ジョーカーのレビュー・感想・評価
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育まれていく狂気
日本での公開前から色々な話が飛び交っていた今作。 特にアメリカでの 危険視 と言って差し支えないレベルの前評判に、見る側としては嫌が応にも事前のハードルが上がっていた。 が、その評判に違わぬ、なんなら上回ってくるような とてつもなさを持つ映画だった。
今作は一年に一本 あるかないか というペースで現れる 役者の演技 が圧倒的力で映画を引っ張っていくタイプの作品で、とにかく! ホアキンフェニックス! これに尽きるだろう。 その演技だけで映画のすべての要素に説得力を持たせることができるほどの驚異的な 体現っぷり。
今まで何人もの名優がジョーカーを演じてきたけど、ホアキンフェニックスが見せたジョーカー像は今までのどのジョーカーとも違う。ジワジワと狂気が彼の中で育まれていく様を、まるで見る側の心までも取り込んで沈んでいくような、とてつもない力で見せていくのだ。
この ジョーカーに感情移入させる という部分が今作のもっとも評価される部分であり、その一方で今作が 危険視 される要因なんだろう。特にラスト ジョーカーが分断の旗印かのように立ち上がる結末が、あまりにもアメリカの今とリンクし過ぎているために、問題になっているんだと思う。(ちなみに過去、映画館で起こった銃乱射事件で犯人がジョーカーに影響されていた という話が出たことがあったが、後で犯人の取り調べの中で 別にそんなことはない ということがわかっているらしい)
ホアキンフェニックスがやる という時点でとてつもない演技だろうとは思っていたが、まさかここまでとは
今年一番 見るべき一本 だろう。
ある意味羨ましい
評判通りと低音の響く映画館で闇へ落ちる姿を。
自身の正義が揺らぐ衝撃作
孤独と絶望を抱えた男が悪に目覚める話。
いやもうほんと度肝ぬかれました。
観て一日経ってこの文章を書いてるけど
想いがいろいろ渋滞してるどうしよう。
考えがまとまらないのでつらつら書く。
物語の組み立て、感情移入させる演出、
ホアキンさんの怪演、最高でした。
序盤は主人公アーサーの哀れな姿の連続で、
観ててほんとーーーに苦しい。
人に理解されない病気、低所得、親の介護等
1つ1つのパンチが重たく
それらがアーサーを苦しめる。
さらに、生きる支えでもあった夢や、
自分の存在を感じられるものに裏切られてしまう。
ここの絶望の畳み掛け演出は素晴らしかった。
なのでジョーカー誕生の瞬間は鳥肌が立った。
そこからラストまではずっとにやにやしてた。
感情移入ばっちり完了されちゃったので
いいぞー!いけいけもっとやれ!の連続。
でもジョーカーは明らかに悪なので、
待てよ、こんなこと思っていいのか?
と自問自答してしまう。
悪がヒーローに見えてくる。
自分の中の正義が狂ってくる。
これがジョーカーのカリスマ性か!
と気づいたときは拍手せざるを得なかった。
間違いなく実写版ジョーカーの中で
最もカリスマ性があった。
ジョーカーは勝手に生まれたわけではなく、
世界やアーサーを取り巻く環境が生んだのだ。
誰もがジョーカーになり得るリスクを
この世界は抱えているんだと訴えてくる
社会派な一面も持っている作品だった。
アメリカでは上映をすすめていないという話を
聞いたけど観た後なら確かに理解できる。
格差社会、差別社会がなくならない世界。
それはジョーカーの世界と全く同じであり
社会的弱者の暴動は止められない気がする。
いや悪は悪でしょ。
と簡単に片付けられない人の気持ちを
試してくる刺激的な作品でした。大満足!
ウェイン家も結構物語に絡んでるので
バットマン好きには嬉しい展開もあり。
狂気!
