ジョーカーのレビュー・感想・評価
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町山さんが褒めてるだけある
TBSの町山さんがお勧めというんで見に行ったんだけど、非常に深い政治的意図が仕掛けられている作品。アメリカのレーティングでも潜伏された意図まで含めてこの作品を考えると放映禁止となっても全くおかしくない
DCの中でバッドマンが結構な位置に存在してるのは、アメコミの歴史の中で重要な指標を提示できた、という過去があるからだ。かつてアメコミは政府の弾圧の元でかなりシンプルな作品しか作れなかった時代がある。「悪者がいる」「やっつけろ」「バーン(解決)」だけの勧善懲悪なお話しかないような。それが日本の漫画が発展していくのにつれ、アメコミも弾圧がなくなって後に変化し、大人が読んでも耐えられるだけの深みを描けるようになっていった。その代表作こそが「ダークナイト・リターンズ」である。そこでは年を取り、政治的意図に振り回され、戦う相手は政府の敵だったりするヒーローが描かれている。無敵でなくなったヒーローが現代の社会の問題と向き合うようになったのである
そして、それが映画化された作品が「ダークナイト」である。そこではバットマンのライバルのジョーカーが狂気の元に社会に恐怖を与えていく。それを演じた役者が役の狂気に飲み込まれ自殺し、アカデミー助演男優賞を受ける事になるという狂気との狭間にある傑作である
この2つの大作がバッドマンの礎となっている。今回の「ジョーカー」はまさにその直系のサイドストーリーであり、狂気の源となったジョーカーの内面に潜り込む作品である。悪役が主役なのだから、バッドエンドが定まってる。救われる道はない
そう、このバッドマンに連なる話というのは、かなりの部分で社会的問題を含んだ話になっている。そして今回のジョーカーで語られてる問題は、マイノリティへの無理解、弾圧、政治の無謬である。その無理解や政治を金持ちが操ろうとしてる様に対して怒りを生み出す作品となっている。そこに解決の為の道は無い。これはジョーカーの話だから、その怒りはただ破壊へ向かうだけである。ジョーカーの話はアメリカ人にとっては他人事ではない。彼らのほとんどは安い賃金で働き、政治の無謬により政府機関が閉鎖され、何時職を失うかという恐怖にさらされながら、金持ちが演じる政治ショーを傍観する立場にある。しかし、この作品に共感し、感応すれば、皆テロリストになってしまう。そういう危険な作品なのだ
つい最近、サウスパークというブラックパロディな長期アニメ作品が中国の最近の香港弾圧、ウイグルの民族浄化、ハリウッドが中国に操られてる問題をパロったら、中国でサウスパークが見れなくなる、という問題が起きた。NBAの一部の人が香港デモを応援したら中国からNBAへ謝罪を求められる事になり、スポンサーから降り、中国放映が危ぶまれる事態となっている。米国のショービジネスは今や中国に大きく舵取りをされている状況となっている
その背景を踏まえた上でこの作品が米国の大統領選挙で大事な時期に公開された、という意味は非常に大きい。民主党、そしてハリウッドはリベラルであり、弱者やマイノリティの意見を代表している。しかし、最近ではそれらのマイノリティの意見表明は非常に敵対的になっている。ソーシャルジャスティスウォーリアーと揶揄されている。彼らは協調ではなく敵を打ち倒す事に力を入れ、彼らを批難する言葉に対しては弱者への弾圧であると(日本ではヘイトという表現で)批難し、その発言を社会的に封じようとする。これは何か?民主主義を対立によって立ち行かなくさせる活動であり、表現の自由を弾圧によって奪う活動だ
民主党はヒラリーが中国から大きな支援を得ている。ハリウッドには中国の資金が入って中国からの指示を断れない状況にある。ヴェノナ文書という公文書がある。共産党がいかに長年ずっと敵対国家を内部から破壊しようとしてきたかという事を米軍情報部らが明かした公文書だ。ぜひYoutubeでその衝撃の中身を知ってほしい。ジョーカーで実現しようとしている世界とは、民主主義を壊し、表現の自由を奪う活動と繋がっている。そしてその先に中国の影がちらついて見えるのは自分の視座から見えるだけの事ではないと確信してる
これだけの意図を持って作られた作品にも関わらず、米国で上映できたのは、米国が表現の自由を何よりも優先しているからである。たとえその作品の意図が民主主義の破壊、表現の自由の弾圧に繋がっててもだ。それはこういう作品から得られるモノが人によっては意図以上の考えにまで至る道を用意してくれるからだ。このレビューがその一助になるとうれしい
この作品は良く出来ている。そしてそれが示すモノとは何を示しているのか
ジョーカーは誰によって生み出された?それこそがこの作品の価値かもしれない
ジョーカー降誕
なんでこんなに評価されてるの?
後半に魅せる狂気のダンス
ホアキン・フェニックスの独り舞台。マイナー日本映画にありそうな雰囲...
