ジョーカーのレビュー・感想・評価
全1172件中、101~120件目を表示
ホアキン・フェニックスの美しい瞳が、恐ろしくて、やりきれない。
ホアキン・フェニックスの美しい瞳。
途中で何度も吸い込まれた。
哀しいやりきれないお話。
なんでよ?と言いたくなるアメリカ社会。
おかしな社会で美しい瞳がさらにさらに澄んでいく。
こわい、こわい。こわくなる。
やりきれない気持ちが恐怖に変わる。
やりきれない。
言葉にならない傑作
R15指定といってもそれほど過激な描写があるとは思わなかった。
見ると人を殺したくなる、なんていうことは絶対にないから安心して鑑賞してほしい。
子供に見せていい映画とは言えないが、若いうちに見るべき映画だと思う。
アーサーが追い詰められて人を殺す度に、涙がポロポロと流れる。
悪のカリスマ・ジョーカーとなった瞬間には、涙が止まらなくなった。
しかし一体どんな感情で涙が流れているのか自分でも説明がつかない。
別に悲しい映画ではないし、泣かそうともしていない。殺される側ではなく、殺す側を描いているのだから。
主演のホアキン・フェニックス。役者とはこんなに凄いものなのかとただただ圧倒された。
映像でしか表現できない人間、映像でしか表現できない物語が、描かれていた。
エンドロール表示後に現れる「ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞受賞」には、そりゃそうだろうとしか思わなかった。
よき理解者がいたら…
実は、「バットマン」シリーズ、あまり好きじゃなくて、見たことないんです。ダークナイトのヒース・レジャーは、知ってます。予告編が強烈だったし、面白そうだったので、バットマンに興味はなかったけど、観に行こうかと思ったくらいでした。でも、観に行かずじまいでしたが…。今回は、観に行こうと思ったのは、バットマンが出演しないからかな…。
今回、この「ジョーカー」を観るにあたり、少し調べたんですが、ジョーカーが出てきたのは、ダークナイトだけじゃないんですね。そして、演じていたのもヒース・レジャーだけじゃないんですね。知りませんでした。
さて、今作品ジョーカーですが…。なんとも、いたたまれない。よく、時代のせいって言葉を聞きますが、まさしくソレ。いわゆる底辺の生活。それでも、慎ましく生きていたのに、理不尽な扱いを受ける。それも、知人から赤の他人まで。報われないわ…と思ってたら、ご近所の女性と親しくなって、一縷の望みだと思ったら、まさかの妄想。良き理解者であるはずの母親も、実は、ネグレクトだったことが分かったり、踏んだり蹴ったり。そりゃ、死にたくもなりますよ。たった一人でいい、彼の理解者がいたら、こんなことにはならなかったのかも…。
怖い、恐かった!
JOKERの名を借りた低予算C級映画 ただただつまらない
こういうのをピカレスクといいのか?
