ジョーカーのレビュー・感想・評価
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模倣犯が出て残念
模倣犯が出たから見たわけではないが、こういう映画の作り手というのは当然、自己表現の中に現実の抑止効果があることを願っているだろう。
この映画を見て、影響を受けて犯行に至ったというのは、非常に残念なことだ。
この映画を見て疑似体験して、やってはいけないことと思ってくれる人が増えることで、社会貢献になる。
テレビでは放送しないことになったらしいが、短絡的、事なかれ主義、そんなことならば、かえってそれが犯罪抑止の一つをつぶすことにはならなければいいが。
映画自体は、ドキドキする展開で怖いもの見たさを満足させる内容でした。
BLM暴動が拡大する米国二極分化社会の比喩
手塚治虫や石森章太郎をはじめとする豪華な漫画作品に囲まれて育った子供にとって、スーパーマン、バットマンなどのアメコミ・ドラマは退屈極まりなかった。数十年を経てもこの感想はまったく変わらず、それらが成人向けの映画にリメイクされても、はっきり言って軽蔑しか感じなかったのである。
で、今回はそのお仲間「ジョーカー」である。こんなもの見るのはバカだけだと思っていたのだが、せっかく衛星放送で流れるのだからちょっと見ておくかwと見始めたら、それが大いなる勘違いだとすぐにわかった。
枠組みはあの愚かしい「バットマン」だが、ジョーカーなる精神を病む男が健常者の社会から虐げられる不当さと、二極分化された社会で爪弾きされる貧困層の怒りが共振していくさまは、現在のBLM運動が暴動を起こすヒステリックな米国社会の見事な比喩になっているではないか。まさに換骨奪胎を絵に描いたような、脱アメコミのリアルで重厚な作品といえる。
惜しむらくはジョーカーが最後にショー番組司会者を確信をもって射殺してしまうことで、「あっちの=アメコミの」世界に行ってしまい、何らの悲劇性もなくなってしまうことだろうか。彼が語る悲劇と喜劇の意味がいま一つ不明だが、小生には人間の悲劇を考察するのをやめた、アメコミ的軽薄さに聞こえた。
バットマンの父親を誰か別の人間が射殺したように、ジョーカーは司会者を死亡させたと勘違いされた挙句、米国最大の悪人に祭り上げられていくという展開なら、さらに深みのある人間ドラマになったと思うのだ。
主体的に物事を判断し決める精神的な自立を得る物語?
観客にこれだけ考えさせる脚本と映像設定は大したもの。
初見の時の狂気を描いた映画という印象と異なり、二度見で実は不幸で可哀想なだけの人間が、道徳的には問題あるにせよ主体的に物事を判断し決める精神的な自立を得る物語と思えてきた。
【圧倒的な没入感‼︎怪作】
ここまで映画から目が離せない作品には出会ったことがない。
理不尽な世の中や正論だけでは罷り通らない憤り。そういった人間社会の黒い部分を映画という芸術作品において浮き彫りにしている。
問題作ではなく、問題提起作。
まさに、アート。
・主人公の苦悩。普通ではない自分をどう受け入れるか。
・ある人のレビューを読み、考えさせられた。狩野えいこうのようにいじられキャラとして生きる道がある意見も納得だが、人は誰しも同じふうには捉えられないのだろうなと…
ある人にとってのジョークが、本人からすればジョークではないなんてことは往々にしてある。
・自身の所属している階級で見えている社会は違うのだということを痛感。
・真実とは何か
何が真実かを考えさせられる。本作の物語を通して真実そのものが何かというより、その人間にとって信じたい事実が真実になりうるということ。
◎音楽
セリフのないシーンでも音楽による演出のためか、見入ってしまった。
◎演技
主演であるホアキン・フェニックスの佇まい、身振り、笑い方など、彼なしでは成り立たない。
ヒョロヒョロで病的な肉体からは想像できないほど、ラストの赤いスーツを羽織ってからはまさに、、、
◎鑑賞時のメモ
・圧倒的没入感
・理不尽な社会
・社会への不満
・母を殺すシーン▶︎真実とは何か▶︎信じたいことがその人にとっての真実(信実)
・無言のシーンでも見続けられる不気味な音楽
・金持ちが人格者とは限らない▶︎その人にとっての正義を執行しているにすぎない
なんか日本にもごろごろといそうな人達の話だった
見た感想を一言で言うと、「本当にこんな作品が大ヒットしたのか?」ってことです。自分にとってジョーカーとは、ジャック・ニコルソンの演じていた紫のスーツがよく似合い貫禄がある悪の帝王のような存在をイメージしてしまうんですが。この映画のジョーカーはそれとは正反対のクソダサい絵にかいたような底辺の精神病のおっさんでした。こんなジョーカーじゃあ悪の組織でも馬鹿にされるだけで使いっぱしりで終わりですわ。ダサい。ダサすぎる。いくらスピンオフ作品とはいえもうちょっと他になかったのか?是非ジャック・ニコルソンのようなジョーカーも作るべきですわ。
うーん…
展開に無理があるような気がする。。。
電車でのシーンは、銃声がすごいし、さすがに人が来るのでは?と思ったし
テレビ番組にあんな形で呼ばれるかな?と思ったり。
けど、それらも全部、ラストの『ジョーク』のくだりで
どこまでがジョーカーの妄想なのかよくわからなくしてるのがずるい。
思えば、『ありえないな』と思った箇所がことごとくジョーカーの妄想だったり
誰かの嘘だったりして、何が現実かよくわからなくしてる。
『不遇の人が世界を恨む』というのは個人的に気持ちはわかるから、変に期待しすぎてしまったのかな。
弱者のアイデンティティ
近年多発している「ジョーカー」と呼ばれる社会的弱者の凶行を生み出した問題作、とされている映画。
