ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ホント、久々に素晴らしい
素晴らしい。
この25年間、映画から離れてて全くの無知識、かつ元々映画マニアというわけでもないけど、好き放題に思ったままを書きます。
アメリカ映画っぽくなくて、ヨーロッパっぽい映画だなと思った。
これは音楽の世界でも起きていることで、感性の国境が溶けている。
昔はアメリカ人にはどうひっくり返っても出来なかったことが今は普通にできている。
最初に黒澤明の影響があったりするのかなと感じた。
全ての瞬間的が、どこを切り取っても金太郎飴のように部屋に飾れる絵画の様になっている。
その映像美と色彩センスは素晴らしいとしか言いようがない。
が、しかしこの映画は何といってもマーティン・スコセッシのタクシードライバーだろう。(とキングオブコメディ)
デ・ニーロも出していて、この映画がタクシードライバーのオマージュであることを全く隠していない。
you talkin’ to me ? のシーンのオマージュなんか最高だったな。
エンドの光の中の喜劇のシーンはキューブリック。時計仕掛けのオレンジの最後を彷彿とさせるか。
他でもキューブリックを思わせるシンメトリー&潔癖的清潔感のシーンは多数あったが、最後にキューブリックを出して来たかという感じでここもニヤリ。
こんだけやったら普通は「パクリの中二映画じゃん」とならなきゃおかしいのに、全然そうならないことが何より凄くて、これこそが監督の実力なんだろう。
WHITE ROOM
で、毎度毎度痺れる。。
もうすぐ公開される"ジョーカー2"に合わせて、現在リバイバル上映されている本作を鑑賞してきました。
このレベルの作品になると、こちらには初見の方はいないだろうから、あらすじ云々は省略で。。
私は、様々な媒体で3、4回位観ているのだが、解説とか見ていないので、
初見の先入観が拭いきれず"決めつけ"ている部分もあるかもしれませんが。。
しかし
観るたびに実はほとんどがアーサーの妄想に思えてきて立ち止まってしまう。
(DCやアメコミは詳しく知りません)
この信頼できない語り部がみせる現実と妄想にいつも溺れてしまう。
差別・貧困・病気、社会的弱者という背景。
自分ではどうしようもない怒り。
彼に同情しても良いのか?
心優しかったアーサーは、理不尽だらけの世の中の犠牲者なのか?
民衆に祭り上げられた哀しいピエロは、我々の代弁者なのか?
本当に"弱い者"なのか?
現実逃避の先に希望を見たのか。
その希望は願望から作られた都合の良い妄想なのか。
辛い現実から逃れるための手段として彼の中で美化された妄想に、鑑賞者も混乱させられ、徐々にアーサーと同化していく恐ろしさ。
彼に付き合わされてしまうのだ。
私が、あなたが、
アーサーに共感(共鳴)して
"しまった"所が、もしかしたら彼の妄想
(嘘)だとしたら。。と、考えると、
又また恐ろしい。。と、思うのです。
言わずもがな、ホアキン・フェニックスの魂の芝居に圧倒される。
これが見たくて、あまり観たくないのに観てしまう。
痩せこけた身体にアンバランスなピエロのメイク。
不気味で異様なのに、美しいとさえ思ってしまう。
初見から何年も経っているのに、こんな風に思い続けているという事は、
まだ、取り込まれたままなのか。。
だって、勿論続編も観るし今から楽しみだ。
映画として面白かったが、ジョーカーではない
ホラーじゃないけど怖いですね
コロナ禍を経て改めて鑑賞すると…
24年10月に2作目が公開されるとのことで、復習のために劇場へ足を運びました。
劇場で鑑賞するのは今回で4回目です。
19年の公開当時、アーサーを取り巻く社会の不寛容がちょっと“盛り”過ぎでは無いかと正直違和感を覚えていたのですが、コロナの狂騒を経て我が国もゴッサム・シティ並みの衆愚の世界に堕してしまったのでしょうか、然程無理のない設定に思えてしまうのが悲しかったです。
アーサーが舞う妙な舞踊がとても魅力的。
公衆便所で、
シャワーの後に、
階段の踊り場で、
パトカーのボンネットの上で踊り狂う姿の気持ち悪さと言ったら…。
予告編を観ると「フォリ・ア・ドウ」ではガガさんとペアで踊るシーンがけっこうありそうで、どうなのでしょう第1作で感じた「異界」感は維持出来ているのでしょうか。
期待半分不安半分です。
とにかく第1作は文句なしの大傑作。
「時計じかけのオレンジ」のアレックス、
「タクシードライバー」のトラヴィス、
「レイジング・ブル」のジェイク・ラ・モッタ、
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・プレインヴュー氏に並んで本作のアーサー・フレックは私にとって忘れられないヒーローになりました。
傷を癒す
改めて見るとメッセージ性の強い映画だった…
ホアキン・フェニックス、ここにあり!!
