ジョーカーのレビュー・感想・評価
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悲劇か喜劇かは自分次第
見方次第でコメディとしても観れる作品。
社会に出て挫折を味わった人間ならアーサーに共感できるポイントが色々とあるはず。
「僕の人生は悲劇だと思っていたが喜劇だ」と言う台詞について、自分も辛かったとき同じことを考えて吹っ切れた記憶があるのでとても共感できた。
正直、ラストの畳み掛けはカルタシスを感じて興奮したし、例の階段のダンスシーンは思わず笑顔になってアーサーの様子を堪能していた。
彼には見守りたくなるような、元気になって良かったと観客に思わせてしまう不思議な魅力がある。
久しぶりに怪作というか良作に出会えた。
公開中にもう一度観に行こうと思う。
社会風刺ならX、バットマンスピンオフなら○
どの様なコンセプトがこの映画にあるか図りかねますが、
見終わって、TVCMでの有名作家のコメント、「誰もがジョーカーになる可能性がある」にまず疑問を抱きました。
そうでしょうか?
物語の中の設定では精神疾患者?
そりゃ、私も一時的に鬱になる事くらいありますがね。
確かに主人公の生い立ちは同情に値するシーンも多々あります、もっと周りが思いやりを持っていればとか。ですが、では、なんで小人の方の優しさにスポットが当てられないんでしょうか?
きっと彼は純粋に心配してお酒?を持ってきたのでは?
この映画はただジョーカーの誕生秘話と言うことでしたら○でよいと思いますが、もし、格差社会やイジメなどの社会風刺の意味がこもっているなら完全にXだと私は思いました。
愛や満たされる事を求めるが上に人殺しや他人を傷つける事を肯定しているかのように感じたからです。
いかにもジョーカーがかわいそうな生い立ちでであるかを大義名分にして 、
どこかの国の人々の様に自分の権利だけを振りかざす人に有りがちな理屈ですね、
確かに悪意を持って接してくる人間もいるでしょう、だからと言って他人に悪意を実行する事を肯定する理由にはなりません、所詮は悪?ではなくて弱いんでしょうね、心が。
人は誰しもスポットを当てるところにより見方が大きく異なると思っています、このように闇の部分へスポットを当て続けると、こういう話になるのでしょう。悪がこの様に誕生したと言うなら映画としてなるほどですが、ジョーカーに肩入れする気には全くなれませんし、それは危険だと思います。
社会なんて平等でないのが当たり前で、その中からどれだけの光を見いだせるかがその人の幸せ度だと私は思ってます。
ただ、この役柄を演じた役者さん達の演技力は凄いと思います、きっと非常に難しかったんじゃないでしょうか。
だけど、うーん、お金払ってまであまり見なくても良い映画かな・・・なので、この星の数になりました。
迷っている方は見ない方がいいと... 思います...
自己存在の確認
自己の存在を確認できない、出生も否定された者が、反抗することで社会化されていくストーリーと理解した。現存する社会制度が肯定され、それを圧倒的に守る者が正義(=バットマン)ならば、その社会から自己存在を否定された者、自己存在を確認できない者はどこに居場所をみつければいいのか。自殺は社会から自己を抹消するという対極の行為であるが、タイ映画「ホームステイ」は自己否定=自殺の原因を自己の内部に見つけ、自己を肯定化するプロセスとして描き出した作品と言える。ピエロ(=道化師)からコメディアン、コメディアンからジョーカー(=オールマイティーのカード、あるいは52枚から外れたカード)への変身が意味するところを考えてみたい。
繊細で素晴らしい映画
細かい描写が現実感を増し主人公の心情が徐々に変化していく内容のシーンが良かったです
確かにコメントにある通りブルースの両親が違ったり執事の様が違ったりしたのは違和感がありましたが全体的に見れば素晴らしい映画なのでスッと飲み込むことができました
少しだけシャッターアイランドのような部分を含みつつ不気味な感じなのにBGMがなかったりそれでも引き込まれていくような映画です
映画というのは僕自身引き込まれたりスクリーンの中の世界にいったような感覚になればそれはかなり楽しめている証拠です