バットマン詳しくないけど良かったです。
過去に、劇場でダークナイトを見て興奮したことがあったので、期待して見ました。
ジョーカー誕生までの生い立ちというか、悲劇というか、理由付け(笑)というか、そういうお話ですが、割とすんなり受け入れられました。少し展開が遅くて、退屈な時間もありましたが、話も分かりやすくて面白かったです。
強いて言えば、驚きが少なかったことが物足りなさでしょうか。
精神状態のリトマス試験紙
やっぱジョーカーは最高のヴィランだった
バットマンの宿敵ジョーカーがどうしてジョーカーになったかを描いた話。
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急に笑ってしまう頭の障害を持ったアーサーは、ボケ気味のお母さんの介護をしながらピエロ役のバイト中。理不尽にオヤジ狩りにあったり、貧しいけどいつか芸人になりたいっていう夢のために毎日ネタ帳をつける日々。
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そんな男が徐々に徐々に色んなものを失っていく。貧困・孤独に加えて銃が揃っちゃったらもうこうなるのはしょうがないんじゃないかな〜って、ジョーカーに共感してしまう。
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だからゴッサムシティの貧困層の民衆がジョーカーをヒーローだと崇めちゃう気持ちも分かるんだけど、アーサーは元々貧困層の奴らにオヤジ狩りとかひどい扱い受けてたわけで。貧困層の味方になんて絶対ならないよな。ジョーカーはジョーカーなんだよな。
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1番よかったシーンはやっぱりアーサーがショーに出るためにジョーカーになって、踊りながら階段を降りてくところ。家への帰り道に重い足取りで階段を登ってたアーサーと対象的で良かった。
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あぁ、この人はもう普通の人間アーサーには戻らないんだろうな。この階段をもう登ることはもうなくて、人間としての階段を降りてっちゃうんだなってわかって悲しくもかっこよかった。
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現実と闇との境界線
辛い現実
絶対正にはシラケるけど絶対悪はかっこいい
評判が良いので、バットマンビギンズとダークナイトだけ観てから行きました。このふたつは観てから行った方が良いかと。
元々アメコミ映画はあんまり観ません。正義が悪を打つみたいな単純なイメージと、アメリカ人が好きそうな自己犠牲とか愛国心のイメージがあるから。
ただ、今回はJOKERを観るために鑑賞です。
まず、バッドマンのJOKERは、絶対悪に鳥肌。悪とはこうあるべき。今まで観てきたどのキャラより悪。まさに完全悪に鳥肌。
この映画のJOKERはとても人間的。自分もそうなるかもと思ったし、周りにもこういう人がいるかも、とも思った。
人間が完全悪になるきっかけというか、瞬間がたまらない。
どうしてそうなったのか、、、というストーリーですが、その理由がとても人間っぽく、日本でも身の回りに起きるような話で、逆にゾッとしました。
残忍なシーンもありますが、どちらかというと人間の内面の醜さの方がキツい。
あと、この話は文字にするとそんなすごい話ではないと思う。映像と音楽、、そして演技でここまで凄いものができるのだと、改めて映画が好きになった。
あとは、とにかくJOKERがセクシーでかっこいい!
普通の大人は完全な正義を見せられると白けてしまいますが、完全な悪には憧れてしまうということがよく分かった。
最後まで釘付け。足を組み直すのも忘れるほど。個人的にはシン・ゴジラ以降初。
ただただ重たく深い映画。 描写、演出、ディテールが素晴らしい。 ホ...
笑えない冗談
時代と共に世の中の価値感は確実に変わってきたと思う。
60年代自分が子供だった頃のアダム・ウエスト版TV番組「バットマン」はコメディ寄りのお気楽なドラマだった。大体悪役との格闘シーンで「BANG!」とか吹き出しが合成されてるあたりそもそもアメコミの実写って事もあり、その場は斬新でもあった。
ティム・バートン演出のマイケル・キートン版はジャック・ニコルソン演じるジョーカーこそ狂気的だがどことなくTVドラマのジョーカーを引きずった感じ。むしろ2作目の「リターンズ」に登場するペンギンやキャット・ウーマンなどの悪役勢が今作の世界観と繋がっている気がする。
そしてシリアスなドラマとなった「ダーク・ナイト」シリーズはまた別な世界観を作り出した気がするが、この映画「ジョーカー」は善悪の位置づけ自体に疑問を投げかけている。
それはこの映画に出演しているロバート・デ・ニーロの出世作「タクシー・ドライバー」がいい例で、主人公のトラヴィスは政治家の暗殺まで考え未遂までするが、最終的には誰も望んでない悪者退治を勝手に行うサイコ野郎なのにマスコミは英雄扱いする。
世の中が悪く、自分は正しい・・・
他の映画で言えば「フォレスト・ガンプ」。この名作でさえ、知的障がい者であるフォレストは周りから不自然な目で見られるが、本当におかしいのは健常者の世界。それはフォレストの幼なじみのサリー・フィールドがどんどん時代と共に堕ちて行く過程が最もいい例だろう。
今作も主人公は決して生まれながらの悪党ではなく、世の中が彼を追いつめた状況を淡々と綴ったドラマだ。
そもそもスケールのデカい犯罪者を数々生み出した「ゴッサム・シティ」なので、環境がいい訳が無い。一般的には「この家庭環境なら子供がグレても仕方ない」みたいな感覚。
主人公は散々辛い目に遭いながら自分の進むべき道を必死に捜す。結局ネガティブな方向へ進むしか無かった。それは十分理解できる・・・
しかし、犯罪は犯罪でしかない。どんな理由があってもそれは避ける事ができない。
自分はこの映画の評価を躊躇う部分は映画としてのカタルシスがあるかと言うと、残念ながら無いところ。
「タクシー・ドライバー」は最後一応英雄視された。「フォレスト・ガンプ」は様々な体験を語りバスに乗り込み過去のアメリカの痛みをそこで客観的だが昇華させた気がする。
はたしてジョーカーは・・・・そこが不明だ。
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