ジョーカーのレビュー・感想・評価
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決して天の邪鬼ではありませんが……
ホアキン・フェニックスのいびつに痩せた体形と直接心臓に響いてくるような音楽、その二点がおぞましさを増幅させてはいるが、あの〝ジョーカー〟誕生秘話としてはなんだか厚みがないように感じた。
〝小さな人〟に見せた優しさ、ヒーローとして祭り上げられて踊っている様は、どうみても〝普通〟の人間性の発露であり、〝絶対的な悪〟としては弱々しい。
『ダークナイト』で感じた、人間の弱点を容赦なく一片の隙もなく突いてくる凶々しさにどうしても繋がらない。
ジョーカー、或いはジョーカー的な邪悪(人間の弱さを集めて社会を恐怖と不安で覆うようなこと)と闘うためにダークナイト・バットマンが存在するように勘違いしていたが、ジョーカーは始めからジョーカーだったのではなく、バットマン的な正義の必要性を悟らせるために『ダークナイト』に登場するような本当の〝ジョーカー〟として造形された。
そういうことかもしれない。
クリストファー・ノーランの『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』、その二作品の前日譚として、ゴッサムシティーが何故そうなったのかを理解するための作品のようにも思えたが、ノーラン監督の凄さを再認識させられる人が多いと思う。
よくわからなかった
・予備知識がダークナイトのみだったせいか、あまり入り込めなかった。
・アーサーの環境とコメディアンとして成功したいけど、うまくいかない感じがずっと続いて苦しかった。
・最終的にジョーカーになるっていうのを念頭に観ていたこともあってか、凄い転換点を期待したのと破滅的になると思ってたらかなり普通の人間らしい堕ちかたをしていて驚いた。
・所々、妄想と現実が入り乱れた事とアーサーが特殊な体質のためか、感情移入できずどういう意味だろう?とわからなくなるシーンが多々あった。隣人の女性との妄想はどこからで、母親は結局、精神を病んでたのかカルテは完全に偽造されたものだったのか、父親はトーマスなのか違うのか…。
・ホアキンの演技は凄く良かった。あれほど複雑なキャラクターを本当に存在してると感じさせられたから。終始、暗くてどうしたら良いのかとか、怪物ジョーカーを人間味ある存在にして。
【優しき人間の善性が、絶対的悪に変容していく様を恐ろしくも哀切に描き出した作品。】
ー 冒頭、貧しき道化師アーサーは笑う仕草を繰返しながら、涙を流している。ラジオから流れるゴッサムシティの衛生状態の混乱。ー
・帰宅しても愛する母の健康状況を気遣い、バス内では幼子を笑わせようとし、エレベーターに駆け込む親娘を待つアーサー。
どのシーンも不器用だが、彼の善性の欠片が観て取れる。
・が、アーサーの脆い神経は、自らを取り巻く辛い環境、数々の試練、愛する母の若き頃の姿に徐々に混乱していく。
・そして、シティの混乱の中、地下鉄の中で狂態を晒す若き証券マン達へ彼の怒りが炸裂してしまう。又、敬愛するマレー(ロバート・デ・ニーロ)の仕打ちが追い討ちをかける。
〈狂っているのは、私か社会か〉
・後半の、マレーのTV番組への出演からのラストシーンへの悪夢の様な怒濤の流れは忘れ難い。
〈そして、絶対的悪が降臨した〉
・ダークナイトシリーズとの繋がりもきちんと描かれているので、スピンオフとして観ても良いが、今作は、明らかに現代社会への警句として作られた作品だと思う。
<それを圧倒的演技で魅せるホアキン・フェニックス。
そして彼もこの作品で、絶対的名優になったのである。>
<2019年10月4日 ユナイテッドシネマ岡崎にて鑑賞>
終盤からハラハラがどんどん込み上げてくる ここまで見たあとの疲労感...