ホアキン版『タクシー・ドライバー』
何かを語りたくなる
バットマンのスピンオフだと思わないほうが良いと思います。普通のアメコミ映画とは、まるっきりの別物です。
映画館で見終わったあと、近くの席の人が、
「内容が薄い。何も無かった。アメリカの狂人が犯罪者になっただけ」
と怒った調子で言っていました。たぶん、彼はバットマン映画のファンだったのでしょう。アメコミの映画という評価基準なら、本作は駄作です。他のDC映画やマーベル映画を大好きな人は、まったく違うもののつもりで見てください。そうでないと楽しめません。
で、アメコミ要素もそれ以外も、ひっくるめて評価して☆4.5です。
見終わって、いろんなことを語りたくなって、酒を飲みながらSNSで夜更かししました。上にも書いたこととか、フェニックス(ジョーカー役)の演技とか、笑顔が悲しいとか、笑顔が怖いとか、笑わないデ・ニーロとか、社会の歪みがどうこうとか、リアルすぎてせつないとか、悪役への感情移入とか、子供ブルースかわいいとか、ゴッサムシティは修羅の国とか、いろいろ。
あまりに多すぎるので、ここで繰り返すことはしません。この映画をご覧になれば、似たような気分を共有していただけると思います。
ボッコボコに叩きのめされたことがある人間だけが舐めた辛酸が舌先を痺れさせる最凶のコメディ映画
ゴッサムシティで母と二人暮らしのアーサーはスタンダップコメディアンとして舞台に立つことを夢見る心優しい道化師。楽器屋の閉店セール宣伝中に不良に絡まれてボコボコにされたのに楽器屋からは職務放棄とクレームされる始末。見かねた同僚から自分の身は自分で守れと38口径の銃を手渡されたことをきっかけにアーサーの中でくすぶっていた何かが熱を帯び始め、地下鉄の中で酔っ払いの証券マンに因縁をつけられた時にそれは沸点に到達する。
蔑まれ虐げられる毎日の中で自分の実在すらも信じられないほどに魂をすり減らした男が、世界の構造を悟り己の使命に目覚める。ジョーカー誕生譚でありながら実はスーパーヒーローのそれと何も変わらない。狂ってるのはオレか、それとも世界か?自身の出生の秘密を知らされ現実と妄想がない交ぜとなった世界がぐにゃりとひしゃげて紡がれたメビウスの輪の向こうに見えた結末が別の物語の始まりとなる。『狼よさらば』、『ダーティー・ハリー』、『タクシー・ドライバー』、最近では『天気の子』まで一丁の拳銃が解き放つ狂気が観客の魂を激しく揺さぶる、これは途方もない傑作。
『her 世界でひとつの彼女』、『ビューティフル・デイ』、『ドント・ウォーリー』と悲惨な運命に翻弄される男を執拗に体現してきたホアキン・フェニックスが全身から解き放つ狂気と悲しみと滑稽さは、居心地の悪いこの世界で慎ましやかに生きる何者でもない人の胸にザクッと楔を打ち込みました。私が号泣した瞬間にあちこちから啜り泣きが聞こえた時に今生きているこの世界もまたゴッサムシティそのものであることを確信しました。そしてジョーカーに最後の一線を越えさせる役割を果たすTV司会者マーレイをロバート・デ・ニーロが演じていることは『タクシー〜』、『キング・オブ・コメディ』を観てきた世代には感慨深いものがあります。
そしてこの映画の背景になっているゴッサムシティの荒廃がフィクションなのに余りにもリアルなのも印象的。どうしようもなく悲惨過ぎてもう笑うしかないほどボッコボコに叩きのめされたことがある人間だけが舐めた辛酸が舌先を痺れさせる、そういう意味では今年最凶のコメディ映画とも言えます。シャレならん傑作です。
心を蝕むとはこのことか
凄絶!悪を誘う究極のカリスマ・・・降臨!
「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を見に行くにあたってのおさらいです。
当時は、アカデミー賞を取るんじゃないかって噂になるほどのスゴい作品でした。
とにかく、見ていて圧倒されるって言うんでしょうか、見終わったあとは、ドッと疲れるようなエネルギッシュな作品です。
ホンっと面白い。特に最後が凄まじい。トリハダたっちゃいます。
昔、テレビでバットマンをみた覚えはありますが、ジョーカーは全く記憶にありません。