仮にホラー系でもヒューマンでも泣いたり笑ったり恐怖を感じたりということができればそれはあなたにとって引き込まれている証拠です
このジョーカーという映画引き込まれ現実社会に一石を投じるような映画近年の社会情勢たまたまだとは思うのですが台湾を彷彿させる部分もあります
悲しいけど最後にはジョーカーになって称賛されよかったと思える自分がいました
これから見る方はぜひ表面ではなくて細かく繊細な描写からこの映画の意図をくみ取って観ていただければより一層楽しめるのではないでしょうか
Clown (=道化者)の悲哀
冒頭のシーンに全てが詰まっているような気がした。
笑わせることと笑われることは一重であり、笑わせることとは、テレビショーのマレーのように、誰かをダシにして、所謂今で言うイジリ芸だったり、笑われることとは、見下され、蔑まれ、この映画の冒頭のシーンのように何をされても仕方ない側面があるのかもしれない。
狂気に満ちた殺人犯に至る過程が、とても丁寧に描かれていた。ナイーブで優しい人が、ちょっとしたことがきっかけで、今まで内に秘めていた不満が爆発して猟奇的な犯罪者になってしまうのは、決してこの映画の中だけのお話ではない。
生放送の中で、カミングアウトして、悪の主観を述べるあたりは陳腐な展開に思えたが、アーサーの切羽詰まった心情が表れていて、鬼気迫るものがあった。ホアキンフェニックスの怪演のお陰だろう。
全体的に暗いトーンで進んでいく映画で、結末はなんとなく読めるものの、常にハラハラ感が付きまとい、アーサーの心理描写が見事に描かれている映画だった。
この結末をどう捉えたらいいか思い倦ねているが、なんだかスカッとした気持ちになってしまった。
いろんな作品と見比べるべき
私が見比べた作品は…
まず「タクシードライバー」
他のレビューでも類似性が指摘されており、ハズせないところ。
閉塞感のある社会情勢や、狂気に堕ちる主人公の姿は近いものがある。
もうひとつは「帰ってきたヒトラー」
「映画」はどの作品であれ、どの時代を舞台にしたものであれ、「現代」を描いていると思う。そういう意味で、SNSで支持を集めるヒトラーは、本作のジョーカーと重なる。
クレイジーであればあるほど、支持される、というのは決して非現実的・荒唐無稽なものではなく、トランプ大統領や、N国党の主張がかなり受け入れられている現代を見れば、現実的なものと言える。
そういう意味でも、数多くの映像作家が取り組んでいる(と思う)「トランプ時代」を描いた作品の一つと言っても良いだろう。
(スピルバーグ、スパイク・リー、アダム・マッケイ、ジェイソン・ライトマン…)
ゴッサムが舞台であればなんでもやれる
後半に魅せる狂気のダンス
誰にでもなりうるJOKER
とにかく、演技力が凄かった。
深刻すぎるよ
ジョーカー=ホアニン・フェニックス。
配役を見たとき、ズバリだなと思った。
ホアニンといえば、とにかくくせのある役ばかり。
特に「ザ・マスター」の時は目が普通じゃない、狂気の男を演じていた。
この「ジョーカー」でも、普通の男が、どんどん追い詰められて狂気の世界に。
だから、適役といえば適役なんだけど。
でも、ぼくにとって、あまりにもあまりにもぴったりで、意外性がなかった。
ジョーカーは狂気とともに愛嬌もあったはず。
だから、ぼくにはヒースのジョーカーが依然としてナンバー1だ。
と、見たすぐあと、こんな風にフェースブックに書いていたのだが。
いま思い出すと、やっぱりホアニンのジョーカーは強烈だったと思う。
ホアニンはこの役のために20キロ以上痩せたという。その入れ込み方が尋常じゃない。
この映画の冒頭は笑いのシーンから。
初めは普通の笑いだったのだが、それが中盤から、ちょっと異常な笑いになり、
後半は完全にいっちゃてる笑いになる。その変化が見事だ。
でも、普通の人から狂気の世界って大きな違いのようだが、それほどでもないって気もする。
言葉を変えれば”善”から”悪”。善のすぐ隣には悪があるのだ。
その対極の間に人間はあるんだって思う。
それから、最後のTVショーでロバート デ ニーロと対峙する場面。
緊張感は半端なかった。
