当てず、決して無罪とは言えない人たちにまで切り込む主人公が斬新でした。
しかし個人的には、「優秀作」止まりだなという印象。よく纏まっているので、映画館に見に行く価値は十分あるかと思いますが、めちゃくちゃ面白いわけではなかったです。
正義の無い世界に挑む正義
米国の差別社会の闇の深さをまざまざと見せつけられた。無実の黒人を有罪にする容易な日常の風景、その現実を何事もなく受け入れる白人社会。
何か問題ですか?と無表情で応える人々。あり得ない差別と偏見。
その現実に立ち向かった勇敢な弁護士。心が張り裂けそうになる屈辱に耐え手にした自由はあまりにも偉大で価値ある未来への扉だった。
ラストで涙腺崩壊。どこか清々しい。キチンと向き合えば理解ある白人もいた事が微かな救いでした。
是非映画館で🎦
何度も見たことあるような
レヴューで軒並み評価の高いこの作品を低評価
すると怒られるだろうな。
確かに実話として見て考えさせられる事はある。
しかし、大変失礼ながらこの手のタイプや展開は既視感のようにいくつも散見している。
迫害、差別、名誉、地位、立場、共感、などなど。
そして最初は悪人だが心変わりしていく人達。
エンタメ映画ではなく史実を追求する映画としては当然評価されるべきだろう。
それ故、死刑執行のシーンはなんとも衝撃的。
エンタメを追求しているわけではないので、表現にかなりこだわった感があるわな。
クリードの俳優も今ひとつ苦悩や葛藤の表現に乏しかったかなぁと。
まー普通の作品。
エンタメ作品を期待していたからこういう評価になってしまったというわけで許して欲しい。
必ず2度は泣かされる!!
後半は泣きっぱなし!!!
なんだよこれグリーンマイルみたいじゃないか!!!
食わず嫌いはよくない。
タイトルがいまいち、裁判劇なんてもう見飽きたなんて思ってたら、
この作品にカウンターパンチを喰らう。
1980年代に実際にアメリカであった事実をもとに作られた作品で、
まず驚いたのは、たった40年前なのにまだ黒人差別が色濃く残っている地域があるということ。
差別なんてものじゃない、劇中のセリフにもあるけれど、
「黒人というだけで有罪」がまかり通っていること。
どうして人は、生まれながらになにかに優れている人たちに、
こうして牙を剝くのだろう?
平和を願う気持ちも、
互いに助け合って生きようという気持ちも同じなのに、
ほんのちょっと違うところに魔が刺してしまう…。
今作は、これでもかというほどに
主人公が追い詰められ、それでも最後まで諦めなかったことで、
エンターテイメントが成立している。
語りたいことも、腹立たしいこともたくさんある。
でも、私は検察側も判事側も憎むべき対象ではないと思っている。
時代が、戦争が、彼らから視界を奪ったのだ。
セリフのひとつひとつが重く、
そしてその時代を反映している。
きっと今も、処刑される死刑囚の中で、無実のまま眠りについた人もいるのだろう。
いつになったら、いつになったら…。
そればかりが頭をよぎる。
この作品は、アカデミー賞を獲るべきだと思った。
そして人種だけでなく、こうして「ほんの少し違う」人たちへの偏見をなくすために、
団結しなくてはならない。
原題 Just Mercy
こんなに良い映画…わたしの中では、いまのところ圧倒的今年No. 1でした。
どう見ても明らかに冤罪、無罪を証明する材料も通らない、真実に目を向けず権力や差別が支配している中で、
主人公が問うのは慈悲、正義。
相手に良心があると信じて訴えるんです。
マイケルBジョーダンが最高なんです。
もちろんこれは救われる話で、救われなかったことも多いと思いますが…。
それでもこの出来事がどれだけ人々の希望になったことか。
久々にこんなに感情を揺さぶられるというか…
エンドロール中に出てしまうこともしばしば…なのですが、これはエンドロールが終わってもしばらく余韻に浸っていたくなる、そんな映画でした。
人種差別大嫌い。
人種差別大嫌い。
でも人種差別があるからには、こういった人種差別による冤罪事件もあったんだろなというのは想像できた。
でも、それにしたって、あまりにひどすぎて、言葉では語れない…。
