ジョーカーのレビュー・感想・評価
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狂気の街ゴッサム
映画が終わって席を立つ人達の間には、なんだか重い空気が漂っていたような気がした。
歴代ジョーカーを演じた役者たちはそれぞれに見事な怪演を見せたが、ホアキン・フェニックスこそ異常者を演じるのに違和感がない役者だと思う。
それは、以前からホアキンに対して抱いていた個人的な印象。
果たして、殺人鬼ジョーカーの出自となる自閉的なコメディアンという矛盾の男アーサーを、ホアキンは贅肉を削ぎ落とした肉体で鬼気迫るまでに圧倒的な説得力で演じている。
そして、精神に病を抱える弱者アーサーを追い込んでいく状況設定が、非情極まりない。
監督兼共同脚本のトッド・フィリップスという人、酔っぱらいコメディ映画しか知らなかったが、なかなかに侮れない。
ゴッサム・シティは、同じDCユニバースのメトロポリスとは対照的な、荒んだ都会の暗部の象徴。
メトロポリスは外側から悪が襲ってくるが、ゴッサム・シティは内側で悪を産み出す。
このイメージは「バットマン」コミックスの初期にはそれほど強烈ではなく、ティム・バートンの映画とフランク・ミラーのコミックによって1980年代後半に定着したものだと思う。
そして、本作でアーサーに襲いかかる災難の元凶はこの荒んだ都会の病巣だけではなく、母親の秘密にもあったという残酷な設定が、カタルシスとは縁遠い重苦しい後味を残させたと思う。
コミックのスーパーヒーローを暗いシリアスな映画にする流行は、実はあまり戴けないと思っている。
そこに持ってきて、悪役をフィーチャーしてここまで悲惨な映画を作る必要があるのだろうか、とも思う。
(もっとも、フランク・ミラーやアラン・ムーアが先にコミックにそういう空気を吹き込んだのだが)
しかし、これがコミックのキャラクターだからこそ、現実の世界に存在する狂気の沙汰が人間に作用する危険性を訴える物語を率直に受け止められる。
理不尽な暴力行為や、虐待とネグレクトなど、日常茶飯事のように報道されているではないか。
殺人鬼ジョーカーは誇張の世界だとしても、被害を受けた人の中に何が残って、それが人間形成にどのように影響していくのかを想像すると、戦慄を覚える。
本作の唯一の良心はザジー・ビーツが演じた隣人のシングルマザーだが、彼女の安否が心配だ…😟
芸術的作品
芸術的なスタンスとしてはハイレベル!アカデミーが喜びそうな作品に仕上がってます!主演男優賞ノミネート間違いなし!でも単に映画としては超ネガティブな映画なので幸せな人が見る映画ではありません!
バットマンは出てきません
「ダークナイト」で大暴れしてバットマンを困らせた悪役ジョーカー、そのジョーカーを産んだ格差社会のお話です。
鬱な作品です。主人公が徹底的に壊されていきます。というか人間を狂気に追い込むゴッサムシティ(格差社会)への強烈なアンチテーゼ。弱者は社会保障も打ち切られ、どんどん落ちていきます。自己責任という言葉では何も解決しない。悲しいのに笑顔に見えてしまう主人公アーサーのピエロメイクが不気味で哀れ。
アカデミー作品賞向きかどうかは微妙ですが、ホアキン フェニックスには主演男優賞ぜひ取って欲しい。
終盤、暴動シーンに突然、大音量の「ホワイトルーム」、最高にカッコいい選曲で星半分おまけです。
[2/10追記]
わーい、やっぱり主演男優賞、ホアキンおめでとう。
コレ系好きなら低評価レビューは、全く読む必要ないですよ。
しかしスーツ姿のサラリーマン多いぞ〜皆さん半休なのかw
フリーパス5本目は、早朝からアカデミー賞は確実だ!のコレ
この役は、ヒース・レジャーが究極を演じただけに、オファーを引き受ける事がジョーカーだと思ってましたが・・・脚本と演出も絶妙なこれぞDCヒーロー悲哀の極み!!