終盤からハラハラがどんどん込み上げてくる
ここまで見たあとの疲労感がある作品は久しぶりだった
JOKERへの第1歩となる殺人の後の公衆トイレでのダンスは不気味すぎて笑ってしまうほどだった
観たあとの満足感は凄い
これぞJOKER
フェニックスといえば、ホアキン
近ごろのDC作品は、マーベルを意識しているのか、ややコメディ色が強く、あまりぱっとしないものばかりでした。スーパーマンやバットマンがシリアスだっただけに、DCに軽妙さは要らないな、と感じていました。
今作は、まさに自分が好むDCらしい作品でした。
これまで様々な名優が演じてきたカリスマ的悪役、ジョーカー。そんな彼がいかにジョーカーとして覚醒したかを描く今作で主演を演じたホアキン・フェニックス。彼の演技は、ほんとうに素晴らしいかったです。若いころは、彼のお兄さんであるリバー・フェニックスの陰に隠れてしまっていたような印象でしたが、「her」のころから徐々にその存在感を増していき、今作で、すっかり兄の威光を打ち消したように思います。
個人的には、「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーにも匹敵する、素晴らしい演技だったと思います。
脚本もまた、見事でした。
主人公であるアーサーの悲惨な境遇には同情し、世間の醜悪さに対する感情には同調しました。
彼のおこないが善なのか悪なのか、それはわかりません。ただ、もしかしたら自分も、なにも失うものがなくなったとき、同じような行動に出てしまうかもしれないな、と思いました。きっと、あなたも。
報われない者たちへのテーゼ
これを低評価するのは、昔から恵まれていたり、才能があったり、基本的には努力という努力もしないで安定を手に入れてきた人たちばかりのように思う。
世の中報われないことばかりです。それを世間は努力が足りない、甘えるななどと言いますが、みんな同じ力を持って生まれるわけでもないわけで…。
全ては視点次第。そう言ってしまえばそれまでですが、このゴッサムの貧民層のようにジョーカーをヒーローとして見る人間も多くいるのは事実です。
この映画を肯定するわけではありませんが、私はこのジョーカーというキャラクターに同情しますし、部分的には共感します。それを犯罪者予備軍と呼ぶ方はどうぞ。トーマスウェインを可愛そうだと言って評価を1にして下さい。
バットマンは出てきません
「ダークナイト」で大暴れしてバットマンを困らせた悪役ジョーカー、そのジョーカーを産んだ格差社会のお話です。
鬱な作品です。主人公が徹底的に壊されていきます。というか人間を狂気に追い込むゴッサムシティ(格差社会)への強烈なアンチテーゼ。弱者は社会保障も打ち切られ、どんどん落ちていきます。自己責任という言葉では何も解決しない。悲しいのに笑顔に見えてしまう主人公アーサーのピエロメイクが不気味で哀れ。
アカデミー作品賞向きかどうかは微妙ですが、ホアキン フェニックスには主演男優賞ぜひ取って欲しい。
終盤、暴動シーンに突然、大音量の「ホワイトルーム」、最高にカッコいい選曲で星半分おまけです。
[2/10追記]
わーい、やっぱり主演男優賞、ホアキンおめでとう。
問いかけるものがあるよね
善悪を観ている側に問いかける内容だと思った。
悪役であるジョーカーだけど、彼の不遇さを知ると、犯罪も正当化されるように思えたり、爽快感すら覚える作品だった。
自分のような、社会的に中の下、もしくは下の上くらいにいる介護職(あ、言っちゃった)みたいな、頑張っても何ともならない自分が観ると大きく動かされる。
おススメだ!
それほどか?
期待をして鑑賞して来たのだが、私の矮小な理解力ではこれがDCシリーズのヴィラン「ジョーカー」なのか?と。
終始、荒んだ空気感のゴッサム。
ジョーカーも「狂気」と言うよりは世間的に救われない病人の男性。
バットマン(ブルース・ウェイン)との関係性も出てくるが、ジョーカーとブルースが歳が離れすぎでは?
最後は無理やり取って付けた様な市民の暴動により「ジョーカー」が「神格化」され終わってしまう。
もし今回の「ジョーカー」を今後の「バットマン」関連作に組み込まれるのなら、この後の「ハーレークイーン」との絡みが想像出来ない。
陰鬱なジョーカーと天真爛漫のハーレークイーン。。。
ジョーカーなら破天荒でないと。
絶望の世界
全てが絶望の日々。見るのがつらくなる映画でした。
守るものさえなくなった人間が頑張って這い上がっていく映画でもない。精神的な病を背負い泣きたくなるような底辺仕事すらうまくいかず年老いた親の面倒をみながら妄想だけを心の支えに毎日を送る。そしてあるきっかけで抑えられなくなる自分の中の悪魔。
報われない人々が求めるヒーローはバットマンではなくジョーカーなのでしょうか?
自ら追い込まれないとわからないであろう精神世界をジョーカーことアーサーの目を通じて観ている観客が体感出来る衝撃の映画でした。
コレ系好きなら低評価レビューは、全く読む必要ないですよ。
しかしスーツ姿のサラリーマン多いぞ〜皆さん半休なのかw
フリーパス5本目は、早朝からアカデミー賞は確実だ!のコレ
この役は、ヒース・レジャーが究極を演じただけに、オファーを引き受ける事がジョーカーだと思ってましたが・・・脚本と演出も絶妙なこれぞDCヒーロー悲哀の極み!!
コレ系好きなら間違いなく鉄板度200%、ジョーカーがいかに生まれて行くのかを見せつけられる120分を堪能する価値ありです。
バットマンの冒頭のあの有名なシーンもあり、ゴッサムシティを舞台にブルースの悲哀も始まりバットマンビギンズへと繋がる。
苦悩に満ちた素顔と痩せた身体に潜む狂気と悲哀、ホアキン・フェニックスの凄さにただ脱帽!(◎_◎;)
主演男優賞を是非獲って欲しい〜映画史に残る名演×怪演は、超必見!!
☆4.8
ホテルムンバイとジョーカー、1週間に2本凄いの堪能させてもらいました。
1人で観に行って良かった!
