劇場公開日 2019年10月4日

  • 予告編を見る

ジョーカーのレビュー・感想・評価

全1172件中、101~120件目を表示

4.0ホアキン・フェニックスの美しい瞳が、恐ろしくて、やりきれない。

2019年11月9日
Androidアプリから投稿

ホアキン・フェニックスの美しい瞳。

途中で何度も吸い込まれた。

哀しいやりきれないお話。

なんでよ?と言いたくなるアメリカ社会。

おかしな社会で美しい瞳がさらにさらに澄んでいく。

こわい、こわい。こわくなる。

やりきれない気持ちが恐怖に変わる。

やりきれない。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
エク

5.0言葉にならない傑作

2019年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

R15指定といってもそれほど過激な描写があるとは思わなかった。
見ると人を殺したくなる、なんていうことは絶対にないから安心して鑑賞してほしい。
子供に見せていい映画とは言えないが、若いうちに見るべき映画だと思う。

アーサーが追い詰められて人を殺す度に、涙がポロポロと流れる。
悪のカリスマ・ジョーカーとなった瞬間には、涙が止まらなくなった。
しかし一体どんな感情で涙が流れているのか自分でも説明がつかない。
別に悲しい映画ではないし、泣かそうともしていない。殺される側ではなく、殺す側を描いているのだから。

主演のホアキン・フェニックス。役者とはこんなに凄いものなのかとただただ圧倒された。
映像でしか表現できない人間、映像でしか表現できない物語が、描かれていた。
エンドロール表示後に現れる「ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞受賞」には、そりゃそうだろうとしか思わなかった。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
uttiee56

4.5よき理解者がいたら…

2019年10月14日
iPhoneアプリから投稿

実は、「バットマン」シリーズ、あまり好きじゃなくて、見たことないんです。ダークナイトのヒース・レジャーは、知ってます。予告編が強烈だったし、面白そうだったので、バットマンに興味はなかったけど、観に行こうかと思ったくらいでした。でも、観に行かずじまいでしたが…。今回は、観に行こうと思ったのは、バットマンが出演しないからかな…。
今回、この「ジョーカー」を観るにあたり、少し調べたんですが、ジョーカーが出てきたのは、ダークナイトだけじゃないんですね。そして、演じていたのもヒース・レジャーだけじゃないんですね。知りませんでした。
さて、今作品ジョーカーですが…。なんとも、いたたまれない。よく、時代のせいって言葉を聞きますが、まさしくソレ。いわゆる底辺の生活。それでも、慎ましく生きていたのに、理不尽な扱いを受ける。それも、知人から赤の他人まで。報われないわ…と思ってたら、ご近所の女性と親しくなって、一縷の望みだと思ったら、まさかの妄想。良き理解者であるはずの母親も、実は、ネグレクトだったことが分かったり、踏んだり蹴ったり。そりゃ、死にたくもなりますよ。たった一人でいい、彼の理解者がいたら、こんなことにはならなかったのかも…。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
らぶにゃん

5.0怖い、恐かった!

2019年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

片足突っ込んでる身としては、とても平常心で観ていられなかった。なんとか現実と折り合いつけてまともに社会に関わり続けようとしている身には、しんどかった。なんとか最後まで鑑賞。ジョーカーが階段を降りる様はまるでロックスターのよう。魔がさすように、偶然に、真綿のように、事実が彼にまとわりつき、追い詰めて行く。生きるとは喜劇である。そう言って振り切れてしまった彼は、やっと解放され正気になれる。怖くて、とても悲しい。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
ひでよし

1.0JOKERの名を借りた低予算C級映画 ただただつまらない

2019年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

どうしてもダークナイトと比較してしまうのが悪いのであろうか
いや、贔屓目にみたとしてもただの低予算スピンオフ金集め映画としか感じない
途中で席を立とうかと思ったのは久しぶりだった

芸術性があるだろ?といいたいようなマッドでなく変な演出演技
ここが見せ場ですよ感動してねというようなわざとらしいシーン
薄すぎる内容なのに、that's lifeを流してしまうとは

いろいろな映画やドラマを見ている人は感じるかもしれないが
その変な演出演技さえ全て借り物で、使い方に統一性や信念というものがかんじられない

はっきりいって軽薄で根性が悪い映画だ

ぜひ見に行って金をどぶになげいれてみてください

コメントする 2件)
共感した! 17件)
ねこまる

4.5こういうのをピカレスクといいのか?