人は誰しも、誰かに認められたい、と願っている。家族や恋人、職場関係の人々から認められることによって自己を確立しているといえる。
しかしこの映画の主人公のアーサーのように職を失い、家族や友人関係も上手くいかず、周囲から軽んじられる社会的弱者は、社会との繋がりから自分の価値を見出せず、ついには凶行に走ってしまう。
犯罪行為をして、世間に自分の存在を刻めるならなら、ひとつのアイデンティティを獲得した、といえるからである。
社会的影響を懸念して、この映画は規制されてしまい賛否両論あるようだが、社会的弱者にひとつの解答を示してしまった側面もあるといえる。
作品内でもジョーカーの信者たちが暴徒化していたが、現実世界での模倣犯の誕生によって、真の意味でこの映画は「完成」してしまったのかもしれない。
タイトル以上に深い内容。でも、UnHappyは好きじゃない。
映画・コミックとも、「バットマン」は見たことなし。その前に、アメコミ系は見る気がせず毛嫌いしてる。絵柄・図柄がきらい。
この映画が「バットマン」の悪役誕生物語だ、という予告編やCMは見たけど、この前の京王線での事件が鑑賞動機。さらに。最近の「ノマドランド」やこの「JOKER」のような、世の中の閉そく感を突き詰めていくような映画は好きじゃない。救いのない結末を持て余して、自分まで落ち込んでしまうから・・・。
でも。
監督の表現方法や出演者たちの演技には、本当に映画の中に引きずり込まれていく。主人公の心理にも共感して、何が正しい事なのか、この映画の主人公は正しいのではないか、とさえ感じてしまう。
だからこそ。この現実世界は、天はすべての人に平等に、幸福・不幸を与えているのだと信じたい。そう、強く感じさせる作品でした。
笑いと狂気
ジョーカーと言えば初代ジャックニコルソンのジョーカーは狂人、ダークナイトのヒース・レジャーは人の心の闇に囁きかける悪魔になった、そして本作のホアキン・フェニックス扮するジョーカーはいじめの被害者がブチ切れるという実に人間臭い犯罪者を演じている。
稀代の犯罪者ジョーカーがいかにして生まれたかの興味で製作・脚本・監督のトッド・フィリップスがプロファイリングしたのでしょう。
不幸な出生、幼児虐待、成人してからも不遇の生活、心無い市井の人々の冷淡さ等々ならべて同情的ですが人殺しの理由にはなりえないことは自明でしょう。
車中で女性に絡む若者を撃つあたりまでは分かりますが母親殺しや訪ねてきた友人、唯一の彼の芸の理解者デニーロまで撃つのは説明が付きません。
監督も無理筋と思ったのか精神を病んで治療中の描写を入れてぼかしていましたね。
デニーロさんも「キングオブコメディ」で狂ったコメディアンを演じていたので出演を快諾したのでしょう。笑いと狂気は異質であるが故に合体すると当惑、不安を誘いますね。
個人的にはダークナイトのジョーカーがフェリーの乗客に仕掛けた究極の選択が一番ショッキングでした、そこまで人の弱みに付け込む悪魔のようなジョーカーの生い立ちの秘密に迫るのかと期待しましたが月並みなプロファイリングでは繋がりません。ただ本作の顛末だとバットマンとジョーカーは異母兄弟という奇妙な因縁になりますね、ダニエル・クレイグ007スペクターでも歪んだ兄弟愛でしたし、カインとアベルのような原罪意識が西洋人にはあるのでしょうかね。
京王線で電車テロがあり犯人はジョーカー気取りと報道された、青系の服装から見ると本作は赤系統のスーツなので模したのは初代ジョーカーのようだが仕事や人間関係に失敗しての自暴自棄、世間への逆恨みが動機のようで本作のジョーカーの境遇と被っていたたまれない気持ちにさせられた。
映画が悪いわけではないのだがジェームズ・キャグニーの大昔の映画「汚れた顔の天使」を思い出した、ギャングの大物が電気椅子に括られるとわざと臆病に振舞って泣き叫ぶ、それは少年たちのギャングへの憧れを断ち切ろうとする神父の願いを聞き入れての大芝居だった。
子供たちに人気のコミックであればこそ製作陣の良心もまた問われることは肝に銘じておかずばなりますまい・・。
切なかった
唯々切なくて、体が震えました。。いちーばん最後、エンドロールが流れる前。アーサーと病院の看護師?かな、追いかけられるシーン。右に行ったり左に行ったり、トムとジェリーみたいに追いかけっこ?コメディーチックだった。あれは、すべてをまとめるシーンだったなー。他の人あまりコメントないけど。「THE END」の文字がまたコメディーっぽくて。
アーサー(ジョーカー)の人生はコメディー。
最後に思い付いたコメディー(ジョーク)も、アーサーと同じ人生を、一人残ったブルース(後のバットマン)に味合わせるというハイセンスジョークだったのかなーと思いました。
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今回の作品ではジョーカーの過去が描かれています。
なぜジョーカーはピエロのメイクをし、狂気的に笑うのか。
その過去には「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の教えで、コメディアンや大道芸人として活動していた過去がありました。
普通の心優しい青年だったジョーカーが、なぜ連続殺人犯になり、悪のカリスマ的存在になったのか。
豹変していくジョーカーのストーリーは必見です。
うーん・・・。
社会不適合者が犯罪者になる、ってよくあるパターンを延々と説明されてる感じで、正直困ってしまった。
「キング・オブ・コメディ」にオマージュ、っていうんなら、そっち観ればいいだけの話では?・・・
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