キャスト陣は昂る感情を抑えに抑えてるのがスクリーン上から伝わってきて、スクリーン上の人物とおんなじ気持ちになっているぐらいに胸が締め付けられた。
物語自体は割と淡々と語られるけど、ジェイミー・フォックスとマイケル・B・ジョーダンの目の演技がやばすぎる故にフューチャーされまくってたのは流石すぎた。
何よりラストの明かされる真実には、思わず声が洩れる程に涙が出た。ある意味、映像なんかよりも文字で出る残酷さに泣き叫びたかった。
あとあの、ブラックパンサーの時も思ってたけども、マイケル・B・ジョーダン美しすぎて眼福…っ。
生まれた時代や国によっては普通の出来事だった
事実に基づいた作品なんですが、民主主義と自由の国アメリカで今も根強く残る人種差別や偏見を描いています。この手の作品を見ているとホントに今の日本は平和で自由で良いなあと思います。全ての自由や平和は数多くの人の努力と犠牲によって成り立っているという事を痛感します。
2015年、米アラバマ州バーミングハムのファストフード・レストランのマネジャー2人が射殺された1985年の強盗殺人事件で死刑判決を受けて収監されていた男性が無罪となり、この男性は3日、約30年ぶりに釈放された。釈放されたのはアンソニー・レイ・ヒントン氏(58)裁判所がヒントン氏の全ての罪状について無罪とした翌日、支援者たちが歓声を上げる中、裁判所から出てきたヒントン氏は涙を流し、集まった友人や親戚たちと抱き合った。ヒントン氏の主任弁護人、ブライアン・スティーブンソン氏は、不正な有罪判決が出された理由の一部にはヒントン氏が黒人であることもあったと指摘する。「人種、貧困、不適切な法的支援、無実の罪を着せられた人に対する検察側の無関心な態度が相まって、教科書に載るような典型的な不法行為を作り上げた」と話した。米NPOの死刑情報センター(Death Penalty Information Center)によると米国で1973年以降に死刑判決を受けた後で無実になったのはヒントン氏が152人目、2015年では2人目だという。
デジャブの様な
数々の映画で観た風景。
グリーンブックもツアーの最後の地がアラバマだった。
黒人に対する、警察官のレイシストぶりはデジャブかと思うほど同じだ。
そして描かれている時代を比べて更に驚く。
グリーンブックは1962年、黒い司法は1988年こんなにも時が流れていても状況は変わらないのか!?
きっと今のこの瞬間もそうなんだろうと、わかり切っていても愕然とする。
そんな中、弁護士ブライアンの一瞬の隙も見せない誠実な態度が心強いし、誠実さが世界を変えてくれそうな兆しを感じる。
粘ればいつしか変わる、もどかしさを抱えている人に希望を与えてくれている様だ。
オーソドックスな作品だが、シンプルに前向きな気持ちにしてくれる良い作品だった。
人間の弱さを克服するものは ただ慈悲を
原題「JUST MERCY」
2020/03/10
監督 デスティン・ダニエル・クレットン
出演 マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソン
キーワード
1.黒人差別
2.死刑制度
3.冤罪
1.黒人差別
舞台は1980年代のアラバマ州。黒人差別が根強く残る。主人公のブライアンは弁護士という身分でありながら、刑務所を訪れた際に、白人看守からボディチェックという名目で裸にされたり、車で走っているだけで、警察に呼び止められ、銃を頭に突きつけられる。
明らかに不当な逮捕、判決なのに、被告人ウォルターは「黒人は生まれつき有罪なんだ」と諦めてしまっている。もはや反抗する気も起きないほど、差別は激しく、権力の上下関係が生まれてしまっている。
今でも、アメリカは「黒人男性の3分の1が刑務所に入ったことがある」という構造的問題を抱えている。
2.死刑制度
ウォルターの独房の隣に、ベトナム帰還兵の黒人男性が収監されている。彼は精神を病んでおり、爆弾で人の命を奪ってしまった。
ウォルターや仲間たちが彼に「あなたがいるべき場所はここ(刑務所)じゃない。病院だ」というシーンがある。