アウトロー役が定番のデニーロがリベラルな顔した保守派を演じ、狂気のジョーカー
と対決する。アメリカらしいエンターテイメントの世界の中での対決は見応え十分だった。
この映画のジョーカーを演じるとしたら、ホアニンしかいないだろうと納得した。
でも、シリアス過ぎた感はある。もっと愛嬌というかユーモアが欲しいと思う。
やっぱり、ヒース・ジョーカーは譲れないなと思う。
資本主義へのアンチテーゼ
舞台となるゴッサムシティでは労働者のストが起こり
ゴミ収集もままならず、鼠が街を徘徊するようになっている。
主人公アーサーはコメディアンを目指すも
経済難の波は彼の元にも歩み寄っていた。
先天性の病により突如笑い出すという奇妙な神経病を持っており、
周囲から気味悪がられ、程なくして職を失ってしまう。
行政にも予算が行き渡らず、街は混沌と転落の道を
猛スピードで走り抜けようとする最中
アーサーの出生が徐々に判明していく。
引き合いに出される映画に「キングオブコメディ」
「タクシードライバー」などが挙げられているも、
コメディ番組の司会者にデ・ニーロが出ていることからも
その影響は決してないとは言えないだろう。
またアーサーは今の世で言う負け組であり、
先進国であればあるほど、貧富の格差は生まれ
今の世においても富裕層と政治への反発は確実に生まれている。
そういった資本主義社会への批判的メッセージも
この映画においては語られているとも言える。
この映画の一つに象徴となるシーンに家に向かう長い階段がある。
普段の彼は長い階段を生気なくトボトボ登るのに対し、
彼が最も生気を得た状態においてその階段を心地よく降りていく。
彼は上昇ではなく下降することで生気を得たのである。
アーサーは人の持つ承認欲求を親からも誰からも貰うことが出来ず
育ってきたが、唯一彼自身がもっとも輝き認めてもらえる部分が
堕ちた世界であったとは何とも皮肉である。
近年、アメコミ映画がマーベルを筆頭にたくさん排出されているが
こういった社会性のテーマをきっちり収めて娯楽作以上の
作品として世に出すところにハリウッドの底力を感じる。
(こういう部分を邦画のコミック原作映画は模倣すべきだと思う。)
中盤から最後のシーンまで恐ろしいエピソードが止まらない。普通の人が見たらぞっとするだろう。狂気さえ感じられる。心の心拍が大きくなる映画。これはバットマンの最悪の宿敵ジョーカーが生まれる過程を見る映画!
台風19号が日本列島に最接近して大きな被害をもたらした翌日10月13日(日曜日)、
Movix堺で映画「ジョーカー」(Joker)を見た。
最近はカミさんと自分の休日が合いにくいので、
映画を見る頻度がめっきりと減ってしまった。
今日は「ジョン・ウィック パラベラム」と「ジョーカー」の2本を見ようと思ったのだが時間的に無理だった。
「ジョーカー」は10月5日~6日の国内映画ランキングでダントツの1位で
、土日2日間で動員35万6000人、興収5億4800万円を稼ぎだした。
最終興収20億円以上が期待できる好スタートとなっている。
ただの大道芸人がいかにしてバットマンの宿敵ジョーカーになっていくのかを描く。
主人公はピエロとして街角の商店のコマーシャルや、病院の慈善活動に派遣されて食い扶持を稼いでいる。
仕事中のいくつかの失敗のせいでその仕事もクビになってしまう。
鉄道で家に帰る途中でひょんなことから殺人事件に巻き込まれてしまう。
入院している母親の素性や自分の出生の秘密を知ってしまった。
きっかけは些細なことだったのだが、転がりはじめた男の転落はもう止めようがなかった。
中盤から最後の最後のシーンまで恐ろしいエピソードが止まらない。
普通の人が見たらぞっとするだろう。
狂気さえ感じられる。
心の心拍が大きくなる映画。
上映区分はR15+。
人を殺めるシーンが複数あるので。
上映時間は122分。
見ると、ある意味心が乱れたり不安や不愉快など複雑な気持ちにもなる映画だが、
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆とします。
現実
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