ジャック・ニコルソンのジョーカーが初認識です。でも、あの作品自体にあまり思い入れがないので、単なる敵役の一人でした。
衝撃だったのは、やっぱりヒース・レジャーですね。後にも先にも最高の敵役だったんじゃないでしょうか。
「スーサイド・スクワッド」のジョーカーも悪くないですが、全くの別物です。
そして、本作品のジョーカーが、さらにスゴい。上手く言い表せませんが、自分の中ではこのジョーカーが将来、ヒース・レジャーに繋がっていく線がはっきり見えた気がします。 まさにダークサイドに堕ちていく凄まじい人間ドラマでした。
DCも、この作品から、新たな展開を迎えた気がします。
マーベルみたいな連携した作品でなく、一本の単体のドラマ。それも、ヴィランが主役の重厚な人間ドラマ。いや〜、ホンっと見応え十分です。
今回もそうでしたが、何回見ても、圧倒されちゃう一本です。面白い。
ただ、ジョーカーを知らない初見の人は、どんな風に見るんだろう? 普通の人がダークサイドに堕ちていくさまだけで楽しめるんだろうか?少なくとも面白さは半減じゃないかな。
狂気
ジョーカーは身近にも存在する
これはなんと悍ましく衝撃的な作品なんだろうか。悪のカリスマであるジョーカーの誕生秘話に圧倒された。狂気の塊・アーサー役を演じたホアキン・フェニックスも実に素晴らしく不気味な笑い声が頭から離れない。狂気を感じる音楽も抜群。
社会から孤立し悪へと変貌するアーサーの姿を見て感じたのは、いつの時代も狂気な殺人事件が発生していて、我々の身近にもジョーカーは存在しているのではなかろうか。
2019-221
業の深さ
まずホアキン・フェニックスの人間的な奥行きに驚かされます、演技から垣間見れる業の深さとでもいいましょうか。何故なら、貧困や狂気を実際に生きた経験がないと醸し出せない演技をするからです。
物語はというと、世の下位層の不満を代弁したかのようです。そういうと大袈裟かもしれませんが、少なくとも富裕層は冷や汗を掻くことになるでしょう。まるで恵まれない人間への鎮魂歌の様でもあります。
日本には天は人の上に人を作らずという言葉があります。しかし、それは、まやかしで実際には人の上に人はいます。それどころか弱者であるほど搾取され、あらゆる悪条件を飲まされ選択の余地を奪われてしまいます。
この映画の残酷なところは、何かの歯車一つでジョーカーが幸せに暮らしたり、夢を叶えたりするもう一つの現実が見え隠れするところです。その幸せな世界からは、ことごとく分断され、梯子は外され足枷を外すことができません。それでも人生を喜劇と捉える主人公が痛々しくてなりません。
その様子に私達は、心を締め付けられることになります。
点数を付けるのも野暮ですが、本作に92点を付けたい。ビューティフル・デイは78点くらい。
虐待・街でのデモ・覆面。。。そして狂的な社会。とてもタイムリーで圧倒的な完成度の芸術映画
アメコミ映画は基本的に観ないことにしているが
この映画は別格だ。観る事を躊躇しなかったし
この芸術映画を観たのは正解だ。 観なかったら後悔しただろう。
前作(ダークナイト)において、故ヒース・レジャー氏は高評価を得ていたが
ジャンキーの演技なので、僕にとって、それは評価外・論外であり、
狂人の極端な演技は差ほど難しくはない。
それに比べ、後半マイケルジャクソンにさえにも魅えた
主人公ホアキンさんの役作りと演技は完璧だ。この映画の背景すべてを完璧に語っている。
そして紙1枚とネタ帳で映画の前提をすべてを表現した脚本も凄い。
楽しいから笑うのではなく、悲しいから笑うのでもない。
彼は感情が高まると泣くのだ。
だから彼は真の”笑い”というものを知らない。
その知らないもので、自分探しをするが
それは残酷でもある。
彼は根っからの社会的弱者・障壁者なので、本来守られるべき人間であるが、
社会が彼を犯罪者にしたのではなく、弱者切り捨てによって作られた隙間に落ちた人間で
妄想好きな狂人
映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と同じだ。
多々でてくる回想シーンはボッーと観ていると勘違いしそうなシーンで構成されているが、
構図も撮影・カメラワーク・照明もすべて完璧!