清掃業者のストにより街にゴミが溢れ返っている、とラジオが報じている中、自身にピエロの化粧を施すアーサー(後のジョーカー)は泣きながら無理矢理口角を上げる。
世界は最悪、そして自身はその世界からも除け者にされている。ただ、誰かに必要とされたい。
誰でも良いから、俺で幸せになってくれ。
と言う善意の形をしたエゴを拗らせに拗らせた結果、ブチ切れ大爆発、そしてその大爆発に酔い痴れる、力の無い卑怯者達。
夢や希望を持って世間に立ち向かうより、その世間に尊厳を全て奪われた時、人は何にでもなれてしまうのではないだろうか?
でもそれは誰も幸せにはしない。
だから人は夢や希望を肯定し、自身を肯定してくれる人を探し、コミュニティを作り、倫理の仮面を被る。
なら、皆から疎まれ、誰にも肯定される事なく、そのコミュニティに入れなかった人間は?
この映画は、「化物になるしかない」と答えた。
そして「誰が彼を責める事ができる?」と問うた。
今日飲む酒は不味くなるだろう。
最高の映画でした!
“White Room” by Cream
正にラストでの女性との会話が行なわれている場所が“白い部屋”ということで繋がっているのかと思いきや、実際使われているシーンは“町の暴動をパトカー越しに眺める”ところだったのだが(笑
今作品のテーマ性を回想するに、表面上での経済格差、それに伴う弱者の蜂起等が掲げられているだろうが、それより特異なのは、ストーリーの建付けとして、今作品の何処までが主人公アーサーの“妄想”で、どこまでが現実設定なのか非常に曖昧となっている作りなのではないだろうか。1回しか鑑賞していない、しかもパンフレットや原作も未読なので、初見のみで判断が前提だが、前述の通り、あの白い部屋は多分精神疾患病棟内の、しかも厳重な警備での面会室であろうことを思わせる。そして、手錠を掛けられている主人公の嘯く「ジョークを思いついた」「理解出来ないさ」。手錠装着は気になるが、あのシーン迄の延々と続いたアーサーの辛く厳しく、そして“悲劇”が“喜劇”に堕天した一連の叙述詩さえも、実はあの一瞬の思いつきである“ジョーク”そのものではないのだろうかと勘ぐってしまう印象なのである。いると思っていた彼女は実は妄想であったり、所々“信用ならざる語り部”的なフォーマットが差し込まれる件は、これら全てがまるでジョーカーの頭の中で描かれた虚画を見せられた、そんな解釈を抱いてしまう。もし、自分の見立てが間違っているのならば、どなたかご指摘頂ければ大変有難い。
幾度もひっくり返るアーサーの出生事実、そして幼少期の母親からの虐待は、背中に刻まれたケロイド状の痣の痛々しさや、トゥレット障害をより一層際立たせる“伏線”であり“回収”だ。周りに幾度となく心を抉られ、社会からの保護も失われ、底まで堕ちた男の生まれ変わりは、決して大袈裟ではない演出と、地に足の付いた演技としての俳優“ホワキン・フェニックス”の力量で、それがドキュメンタリーとしての要素も帯びた重厚な内容である。分かり易いBGMの効果音や、ニューヨークを感じさせるスタンダードジャズ、そしてあのクリームの有名曲を絶妙に配置することで、否が応でも主人公アーサーへの感情移入が逃れられない。正論を吐くTVショー司会者役の“ロバート・デ・ニーロ”の表現は正に現実社会の代表的意見に他ならない。弱者への労りを無くした社会はこうして“化物”を産み出す胎盤と化すであろう・・・と、ジョーカーっぽくはないが、これもジョークなのだろうか(苦笑
アメリカンジョークが今イチ飲み込みづらい自分としては、スタンドアップコメディの面白さが今作品の鍵であると感じたので、そこがぼやけてしまう事に、自分の理解不足を恥じる部分もあるが、それ以上に“ヒトをクった”作りそのものがジョーカーらしい興味深い作品である。「この人生以上に硬貨な死を」、尤も胸に刺さる言葉である。
呪われてるレベルで最凶の演技!ホアキン!
JOKER
かの有名な
バットマンの名悪役が誕生する時のお話
今回主演のホアキン・フェニックスがまじでヤバい
表情、喋り方に笑い方、動き、雰囲気全てが狂ったオーラを纏っていてめちゃめちゃ見入ってしまった!
辛辣な運命を、狂気と暴力という名の喜劇にしていく様は、痛みと恐ろしさを感じつつも何故か少し気持ちが良くもあって、どこか筋の通ったカリスマ的なカッコ良ささえ感じてしまう
決して肯定はできないけども彼の生き方や考え方は、どこか見ている自分らの"心の中の普段見ないようにしてる部分"を揺さぶってくるよう。
最狂ヴィランの誕生譚映画として
伝説に刻まれるに値する一本だと思いました!
とにかくホアキン・フェニックスの演技がまじで呪われてるレベルですごい😳
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