コレ系好きなら間違いなく鉄板度200%、ジョーカーがいかに生まれて行くのかを見せつけられる120分を堪能する価値ありです。
バットマンの冒頭のあの有名なシーンもあり、ゴッサムシティを舞台にブルースの悲哀も始まりバットマンビギンズへと繋がる。
苦悩に満ちた素顔と痩せた身体に潜む狂気と悲哀、ホアキン・フェニックスの凄さにただ脱帽!(◎_◎;)
主演男優賞を是非獲って欲しい〜映画史に残る名演×怪演は、超必見!!
☆4.8
ホテルムンバイとジョーカー、1週間に2本凄いの堪能させてもらいました。
映画単体なら傑作。ジョーカーとしては駄作。
演技力には脱帽
妄想が現実と化していく狂気的な演出も見事
ただこれ、全くジョーカーではない。
ただの精神病患者が怒りに駆られて革命を起こす話。
承認欲求が強いように思うし、そもそも超マヌケだし、
なんか生粋のヴィランとしてのジョーカーではないと思った。
内側から胸を掻きむしられるような
孤独とやるせなさを感じた。静かに確実に忍び寄る奈落への入り口。でも最後まで、決してアーサーが狂っているとは思えなかった。おかしいのは社会と世間で、その報いを受けるのはウェインのような富を搾取する富裕層たち。だから暴力を振るったっていいんだ。
これってゴッサムシティだけじゃない、日本にも世界にも蔓延している不満。現代のネットや、ほら、あなたのスマートフォンの中にも。画面をなぞるその指の先にも。どこにだってある。
ジョーカーは悪の華とも呼ぶべき存在だけど、果たして、本当に狂っているのは誰? 世間? 社会? 仮面を付けて騒ぎ立てる人たち? それを問われているような気がした。悲哀の先に開いた白塗りの徒花を、だから私は笑えなかった。優しいハグとあたたかい言葉さえあれば。彼が求めていたのは、たったそれだけだったのに。あの長い長い階段を昇って家に帰れば、まだ人でいられた。踊りながら階段を下り、ジョーカーとして覚醒してゆく場面の巧さに唸った。暴徒が取り囲む中で最後にアーサーが見せた仕草に、心底ゾクッとさせられた。ああ、アーサーは死んだ。そしてジョーカーが生まれた。生まれてしまった。
ホアキンは素晴らしい役者になった。きっと兄のリバーも喜んでいると思う。
アクション映画ではないですよ
観終わった後に、近くに座ってたカップルの方が「なんだよ、バットマンとか全然出てこねぇじゃん!」ってブツブツ言ってたのが聞こえたので、あえて最初に書いてみました笑
そうなんです、バットマンの敵であるジョーカーのお話ですが、マーベル的なヒーローやマントを着て空を飛んじゃうような人も出てきません。
でも、ただただホアキン・フェニックスのもの凄い演技に圧倒された2時間でした!
ストーリーについては他の方のレビューを参照いただくとしても、若きブルース・ウェインとの関係についても途中「マジか?そうだったの⁈」という場面もありドキドキします。
あと昔観たバットマンの映画でのブルース・ウェインが両親を目の前で強盗に殺されるというトラウマ的なシーンがどの様な背景で起こったのかという点も取り上げられており、そこの繋がりについても唸らせられました。
決してファミリー向けじゃないし、デートにも適さず、アクション映画を期待して行くと全く期待はずれになるかと思いますが、演技や映画的な画と音楽の妙技を楽しむには秀逸な作品です。
想像通りの映画の内容。想像を超えたホアキンの怪演。
ホアキンがヤバい。
ヒース・レジャーと比べてはいけないが、比べられてしまう映画。
その中でこれだけの物を観せてくれるのは凄いの一言。
笑い方、逃げ方、踊り方、階段の登り降り、その他モロモロどれも良かった。
ただ映画としては驚きもなく何度も観たくなる映画では無かった。
例えるなら、めっちゃ歌うまい人がイマイチな歌を歌っている感じ。
多分、ダークナイトに引っ張られて観てしまうので、共感と違和感が半々となってしまい、そう感じてしまうのかも。
個人的にはデ・ニーロを久々に観れて嬉しかった。
アーサーを救えたのは誰か
ホアキン・フェニックスが完全にジョーカーの狂気を体現している。