2019年10月11日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

怖い

凄い作品という、一言。久しぶりにパンフレットを購入した。
悪漢映画をピカレスクと言うんだろと思うが、この映画はピカレスク作品だろう。ウェイン一家との関わり合いも出てくるが、私の見ていた昔のバットマン作品の内容とは違うようだ。昔のバットマンとは別の作品と思った方が良い。

物語の彼の絶望に、共感する部分があり、作品後半の暴動を納得してしまう人も多いだろう。
ただ最後のシーンを見ると、ここまで描いていた物語は何だったのか、と思ってしまった。どう捉えれば良いのだろう。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
myzkk

3.5ホアキン版『タクシー・ドライバー』

2019年10月9日
iPhoneアプリから投稿

まさにホアキン・フェニックス一人舞台です。貧困、孤独、格差、母子家庭、要介護、低所得労働者、精神疾患、etc…社会の負のスパイラルてんこ盛りの主人公が狂気に染まっていくのは、まさに『タクシー・ドライバー』、だからデニーロが出ているのかな?
映画の完成度は非常に高く、アメコミの領域を超えていると言うより、むしろジョーカーである必要すらなくて、一編の独立した重厚な心理ドラマでした。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
シネマディクト

4.5何かを語りたくなる

2019年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

 バットマンのスピンオフだと思わないほうが良いと思います。普通のアメコミ映画とは、まるっきりの別物です。
 映画館で見終わったあと、近くの席の人が、
「内容が薄い。何も無かった。アメリカの狂人が犯罪者になっただけ」
 と怒った調子で言っていました。たぶん、彼はバットマン映画のファンだったのでしょう。アメコミの映画という評価基準なら、本作は駄作です。他のDC映画やマーベル映画を大好きな人は、まったく違うもののつもりで見てください。そうでないと楽しめません。

 で、アメコミ要素もそれ以外も、ひっくるめて評価して☆4.5です。
 見終わって、いろんなことを語りたくなって、酒を飲みながらSNSで夜更かししました。上にも書いたこととか、フェニックス(ジョーカー役)の演技とか、笑顔が悲しいとか、笑顔が怖いとか、笑わないデ・ニーロとか、社会の歪みがどうこうとか、リアルすぎてせつないとか、悪役への感情移入とか、子供ブルースかわいいとか、ゴッサムシティは修羅の国とか、いろいろ。
 あまりに多すぎるので、ここで繰り返すことはしません。この映画をご覧になれば、似たような気分を共有していただけると思います。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
dsk

3.5バットマンに登場するジョーカーでは無いが・・・

2019年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

多くの方が既に評価しているので、物語の内容は省略します。

後半に向かって段々と狂気に変身していくジョーカーの演技には迫力があり、満足できる内容でした。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
aki007

5.0ボッコボコに叩きのめされたことがある人間だけが舐めた辛酸が舌先を痺れさせる最凶のコメディ映画

2019年10月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ゴッサムシティで母と二人暮らしのアーサーはスタンダップコメディアンとして舞台に立つことを夢見る心優しい道化師。楽器屋の閉店セール宣伝中に不良に絡まれてボコボコにされたのに楽器屋からは職務放棄とクレームされる始末。見かねた同僚から自分の身は自分で守れと38口径の銃を手渡されたことをきっかけにアーサーの中でくすぶっていた何かが熱を帯び始め、地下鉄の中で酔っ払いの証券マンに因縁をつけられた時にそれは沸点に到達する。

蔑まれ虐げられる毎日の中で自分の実在すらも信じられないほどに魂をすり減らした男が、世界の構造を悟り己の使命に目覚める。ジョーカー誕生譚でありながら実はスーパーヒーローのそれと何も変わらない。狂ってるのはオレか、それとも世界か?自身の出生の秘密を知らされ現実と妄想がない交ぜとなった世界がぐにゃりとひしゃげて紡がれたメビウスの輪の向こうに見えた結末が別の物語の始まりとなる。『狼よさらば』、『ダーティー・ハリー』、『タクシー・ドライバー』、最近では『天気の子』まで一丁の拳銃が解き放つ狂気が観客の魂を激しく揺さぶる、これは途方もない傑作。