再上映にて再観したのでレビューします。
IMAXで観たんだけど、スクリーンいっぱいに広がる映像、中央ぎみに表示される字幕、この映画ってIMAXカメラで撮ってたのね、知らなかった(笑)
アメリカでは社会現象になり、日本では事件まで起きた作品。
『キング・オブ・コメディ』と『タクシードライバー』に影響を受けてるらしいけど、
『タクシードライバー』より『キング・オブ・コメディ』の方が強い。
ホアキン・フェニックスは、この映画で本格的に認められたと思うんですが、役が憑依したようなと評されたように、スンバラシイ演技です。
僕も、この映画で彼のファンになりました。
まだ観てない方は、この機会に是非!!
バットマン知らないからな…って方も大丈夫!!
後付けのオリジナルストーリーだし、バットマン観てなくても楽しめます。
映画史に大きな爪痕を残した大傑作!!
今ならIMAXで観れますよ♪
続編、楽しみですね♪
最後は喜劇にみえるから不思議
史上最狂の鳥肌モノ映画──
人生最大の衝撃を受けた映画です。
初めて観た日は、ホントに一睡も出来なかった程でした。
理不尽で生きづらいダークな世界観、最低な社会に狂わされていく主人公、暗く沈み込む音楽など、どこを取っても僕の好みにド直球でした。
好きなシーンはありすぎるのですが、一つ選ぶとすればクライマックスシーンです。
社会の〝悪〟になることで多くの人々と共感し合えた衝撃のシーンですが、ここで僕は涙が止まりませんでした。
直前、クリームの"White Room"が流れる中、警官に連行されるアーサーが、街を荒らされていく様子を見て笑うシーンもヤバかったです。
長年募らせてきた怒り、孤独感、憎しみなどが一気に解き放たれて社会を荒らす。
本当はそんなことしたいわけないのに、そういう風になってしまったのはマジで悲しすぎます……。
あとはラストシーンの精神病院で流れる、フランク・シナトラの"That's Life"の歌詞。
特に、
♪これが人生♪
♪ご覧通り笑えるものなのさ♪
♪他人の夢を踏みつけてくる人いるけど♪
♪僕はそんなじゃくじけない、落ち込んだりしない♪
♪なぜならこの世界は、常に回り続けるのだから♪
のところが大好きです。
他人に笑われるのを気にしない。
それは現実でやろうと思うと、僕にとってはすごく怖いことです。
いくら下から謙虚にいったって、笑ってくる人はいるものです。
でも、それを耐えることができれば、人生少しは楽になる部分があると思います。
……長文になりましたが、僕の感想は以上です。というか最後は感想というより僕の話になってしまいましたけど笑。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
寄りかかる物の無くなる狂気
まさに“全てを失った男”
精神的にやられていて、社会にも見向きもされない。切れ切れで生きていた彼に怒涛に訪れる悲劇。職を、信頼を、尊敬を、尊厳を、全てを失う。残ったのは狂気じみた自由。
アーサーが追い込まれている間も外ではサイレンがなってた。それがアーサーをジョーカーたらしめる孤独感や虐げられた個人に見向きもしない世界を体現しているようで切なくなった。世界観も完璧
ホアキン・フェニックスの演技が上手いこと上手いこと、どんどん引き込まれていった。
と、一度見た物の見返したのでレビューを。
心の闇。
公開当時からずっと評判が良くアカデミー賞にも輝いた本作、『バットマン』映画はティム・バートン監督の2作しか観てなくて、本作を観る前にはやっぱり『バットマン』4作、『ダークナイト』3作を観終わってからと思っていたのですが、レディー・ガガを迎えての続編『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』の今秋公開が発表され辛抱堪らず観ることにしました。
昔からヒーローはもちろんですが、個性的な悪役にも少なからず魅力を感じる質だけにすごく楽しみにして観たのですがそんな生易しい作品ではありませんでした。
アーサーが吹っ切れ「喜劇なんて主観さ」の言葉を吐いた後、失うモノが無くなった者の嫌な強さが、ホアキン・フェニックスの鬼気迫る役作りと演技によって胸に深く刺さります。
比べるまでもありませんが、生きているとやはり嫌なことやムカつくことは起きるし、誰しもが多かれ少なかれ心の闇を持っていると思います。それだけに私も極力ストレスを溜め込まないように意識しているつもりですが、アーサーの立場になったら果たして抑えられるかというと全く自信がありません。
調べてみればとんでもない親だった母からの主人公に対する「ハッピー」という呼び名があまりに悲し過ぎるし、ちゃんと産み育ててくれた両親にあらためて感謝の気持ちが湧いてきました。
ホアキンの泣いているような笑い方が、美しい映像とも相まって心に残り、正直後味が悪い映画ですが、名作であることに間違いはありません。
余談ですし恥ずかしい話ですが…ロバート・デ・ニーロを見るのが久し振り過ぎたせいなのか、途中トーマス・ウェイン役のブレット・カレンとゴチャ混ぜになっちゃいました(汗)。
ここにいるのに存在しない世界で
演技
演技がただただ凄かった。ストーリーも秀逸。
ただ、笑わせる人ではなく単に笑われる人を舞台に上げたり、TVショーに出演させたり、
不思議な展開もある。ゴッサム・シティ故なのか。
主人公の幻想もどこまでが幻想なのか、それを打ち破るための銃なのか、
考え出すときりがない。
何かが爽快ということはなく、この映画の面白さとはなんであろうか。
個人的には、バットマン絡みということもあって、どうしても
バンドU2 のボーカルのボノがツアーの途中で演じたマクフィスト
と被ってしまう。
元ネタのキャラを知らずに鑑賞
凄い作品だった
ようやくこの作品を見る気になった。
ただ、やはり、わからないほど難しかった。
外国人の思考には文化の違いや表現の違いがあり、全体的には難しいわけではないが、解釈しようとすると途端に詰まってしまう。
アーサーの幻想の多くはわかるのだが、わからなかった部分も多かった。
精神疾患的な作品は、精神疾患者の主観が描かれる。
その主観自体がそもそもわかりにくいのだから当然だ。
この手の作品には私の妄想は通用しないようだ。
さて、
悪の化身「ジョーカー」
バットマンの敵役の誕生秘話
精神障害者
この精神障害は、なぜもたらされたのだろう?