ステレオタイプな完全に狂った狂人ではなく、しかし決して常人のそれではない表情、仕草に心を鷲掴みにされた。
彼の心の根底にある人間性、それ故の狂気から目が離せなくなった。
冒頭からラストまでテンションを落とすことなく描き切った製作陣も見事しか言えないと思う。
ダークナイトではまるで人間とは思えない、さながら神、邪神のようであったジョーカーを一人の生きた人間として描く本作において、彼を追い詰めていく社会は、やはり現実の社会を投影する。
搾取する者、搾取される者。
富める者、貧する者。
笑う者、笑われる者。
人生は喜劇だという、あまりにも悲しいセリフ。
自分の中にジョーカーを見つけた観客もいるのではないだろうか。
少なくとも私はそうだった。
アーサーを救えたのは誰だったのか。
側にいて優しくしてくれる誰かがいれば、彼はジョーカーにならずに済んだのではないか。
でも誰も彼には優しくなかった。
彼の生活、境遇に寄り添ってくれる者はいなかった。
しかし、彼の境遇を目の当たりにして、一緒に共感し、涙を流し、怒った人達はいるだろう。
本作の観客だ。
彼を救えたのは観客だけではなかったか。
無論、劇場のスクリーンの壁は越えられない。
だからこそ、身近にいるアーサーに共感し、寄り添うことの大切さを本作は伝えているのではないかと考えた。
この映画は煽動的とか暴力的とか言われるかもしれない。
全くアーサーに感情移入できないという人もいるだろう。
だが、その人達にはアーサーは救えない。
逆にジョーカーを生むだけだ。
アーサーに共感した人にしかアーサーは救えない。
本作の舞台はバットマンの街、ゴッサムシティだ。
だが、描かれる社会は現実にしか思えない。
アメコミが現実に寄せているのではない。
現実がアメコミに寄っていっているのではないか。
無数にいるアーサーがジョーカーにならないためにどうしたらいいか、この映画を観て考えてみるのもよいと思う。
悲劇だ🃏
人生は喜劇だ。
「世界の三大喜劇王」のひとり、チャーリー・チャップリンの名言。孤児院で育った不遇のときも、決してチャーリーは未来への希望を捨てなかった。そしてついに喜劇王になった。
しかし、アーサー、のちのバットマンの宿敵、ジョーカー🃏の不遇は壮絶だった。
コメディアンを目指すも、チャップリンのように才能もなく、精神障害に悩まされていた。そんな中でも前を向いて歩こうとするアーサー。しかし社会はそれを許さなかった。ある出来事をきっかけに奈落に落ちていく。
奈落の底でコメディアンとして人から注目されたいというアーサーの希望と、ゴッサムシティーの闇がアーサーの希望を変質させてしまう。そしてついにジョーカーが誕生する。
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アーサーは言う、人生は喜劇だと。
しかし私は思う、これは悲劇だと。
それほどに感情移入させてしまうストーリー、役作り、音楽だった。
アーサーの精神世界の描き方が秀一。まるで自分がそのなかにいるような感覚。アーサーの困惑、失意、怒りを感じた。
役作りもすごくて、特にあの病的な、でも力強さというか禍々しさも感じる体は仄かに黒いオーラを放っているようだった。精神障害がある方の演技も、病的で脆くて衝動的な感じ。職業柄そういう人に会うこともあって、違和感なかった。
そして音楽。徐々にきしんでいき、ついに堕ちたアーサーの心を表現しているようだった。
最後のシーンでまるで喜劇のような場面がある。でも全く面白味を感じない。それほどまでに彼の闇を感じたのだと実感した瞬間だった。
いやー、ええ映画を見たわ。
現実と妄想、喜劇と悲劇が錯綜する
最初から最後までものすごい濃密な作品でホアキン演じる主人公ジョーカーの演技は恐ろしくて素晴らしくて、笑っているのに泣いている、現実なのか妄想なのか分からない中で鬼気迫るものがある!本作監督のトッドフィリップスと制作のブラッドリークーパー(名優)とがいうレディガガのアリーのコンビが監督と制作をチェンジして挑んだ本作はいろいろとツッコミどころはありますがとても素晴らしい作品です!