『her 世界でひとつの彼女』、『ビューティフル・デイ』、『ドント・ウォーリー』と悲惨な運命に翻弄される男を執拗に体現してきたホアキン・フェニックスが全身から解き放つ狂気と悲しみと滑稽さは、居心地の悪いこの世界で慎ましやかに生きる何者でもない人の胸にザクッと楔を打ち込みました。私が号泣した瞬間にあちこちから啜り泣きが聞こえた時に今生きているこの世界もまたゴッサムシティそのものであることを確信しました。そしてジョーカーに最後の一線を越えさせる役割を果たすTV司会者マーレイをロバート・デ・ニーロが演じていることは『タクシー〜』、『キング・オブ・コメディ』を観てきた世代には感慨深いものがあります。

そしてこの映画の背景になっているゴッサムシティの荒廃がフィクションなのに余りにもリアルなのも印象的。どうしようもなく悲惨過ぎてもう笑うしかないほどボッコボコに叩きのめされたことがある人間だけが舐めた辛酸が舌先を痺れさせる、そういう意味では今年最凶のコメディ映画とも言えます。シャレならん傑作です。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
よね

4.0心を蝕むとはこのことか

2019年10月6日
Androidアプリから投稿

映画はカタルシスがあるべきだけど
主人公がジョーカーに近づく度に
カタルシスを感じてしまうのは
間違っている

しかし感じてしまう

そういう怖さがある映画

いや、善と悪なんて
誰が決めるんだ?

あぁいかん!
ジョーカーに染まっていったらだめだ

ジョーカーという稀代の悪役は
こうして誕生したのだと
確かに納得できる

そんな濃い男の物語でした

コメントする (0件)
共感した! 17件)
しんば

4.0ホアキンジョーカー

2019年10月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ホアキンの演技がほんと素晴らしすぎる✨
善悪を考えさせられる映画でした

コメントする (0件)
共感した! 17件)
トムハルクン

4.5凄絶!悪を誘う究極のカリスマ・・・降臨!

2024年10月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

興奮

知的

「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を見に行くにあたってのおさらいです。

当時は、アカデミー賞を取るんじゃないかって噂になるほどのスゴい作品でした。
とにかく、見ていて圧倒されるって言うんでしょうか、見終わったあとは、ドッと疲れるようなエネルギッシュな作品です。
ホンっと面白い。特に最後が凄まじい。トリハダたっちゃいます。

昔、テレビでバットマンをみた覚えはありますが、ジョーカーは全く記憶にありません。
ジャック・ニコルソンのジョーカーが初認識です。でも、あの作品自体にあまり思い入れがないので、単なる敵役の一人でした。
衝撃だったのは、やっぱりヒース・レジャーですね。後にも先にも最高の敵役だったんじゃないでしょうか。
「スーサイド・スクワッド」のジョーカーも悪くないですが、全くの別物です。
そして、本作品のジョーカーが、さらにスゴい。上手く言い表せませんが、自分の中ではこのジョーカーが将来、ヒース・レジャーに繋がっていく線がはっきり見えた気がします。 まさにダークサイドに堕ちていく凄まじい人間ドラマでした。

DCも、この作品から、新たな展開を迎えた気がします。
マーベルみたいな連携した作品でなく、一本の単体のドラマ。それも、ヴィランが主役の重厚な人間ドラマ。いや〜、ホンっと見応え十分です。

今回もそうでしたが、何回見ても、圧倒されちゃう一本です。面白い。
ただ、ジョーカーを知らない初見の人は、どんな風に見るんだろう? 普通の人がダークサイドに堕ちていくさまだけで楽しめるんだろうか?少なくとも面白さは半減じゃないかな。

コメントする 1件)
共感した! 16件)
ratien

3.5狂気

2020年7月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

え~(>_<)

コワイ
コワイ
コワイ

今回改めて思ったのが、
狂気な物語を見ると自分も狂気側に引き込まれてしまうのではないかという怖さ。

だから、ホラーやサイコ物は苦手💧

本当にコワイ。

無理。
レビューにならない💦

ホアキンの演技、すごい。

落ち着いたらジャック・ニコルソン版観てみます✨

コメントする 2件)
共感した! 16件)
R♪

4.0ジョーカーは身近にも存在する

2019年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

これはなんと悍ましく衝撃的な作品なんだろうか。悪のカリスマであるジョーカーの誕生秘話に圧倒された。狂気の塊・アーサー役を演じたホアキン・フェニックスも実に素晴らしく不気味な笑い声が頭から離れない。狂気を感じる音楽も抜群。