スゴい映画かもしれないけど
合わなかった。
世間が悪い、環境が悪い、自分は悪くない、そんな理由で誕生して良いのかジョーカー。
圧倒的記号としてのヴィラン、ジョーカーを一般人の価値観で肉付けする意味が解らない。
良かった部分はゴッサムの街並みの再現度とブルースの両親の死ぬシーンで千切れる真珠のネックレスの演出かな。三部作ではファルコーニの鉄砲玉が犯人だった気がするが。
ホアキンの演技
えぐられた
絶句
ダークナイトで見るジョーカーは不気味であるけれども、所詮は架空の生き物、と割り切れた。
しかしこちらのジョーカーは生身の人間。誰でもジョーカーになり得るという現実が恐ろしいし、不条理で過酷な状況下で、人がじわじわと病んでいく過程は見るのが辛い。
ほぼホアキン・フェニックスの演技でこの映画が出来上がっているわけですが、なんというか迫真とか鬼気迫るとかそんな言葉じゃ説明ができない。
映画館に忍び込んでチャップリンの映画を見るあの心底嬉しそうな目も、笑いの発作を抑えたいのにどうやったって抑えられない時も、演技はもはや演技でなく、アーサーという人間そのもの。
髪を緑に染めて、赤いスーツを着て、階段で踊るシーン。化けた、ついに。スイッチ切り替わった瞬間。なんて美しいんだろう。
ヒース・レジャーのジョーカーを超えられるわけがないという思い込みは、ぶっとんだ。
観終わった後は言葉が出ず。一人の男の演技が観る側の感覚をここまでおかしくするって、そうそうあることではない。
決して「面白かった」「良かった」「最高」なんて陳腐な言葉で、人に勧めることはできない。評判になっているからといって、軽い気持ちで観に行くこともお勧めしない。
ただただ、言葉が出なくなったという事実は、事実としてここに書き留めておきます。
脱帽
哀笑のピエロによる戦慄と混沌のショーの始まり
11年前、『ダークナイト』でヒース・レジャー最期の名演で魅せたジョーカー像はとてつもなく強烈で衝撃で、今後あれを超えるジョーカーは絶対に現れないと思っていた。
が、まさか、“ヒース・ジョーカー”に匹敵もしくは凌駕するほどの新たなジョーカーが現れようとは…!
ヴェネチア映画祭まさかの金獅子賞、あちこちで囁かれているアカデミー賞期待の声は元より、年間MY BEST入りは間違いナシ! 思わぬ傑作を鑑賞出来たこの喜び!
…しかし、作品は喜び/幸せ/楽しさ/面白さを感じられる代物ではなかった。
胸が詰まるほどの辛さ、苦しさ、哀しみが…。
バットマンの宿敵、ジョーカー。
その誕生秘話。
コミックで描かれた事あるかもしれないし、バートン版バットマンでも簡単に描かれていた。
しかし本作は、それらとは全く違う完全オリジナル。
アーサー・フレック。
突然笑い出すという奇病を持ち、時々精神不安定な病的な面も。
が、実際は内向的で心根優しい青年。
職業は、ピエロ。宣伝や呼び込みなどで街頭に立っている。
稼ぎも生活も貧しく、古アパートで病弱の母の面倒を見ながらの二人暮らし。
そんなアーサーの夢は、コメディアン。TVの大物コメディアン、マーレイに憧れている。
母からも言われている。あなたの笑顔が周囲を幸せにする、と。
だから、さあ、皆、笑って幸せになって。
…が、実際の世の中は笑えない事ばかり。
開幕早々、クソガキどもに看板を盗まれ、追い掛けるも、殴る蹴るの返り討ち。
ある日地下鉄に乗った時も、エリート風の3人の男に絡まれ、また殴る蹴る…。
どうして、こんな目に…?
僕が何をした…?
ただ、笑って欲しいだけなのに…。ただ、ハッピーになって欲しいだけなのに…。
混沌としたこの世の中で、笑う事は罪なのか…?
後のあのヴィランの面影はまるで無い。でも、どこか滲ませる。
孤独、悲哀、狂気…。
神がかり的と評された期待通りの…いや、以上!
圧倒されるほどのホアキン・フェニックスの入魂の熱演。
痩せこけた身体や風貌がまた社会の底辺で生きる男の姿に生々しいリアリティーをもたらしている。
複雑な内面や見た目も含め、ホアキンの一挙一動から一瞬たりとも目が離せない。釘付け!
以前から何処か危なっかし気のある曲者なホアキンだったが、それが今回のジョーカー像にピタリとハマった。
アカデミー会員の偏見が無い限り、まずオスカーノミネートは間違いないだろう。なるか、ヒース・レジャーに続きジョーカー役で2人目のオスカーの快挙…!?
作風やホアキンの演技に、『タクシードライバー』『キング・オブ・コメディ』の影響色濃く。『タクシードライバー』を彷彿させるようなシーンも。
その両作に主演したロバート・デ・ニーロが、アーサーが憧れる大物コメディアン役でオマージュ的出演。
出番はそんなに多くないが、クライマックスのアーサーとの緊迫したやり取りなど、スパイス的に締めてくれる。
本当にアーサーを襲う悲劇や不運は見てて辛くなる。
仕事はクビに。
カウンセラーが市の予算削減で閉鎖。
地下鉄での3人の男とのトラブルが、最悪な事件に…。
アーサー自身にも過失はある。
でも、彼をそこまで追い込んだのは…。
絶望、ドン底、弱者への社会の仕打ち…。
そんなアーサーにも唯一の心の拠り所はある。
同じアパートに住むシングルマザーと、母。
シングルマザーと惹かれ合う。…ところが、まさかの…。
どんな時でも母は自分を見守り、自分も母を愛していた。
ある時知ってしまった、出生の秘密。
それは、2重で驚愕と衝撃だった。
愛は偽りだった。
そして、思わぬ人物との関係。ほんの少しでも温もりが欲しかっただけなのに、傲慢と冷酷な仕打ち…。
これが、アーサーの現実。
この厳しい現実は、何処までとことん彼を虐げれば気が済むのか…?