オレンジライトとブルーライトをうまく使い分け、綺麗な色彩を演出していた。
構図・音楽・効果音が的確で
非常に考え尽くされた画面と
オープニング・エンドタイトルに至るまで、センスよく
ほんの僅か上映時間が長い気もするが、脚本もピカ一
完成度が非常に高い作品
しかし、冷蔵庫を映すシーンの必要性とカメラの動きの訳
途中に入ったギーィ音の意味が気になったので、監督に訳を聞きたい。
この映画を観たら、鏡に映る対照的な「タクシードライバー」を見直したくなった。
喜劇なんて主観さ。笑えるか笑えないかは自分で決めるんだ。
たまたま数日前の深夜、TVで「ダークナイト」を観た。バッドマンを翻弄するジョーカーの小面憎いことったらなかった(と言うものの、基本的にアメコミ映画は観ません。ヒーローの万能っぷりや勧善懲悪のステレオ描写が嫌いなので)。
個人的には、バッドマンの苦悩なんて興味はない。水戸黄門然り、大岡越前然り、どうせちょっとやっつけられるパフォーマンスを見せた後にガッツリ叩きのめすプロレスなのだから。それなら僕は、雲霧仁左衛門や河内山宗俊の物語にこそ強く心惹かれる質だ。美学を持つ悪人や、世の中が作り出しだした道化にこそ、人間の本質が深くにじみ出る世間を見ることができるから。歳をとると、そういう物語にこそカタルシスやシンパシーを感じてやまない。
そしてこの映画には、そんな切なさがあふれていた。
アーサーはコメディアンを目指していながら、笑いのツボが分からないなんてすでに滑稽な悲劇である。どうやら読み書きも満足ではないらしい。もしやLDなのかも知れない。たぶん、子供のころからずっといじめられっ子だった気配がある。clownを職に選んだのだってもしかしたらペイントをして顔を隠せるからなのかも知れない。違う自分になれる快感を得たこともあったろう。
そんなアーサーが、もともと脆かった彼の心を壊すには十分なほどの事実を知ってしまい、精神までも壊れていく様はみじめな弱者でしかない。人生を諦観していたアーサーが、とうとうやけっぱちになって「狂ってるのは僕?世間?」と問うまでに乱れ、やがて自らが秩序の破壊者へと変貌していく。なんと悲しいことだろうか。
そんな堕ちてジョーカーと化けていくアーサーを、怪優ホアキン・フェニックスがものの見事に体現していた。この役者、その役作りには敬服する。「her」や「ビューティフル・デイ」などの彼も素晴らしいが、このアーサー役の彼もまた格別の存在を成している。鏡の前の彼も、走って逃げる彼も、痩せ身で不健康な彼も、限りなく、役に没入しているように見える。メイクした「道化師の涙」でさえも本当の涙を隠すためとしか思えなくなった。だから、アーサーじゃなくてホアキン・フェニックスに手を差し伸べてあげたくなるような気分にさせられてしまう。
クリームの「white room」が堕落していくゴッサム市に融け合い、「send in the clowns」のメロディがジョーカーの人生を笑える悲劇へと導いていくようなラストを観ながら自問する。
で、この映画を観ている自分はどっちだ?と。
顔を隠しながら、災難を恐れてその場から去る”善良”な市民か?
ヘタクソなステップを踏むピエロに喝采を送る、怒れる市民か?
えぐられた
凄い映画を観た、というのが率直な感想
同じくこの週末に公開されたアメリカでは、映画に影響を受けることを懸念して、映画館の周りの警備などを強化したり、上映を見送った地域もあると聞くこの作品。
バットマンでは悪役として登場するジョーカーを、心のどこかで受け入れてしまうような感覚を受ける。それはきっと、実在の現代社会の闇が投影されているようにも思えるからかもしれない。
とにかくホアキンフェニックスの演技が本当に素晴らしい。アーサーの周囲から気味悪がられる雰囲気を見事に具現化しているのに、どこか観客を味方につけてしまう孤独で繊細な心の持ち主を演じきっている。
そして、どこか陰鬱とした雰囲気を持ち続けるアーサーが、狂気を持つ悪のジョーカーとして歩み始める時、急に不気味なスマートさを醸し出す。その変貌ぶり。
アメコミ、という枠には決しておさまらない。
今年必ず見なくてはいけない1本という言葉に思わず納得する。
全1172件中、101~120件目を表示