「刑務所は最後の福祉」と言うように、本来別の手段で保護されるべき人々が罪を犯し、刑務所で生活しているのは、現代の日本でもある。ベトナム帰還兵の男も適切な治療を受けていれば、罪を犯さずにすんだかもしれない。
ブライアンの奔走むなしく、男の死刑は執行されてしまうが、この過程がこれでもかと詳細に描かれる。頭も眉毛も剃られ、電気椅子に腕、脚、頭が拘束される。恐怖で呼吸は激しくなり、鼻水が出てくる。執行部屋には男が選んだ「最後の音楽」が鳴り響く。
囚人仲間たちは、独房でコップを格子に叩きつけながら「あんたは1人じゃない。俺たちがついてる」と叫ぶ。その音は男の耳にも届き、少し表情が柔らかくなる。その直後、電流がはしる。刑が執行されたのだ。
確かに男は犯罪を犯したが、人の命を奪ったことが罪なら、罪を犯した人物の命を奪うことは許されるのだろうか。殺人が野蛮で人間の本性に反するというなら、国家の合意のもとで行われる死刑
もまた野蛮で人間の本性にもとる行為ではないだろうか。
初めて刑の執行に立ち会う看守に先輩看守が言う。「まともに取り合うな。精神がやられちまうぞ」。
「犯罪者は殺してしまえ」という人たちは、死刑がどんなものか、どれくらいリアルに考えたことがあるのだろうか。「まともに取り合ったら、精神がやられちまう」のが本能的に分かっているから、目を背けているのかもしれない。
3.冤罪
ウォルターは明らかに潔白にも関わらず、犯人を早く逮捕したいという警察のメンツや黒人差別のために無実の罪に問われた。
どれほど、人類が進歩しても冤罪をなくすことはできない。罪を犯すのが人なら、罪を裁くのも人であり、そのどちらもエラーからは逃れられないからだ。
「現在も冤罪の可能性のある死刑囚の10人に1人しか釈放されていない」という本編最後の文言が重く響く。
死刑制度を考える時に冤罪は常に頭に入れておかなければいけない要素だろう。
総評
原題「JUST MERCY」は「ただ慈悲を」。どんなに貧しく、恵まれない人に対しても慈悲を向け、逆境の中でも正義を貫くことが真に人間らしいことだと教えてくれる映画。人間の弱さ、醜さは人間の強さ、美しさで克服するしかないのだ。
★3.5
黒と白とサックスブルー
舞台は1980年、アラバマ州
ハーバード大学卒のエリート黒人青年が立証不可能な冤罪に強い信念と精神で挑む実話。
傍聴席に座っている気分になりハラハラドキドキ、涙なしでは見れない。
正義とは何か、決して綺麗事ではうまくいかない。だけど「最終的には強い信念と情熱が勝つ」そう信じたい。
力強く、優しく、元気をもらえるそんな映画だ。
死刑囚一人一人に家族のように寄り添い、一緒に感情を共有していた弁護士ブライアン。
絶望の淵にいる死刑囚を救ったブライアンはアメリカのヒーローだ。
この映画のタイトルやエンドロールのカラーがシンプルな黒と白。ブライアンがよく着ているサックスブルーのシャツが似合っていた。
ブライアン(マイケルBジョーダン)の美しい瞳とスーツ姿に鍛えた身体にはため息が出る。
重く悲しいけど小さな光と希望が見える物語に、時折流れるゴスペルに癒され泣ける。ストーリーだけでなく映像、音楽、ファッションにも注目してほしい。
アメリカの闇の部分ですね。
アメリカの掲げる。自由、平等が如何に絵空事なのか?が理解出来る映画です。
根深い人種差別、貧富差別。
物証がなくても、簡単に犯罪者に仕立て上げるのは、日本よりも危険な世界ですね。
邦題が酷い
アメリカが好きな「法廷もの」「ヒーローもの」の作品です。にしても約30年前の話にしても、ここまで黒人を差別する社会に戦慄が走ります。現代はトランプの出現によって黒人どころか女性や中南米の人々、中東、あらゆる地域で差別がはびこってるように未だ平穏な世の中とは言い難い。それでも、この主人公は、それに立ち向かう勇気を我々に与えてくれる。そんな映画でした。にしても原題は「ジャスト・マーシー」(慈悲そのもの)
黒い司法ってなんやねん!
人権への気の遠くなるような道のりの一歩
永遠に無くなることのない人種差別、格差社会、そして民族戦争。これらは神様の悪戯なのだろうか?