社会から孤立し悪へと変貌するアーサーの姿を見て感じたのは、いつの時代も狂気な殺人事件が発生していて、我々の身近にもジョーカーは存在しているのではなかろうか。
2019-221

コメントする (0件)
共感した! 16件)
隣組

4.5業の深さ

2019年10月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

まずホアキン・フェニックスの人間的な奥行きに驚かされます、演技から垣間見れる業の深さとでもいいましょうか。何故なら、貧困や狂気を実際に生きた経験がないと醸し出せない演技をするからです。
物語はというと、世の下位層の不満を代弁したかのようです。そういうと大袈裟かもしれませんが、少なくとも富裕層は冷や汗を掻くことになるでしょう。まるで恵まれない人間への鎮魂歌の様でもあります。
日本には天は人の上に人を作らずという言葉があります。しかし、それは、まやかしで実際には人の上に人はいます。それどころか弱者であるほど搾取され、あらゆる悪条件を飲まされ選択の余地を奪われてしまいます。
この映画の残酷なところは、何かの歯車一つでジョーカーが幸せに暮らしたり、夢を叶えたりするもう一つの現実が見え隠れするところです。その幸せな世界からは、ことごとく分断され、梯子は外され足枷を外すことができません。それでも人生を喜劇と捉える主人公が痛々しくてなりません。
その様子に私達は、心を締め付けられることになります。

点数を付けるのも野暮ですが、本作に92点を付けたい。ビューティフル・デイは78点くらい。

コメントする (0件)
共感した! 16件)
now loading

5.0虐待・街でのデモ・覆面。。。そして狂的な社会。とてもタイムリーで圧倒的な完成度の芸術映画

2019年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アメコミ映画は基本的に観ないことにしているが
この映画は別格だ。観る事を躊躇しなかったし
この芸術映画を観たのは正解だ。 観なかったら後悔しただろう。

前作(ダークナイト)において、故ヒース・レジャー氏は高評価を得ていたが
ジャンキーの演技なので、僕にとって、それは評価外・論外であり、
狂人の極端な演技は差ほど難しくはない。
それに比べ、後半マイケルジャクソンにさえにも魅えた
主人公ホアキンさんの役作りと演技は完璧だ。この映画の背景すべてを完璧に語っている。

そして紙1枚とネタ帳で映画の前提をすべてを表現した脚本も凄い。

楽しいから笑うのではなく、悲しいから笑うのでもない。
彼は感情が高まると泣くのだ。
だから彼は真の”笑い”というものを知らない。
その知らないもので、自分探しをするが
それは残酷でもある。
彼は根っからの社会的弱者・障壁者なので、本来守られるべき人間であるが、
社会が彼を犯罪者にしたのではなく、弱者切り捨てによって作られた隙間に落ちた人間で
妄想好きな狂人
映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と同じだ。

多々でてくる回想シーンはボッーと観ていると勘違いしそうなシーンで構成されているが、
構図も撮影・カメラワーク・照明もすべて完璧!
オレンジライトとブルーライトをうまく使い分け、綺麗な色彩を演出していた。
構図・音楽・効果音が的確で
非常に考え尽くされた画面と
オープニング・エンドタイトルに至るまで、センスよく
ほんの僅か上映時間が長い気もするが、脚本もピカ一
完成度が非常に高い作品

しかし、冷蔵庫を映すシーンの必要性とカメラの動きの訳
途中に入ったギーィ音の意味が気になったので、監督に訳を聞きたい。

この映画を観たら、鏡に映る対照的な「タクシードライバー」を見直したくなった。

コメントする 1件)
共感した! 16件)
YAS!