映画と関係無いですが、映画マナーの案内フィルムは本編上映直前に流して欲しいですね。マナーの悪い人はギリギリか始まってから入ってくるような人達ですから。
盗撮防止ムービーよりこちらの方が重要ですよ。
また最近、特に持ち込み食品を食べる人が多く、コンビニ袋やスナック菓子のシャカシャカ音させる人がホントに多くて、映画関係者の皆さまには、特にこれの防止啓蒙をお願いしたいです。
ジョーカーを名乗った空虚な男の妄想劇
どこまでが(劇中における)現実でどこまでが妄想なのか、と追求することはしない。作り手が解釈に委ねて明かす気はないと名言しているというだけでなく、それでは答え合わせに過ぎないから。ただ、はっきりと言えるのは、本作のジョーカーは「ジョーカーを名乗っている」というだけで、別にジョーカーではない、ということ。終盤の展開が本当なのか妄想なのかはともかく、ジョーカーを名乗った空虚な男に、大衆が自分たちの不満や怒りを託そうとする。その社会性がこの映画の肝であり、このひしゃげたご時世に爆発的に受け入れられた理由なんじゃなかろうか。
映画的には撮影、演技ともにみごとだが、気にかかるのはあからさまに『キング・オブ・コメディ』『タクシー・ドライバー』とハッキリ名指しできるスコセッシ映画をモチーフにしていること。アメコミ映画に新しいアングルからアプローチすることで、従来のジャンル映画の壁を破ろうという試みが、限りなく先達の作ったもの(スコセッシ映画)に近づいていく、といのはやはり懐古趣味ではないか。スコセッシ御大が今でも常に攻めているからこそ、目指す天井が見えてしまっている感じが気になった。
悪から生まれたわけじゃない
気候は狂い、台風は暴れ大企業は汚職ばかり
国のトップはSNSやミサイル遊び
今の世も混沌としていて正しいことがわかりづらくなってきてしまってる
そんな時に現れるのかこのジョーカーではなかろうか
悲しみや辛さを笑いで覆い一筋の光となって人々を導く事は容易くはない
ただ、このジョーカーは自分のことだけ見てくれる優しさに飢えていただけなのかも
そりゃさ、誰だってそんな時があるだろうさ
弱気になってる時なんかとくにさ
だから踏ん張って頑張って我慢もして時には自分さえもなくなりそうになっても生きていかなきゃダメな時があるでしょ
辛いことと楽しいことが半分づつとは言わない、むしろ辛いことばっかりかもしれない
人に生まれたのだから仕方がないと諦めることもあるし
その逆もある
人だからこそ心から「幸せ」を実感することも出来る
そんな時はこの上なく暖かい気持ちで覆われて天にも登るような時だってあるよ
あー 生きてて良かったな〜〜と思える時が人生で数回あるだけで儲け物
そんな時がまた来るように踏ん張って頑張って生きていきたいものですね
タイトルなし
社会に側圧された孤独な男アーサーが
ジョーカーへと変貌する様が描かれている
元々持っていた素質
闇に落ちる
人はこうやって壊れていく
.
許されない
同調してはいけない
だけど…
彼の孤独と苦しみ哀しみ哀れさが
痛いほど伝わってくる
そこに感情移入してしまいそうになる
.
社会を変えなきゃ
そんな大きなことは言えない
でも何かを変えなきゃ
噴き出すものは抑えられない
.
ホアキン・フェニックスのジョーカー誕生
世の中に
影響を与える映画が生まれたのでは…
衝撃的な作品です
ジョーカー🃏は身近にある。
最初から最後まで観賞した途端、言葉が全く出なくなり、ガツンと来てしまった。
余りも世界中で起きている現実問題がこの映画にも繋がっていて、自分自身だけでなく、他人もジョーカーになりかねない事が身近にあると言う事を改めて思い知らされました。
この作品の主人公であるホアキンフェニックスさんは名優であり、タクシードライバー主演俳優、ロバートデニーロさんの演技も作品にインパクトを与えていて、監督のトッドフィリップスさんもバットマンシリーズ、タクシードライバー、キングオブコメディ作品を研究して、途中にチャップリン作品を挿入して制作した事を評価します。
銃も怖いけどスーパーラットも怖い
ゴミ溜めの様な街
アーサーの具合悪そうな顔
ボロい建物
初めは映像的にも見てて気分悪かったのが
ジョーカーが生まれてからは
世界観が変わったように綺麗に見えてきた
悪者ジョーカーとなっていく
ホアキン・フェニックスの演技に魅入ってしまいました
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