愛する母
彼女の話と助けを求める手紙
貧困と底辺で暮らす人々
真っ先に打ち切られる州の予算
生きる上で必要な支援から先に切られていく世の中
日増しに広がる格差
アメリカという国が慢性的に抱える問題の根幹
貧困
大富豪ウェインの屋敷で雇われていた母ペニーフレック
ウェインを信じ手紙を書き続けるのは支援が欲しいから。
しかし返事など来たことはない。
主人公アーサーは、古いアパートに母と住み、ピエロで稼ぐわずかな収入で生計を立てている。
アーサーは人前で大きな声で笑ってしまうという障害を持っていた。
だから「私の笑いは病気によるものです」と書いたカードを持ち歩く。
彼は自分の病気や境遇をすべて母から教えられてきた。
しかし、母の話は全てでたらめで、彼女自信が精神疾患を患っており、強力な妄想の世界に囚われていることがわかる。
「ボクの人生は悲劇だと思っていた。でも、ボクの人生は喜劇だった」
アーサーの病気
社会から受ける冷遇
しかし、まさか愛する母親の話のすべてがでたらめだったとは…
母はそういう病気だということを、アーサーが受け入れることはできなかった。
結果がそうであった以上のことは何もない。
断罪 悲劇の根幹であり喜劇への目覚め
アーサーの精神障害は、母の恋人による虐待とネグレクトから起きたのだろう。
母の黙認 自分を責める代わりにした逃避 これが彼女の精神異常の根源
彼女の都合のいいように現実を作り上げるしかなかった。
さて、
同じアパートに住む女性ソフィ
彼女の役割は何だったのか?
ここらあたりが邦画と洋画の難しさの違いが出るところだろう。
私にはわからなかったので調べたところ、アーサーが抱いたほのかなロマンス、その幻想が描かれていたようだ。
アーサーの中の現実と妄想 これがこの作品のカギとなる。
アーサーが限界に達した時、勝手にソフィの部屋に侵入する。驚いたソフィは戻るように促す。つまり同じアパート以上に知り合うことなどなかったということらしい。
つまりアーサーには幻想世界がある。
TV番組に出演するシーン、その他いくつもの彼の幻想が描かれている。
マレーのショウ番組で彼を撃ったアーサー
逮捕され警察車両に乗せられるとき、町で暴動が起きている。
この暴動自体はニュースでもあるように「現実」だ。
しかし、パトカーに救急車が突っ込み、ピエロがアーサーを救出、彼はダークヒーローに祭り立てられるシーンは、彼による妄想だ。
アーサーもまた母と同じように、現実から逃れる妄想をすることで自分自身の精神状態を保っている。そうせずにはいられない。
最後に彼の言った「面白いジョークを考えついたんだ」とは、バットマンへとつながるのだろう。
この作品のような洋画は本当に解釈が難しい。
些細なニュアンスの違いを読み取る必要があるのだが、言語と文化の違いが難しくする。
最後は気になった部分について調べる必要がある。
しかし、
アーサーの起こした事件の背後にあった彼の思いに暴動が起きたという事実がある。
「ボクは存在しないものだと思っていた」にもかかわらず、自分にできた大きなこと。
不満
この社会に対する不公平感
この思いを持つ者の数の方が、アメリカ社会では圧倒的に多い。
アーサーはそれに気が付いたのだろう。
だから、底辺にいない「カウンセラー」には「理解できない」「ジョークを思いついた」
彼の思いついた「心の叫び」は、同調する不満を抱えた人を動かす大きな原動力となるのだろう。
これこそが「悪の力」だ。
アメリカ人含め世界中の人々の本音を表現した作品。
すごかった。
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