4.5喜劇なんて主観さ。笑えるか笑えないかは自分で決めるんだ。

2019年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

たまたま数日前の深夜、TVで「ダークナイト」を観た。バッドマンを翻弄するジョーカーの小面憎いことったらなかった(と言うものの、基本的にアメコミ映画は観ません。ヒーローの万能っぷりや勧善懲悪のステレオ描写が嫌いなので)。
個人的には、バッドマンの苦悩なんて興味はない。水戸黄門然り、大岡越前然り、どうせちょっとやっつけられるパフォーマンスを見せた後にガッツリ叩きのめすプロレスなのだから。それなら僕は、雲霧仁左衛門や河内山宗俊の物語にこそ強く心惹かれる質だ。美学を持つ悪人や、世の中が作り出しだした道化にこそ、人間の本質が深くにじみ出る世間を見ることができるから。歳をとると、そういう物語にこそカタルシスやシンパシーを感じてやまない。
そしてこの映画には、そんな切なさがあふれていた。

アーサーはコメディアンを目指していながら、笑いのツボが分からないなんてすでに滑稽な悲劇である。どうやら読み書きも満足ではないらしい。もしやLDなのかも知れない。たぶん、子供のころからずっといじめられっ子だった気配がある。clownを職に選んだのだってもしかしたらペイントをして顔を隠せるからなのかも知れない。違う自分になれる快感を得たこともあったろう。
そんなアーサーが、もともと脆かった彼の心を壊すには十分なほどの事実を知ってしまい、精神までも壊れていく様はみじめな弱者でしかない。人生を諦観していたアーサーが、とうとうやけっぱちになって「狂ってるのは僕?世間?」と問うまでに乱れ、やがて自らが秩序の破壊者へと変貌していく。なんと悲しいことだろうか。

そんな堕ちてジョーカーと化けていくアーサーを、怪優ホアキン・フェニックスがものの見事に体現していた。この役者、その役作りには敬服する。「her」や「ビューティフル・デイ」などの彼も素晴らしいが、このアーサー役の彼もまた格別の存在を成している。鏡の前の彼も、走って逃げる彼も、痩せ身で不健康な彼も、限りなく、役に没入しているように見える。メイクした「道化師の涙」でさえも本当の涙を隠すためとしか思えなくなった。だから、アーサーじゃなくてホアキン・フェニックスに手を差し伸べてあげたくなるような気分にさせられてしまう。

クリームの「white room」が堕落していくゴッサム市に融け合い、「send in the clowns」のメロディがジョーカーの人生を笑える悲劇へと導いていくようなラストを観ながら自問する。
で、この映画を観ている自分はどっちだ?と。
顔を隠しながら、災難を恐れてその場から去る”善良”な市民か?
ヘタクソなステップを踏むピエロに喝采を送る、怒れる市民か?

コメントする (0件)
共感した! 16件)
栗太郎

5.0えぐられた

2019年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ただ、ただ、圧倒された。
面白かった!という軽い一言では言えない。

ヒースレジャーを超えたとかそういう話ではない、ホアキンがやばすぎた。
感情をえぐられすぎて、上演後は疲労感があったくらいだ。かっこよすぎるだろ。こう思ってしまう自分はヤバイのか?

もしかしたら、リア充な人がみたら、こわいとか、共感できない、とかでつまらないっていうのかもしれない。

化け物のような大作だ。

コメントする (0件)
共感した! 16件)
サメちゃん

4.5凄い映画を観た、というのが率直な感想

2019年10月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

同じくこの週末に公開されたアメリカでは、映画に影響を受けることを懸念して、映画館の周りの警備などを強化したり、上映を見送った地域もあると聞くこの作品。
バットマンでは悪役として登場するジョーカーを、心のどこかで受け入れてしまうような感覚を受ける。それはきっと、実在の現代社会の闇が投影されているようにも思えるからかもしれない。

とにかくホアキンフェニックスの演技が本当に素晴らしい。アーサーの周囲から気味悪がられる雰囲気を見事に具現化しているのに、どこか観客を味方につけてしまう孤独で繊細な心の持ち主を演じきっている。
そして、どこか陰鬱とした雰囲気を持ち続けるアーサーが、狂気を持つ悪のジョーカーとして歩み始める時、急に不気味なスマートさを醸し出す。その変貌ぶり。

アメコミ、という枠には決しておさまらない。
今年必ず見なくてはいけない1本という言葉に思わず納得する。

コメントする (0件)
共感した! 16件)
yukarin
PR U-NEXTで本編を観る