今作は冤罪の死刑囚たちのために闘う弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話。
弱き者たちの祈りのような作品。私のような何も行動しない偽善者をも熱くさせる、パワーに満ちた作品だ。
小さな一歩がどれだけ大切だろう。
日本の司法制度もクソだけど、米国もクソだな
本作の「悪役」は保安官と検事だろう。
どちらも選挙で選ばれる。
だから地元民のウケの良い選択肢を選びがちになる。
本作で言えば、黒人に罪を被せる、ということ。
それがどれだけ客観的に見て、あり得ないだろうが関係ない。
そういう意味で、保安官と検事の2者は「共犯」関係にある。
日頃、日本のニュースを見ていると、日本の司法制度はクソだな、とつくづく思う。最近だとゴーン氏の事件とかね。
(具体的に言えば「人質司法」とか「自白偏重」とか「取り調べに弁護士立ち会い不可」とか「証拠品の弁護側への開示が義務になってない」などなど)
それに比べれば、米国はいくぶんマシだと思っていたが、
米国は本件のような人種差別、「経済的格差」「左右の政治的断絶」の全てが、米国の司法制度を蝕んでいる。
だから、どっちの国の制度がクソだとは言えない。
味が違うだけで、どっちもクソだな。
本作の保安官は本件被告が無罪になった後も、6回も再選された。
(ラストで、保安官の再選は説明があったが、検事の方がないのはおかしい)
彼に投票した有権者の感覚は、
「本件でミスはしたとしても、リベラルな保安官なんてあり得ない」って感じなのでは。レイシストかどうかより、保守かリベラルか、それが問題だ。
この投票行動は、大統領選挙でも同じ。
だからこそ、トランプ氏が大統領の椅子に収まっているし、2020年の選挙でも再選されそうな勢い。
地味でテンションの低い映画ではあるが、テーマは深い。
泣ける、悲しいの他に怒れるって印象ほしい…
自分の年とか性別とかキャラとかのせいか、最近職場の同僚達にナメられてんな〜って思うこと多くなったけど、黒人系の人達は生まれながらにナメられてんだろうなぁと、この手の映画を観るたびにいつも思う。
大学の英語の授業で、白人ネイティブの先生がしみじみ言ってた。「白人だと仕事探すの苦労しない…黒人だと大変、日本でも黒人差別ある」と。
つい30年そこそこ前の事実とつい最近釈放された人の、長きに渡る屈辱的な日々を思うと、苦しくて胸が張り裂けそうになる。死刑執行のシーン、証言が覆ったり、息子まで手錠をかけられたり、泣けるシーンのオンパレードだったけど、やっと最後に嬉し泣きできた。
こないだ観たグリーンブックやドリームのように、最高に知的で品格のある黒人達でさえも、外見で差別されたり、屈辱を味わったりするシーンを見ると、何が自由の国アメリカだよ!o(`ω´ )oと思うけど、ウチらもどこかで差別してないか省みたい。
弁護士のブライアンが最高にかっこよくて、あんな風に冷静に、知的に、品性と情熱を失うことなく、希望を持って生きていきたいとつくづく思った。
時々今の職場が辛すぎて、何もかも投げ出したくなるけど、ちゃんと神様が最後まで諦めるなよ、ってメッセージくれたんだなと、頑張る力をもらえた、素晴らしい作品だった。
推定有罪の国でこの映画を見る
マイケル・B・ジョーダンは弁護士役にピッタリだと思い、まさにその通りでした。忍耐、希望、信念、内省、共感の思いと理性、そして正義&慈悲が加わり、理想的な法律家を演じていたと思います。
みんなからチャーミングだと思われるようにすればいいのよ!というエバの提案は本当にチャーミングだった。
法廷もの、わりと好きで、弁護士なり検事が法廷で立つ→着席の繰り返しで、その人の自信、安定性、信頼性が見て取れる気がします。ブライアンは、起立したらジャケットのボタンをはめ、着席したら必ずボタンを外していました。一方、検察側の人はボタン外れっぱなしで如何に取り乱していたかが伺えました。
最後の州裁判でブライアンが述べた言葉には、力強さと気品と正義と真っ当な批判精神に溢れていました。法律の世界の言葉の持つ力と重要性に心打たれました。
あれだけの大量の資料、文書作成とやりとり、証人からの聞き取り…めまいがしそうな仕事だ!ブライアンがジョギングしてたの理解できます。
三権分立が何かわかっていない人が首相である国に私は住んでいる。怖い。
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