だって、アーサーの心はもはや折れる寸前…。
辛い時こそ、苦しい時こそ、哀しい時こそ、笑えという。
確かに笑えば気が晴れる。
でも、それにも限度がある。
とことん辛い時は苦しんだっていい。
とことん苦しい時は哀しんだっていい。
とことん哀しい時は大声を上げて泣いたっていい。
寧ろそうした方がスッキリし、負の感情を切り捨てられ、気持ちを切り換えられるきっかけになれる。
無理して笑うよりかは。
だがアーサーは、笑った。無理して。自分を偽って。
そしてアーサーの心は、折れた。…いや、心が壊れた。
哀しみと怒りをピエロの笑いのメイクに塗って。
主人公こそアメコミのキャラクターだが、一切SF色のアメコミ要素はナシ。
ヒーローvsヴィランのバトルは無論、派手なシーンもアクションもCGも。
重く暗く、一見地味な作風だが、終始緊迫感は途切れない。
第一級のクライム・スリラー!
アメコミのキャラをモチーフに、ここまで出来るものなのか…!
MCUでさえ本作にはKOされるだろう。
全くアメコミと切り離されているという訳ではない。
後に対する事になる“闇の騎士”にも触れられ、彼の父親である市の実力者やあの精神病院など、分かる人には分かるリンクネタが堪らん…。
アーサーが遂に、あのメイクをし、派手な衣装で現れた時には、ゾクゾクと興奮!
と同時に、ゴッサムが犯罪大都市になったまでも描かれる。
クライマックスの狂気の暴動はスリリングなカタルシスさえ感じた。
もう本当に、お見事!
当初不安視されていたあの『ハングオーバー!』のコメディ監督、トッド・フィリップスの手腕は、それこそ『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン級!
今後監督には、コメディだけではなくシリアス作品のオファーが殺到するだろう。
本作を見ていたら、一つのキャラクターと一本の作品が頭に浮かんだ。
まず、ダース・ベイダー。
ベイダーもかつては純真な子供であったが、数々の運命や悲劇が彼を悪の化身にした。何処か誕生の経緯が似通っている映画史上屈指の悪のカリスマ。
そして、『帰ってきたウルトラマン』。同作の根底に、社会の不条理が怪獣を生む…という裏テーマがある。
悪を生み出したのは…?
堕ちた自分の弱さもあるが、しかし…。
後にこの最凶悪に翻弄され、嘲笑われるのは、彼にそうしてきた社会や我々への強烈なしっぺ返しに他ならない。
周りや人々を幸せに笑わそうとした。
逆に冷たく嘲笑われた。
哀笑のピエロによる戦慄のショーの幕が、上がった…。
愛の欠落の連鎖が引き起こす悲劇
デートには使っちゃいけません。
ホアキン・フェニックスの圧倒的怪演
バットマンの悪役ということでアクション多目かな?と思って見たらそんなことはなく、親からの虐待、社会からの無関心、周囲の人間の悪意で一市民の精神のたがが外れてしまってジョーカーが誕生してしまうお話。
とにかくホアキン・フェニックスの演技が全ての内容だったので、人によっては楽しめないかもしれません。
さらっと楽しむ娯楽映画というよりは演技力マニア向けかな?
主演の演技力がすべて、ダスティン・ホフマンの演技みてるだけで二時間余裕だぜ、とかいう人ならぜひ見て欲しい
面白いところ何もない
観る前に気づけよ、俺!
前情報なしで見るのも大概にせーよ、俺。と軽く自分を呪いつつ。映画が始まってから気づいた。遅いってw
Gotham City と聞けば分かるやん。ダメだダメだ、偏見持って見ちゃダメ。先入観は捨てて、この物語に没頭しなきゃ。と気持ちを切り替えはしたけれど。結論、どえらく回りくどい前説だった。悪く無かったけど「狂気」と「残虐性」をドライブさせるのが、結局は妄想性の反社会精神だってのが…「存在証明」を求めていた件から、足元が「狂気」に向かって崩落して行く様に、物足りなさを感じました、アレでも。いや、だってjokerの残虐性ってハンパ無いから。
薄暗いソイに取り残されたブルース・ウェインのその後も作る?
骨張ったホアキン・フェニックスの背中に役者魂を見た気分。ビューティフル・デイでは、お腹ダブダブでしたのに!
コレがオスカー候補?ホアキン・フェニックスの主演男優賞なら納得します。何か無茶苦茶良かった。映画を救ってたと思いました。
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