ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ホアキンフェニックスの怪演
彼の作品はこれで3作目だけど、すべて全くの別人。体つきから顔まで違う。今回のアーサーは一見ではわからない障害者。社会は寛容ではない。高潔なはずのウェインも一般的な人。ジョーカーは自分勝手な殺人者なのか、社会が作り出したモンスターなのか?
暴動が今の香港を思い起こさせ、映画のような暴動まで発展してないのは、教育があるからなんだろうと思った。ちょっと悲しく考えさせられたストーリーだった。
何にもなれない君へ
とても哀しい、辛い映画で、これがヒットして皆が共感している世界はとても辛い状況に来ていると思う。
二重のトラップがある映画だ。
一つは、誰しもアーサーのように悪に染まっていってしまうという不安に駆られることだ。
ただし悪に駆られて承認欲求を満たせることが、この映画において主人公の救いになり、一部の観客にとってのカタルシスになっている。
二つ目のトラップは、悪に染まることすら叶うことのない、全てが彼の妄想なのかもしれない、というラストの最悪のカタルシスすら否定する現実の残酷さだ。
妄想しているだけ。君の行動では何も変わりはしない。
バットマンになりたい?? 君らはお金がないから無理だね!
じゃあ、ジョーカーになろうか!!
君らはただの妄想好きの庶民で、ジョーカーになんかなれないよ! 面白いジョークだね!!!
じゃあ、僕らは何になれば良いのか。
ジョーカー爆誕!これを見ればバットマンワールドにおけるヒーローとヴィランの立ち位置が分かる!
〇評価が真っ二つに割れてる件について
私の場合、事前に「ジョーカー誕生の物語」と知った上で視聴したので、非常に腑に落ちるというか、社会的不満を持つ人や他者から排除されてしまう立場の人たちがどういった経緯でヴィラン側に寄って行くのかというのが非常に分かりやすく描かれていて高評価を付けました。
逆に「ダークナイト」に登場するような狡猾で派手にドンパチする様子が描かれているジョーカーを期待した人やバットマンの世界について何も知識がない人は評価が低くなって当然だと思います。というのも映画としては終始、一人の男がヴィラン(ジョーカー)になるまでの経緯を描いているだけで、物語として谷あり山あり最後にオチでまとめるといった後味すっきりという構造にはなっていません。またバットマンにおける重要人物としてブルース一族などが出て来ても、ただの端役の家族にしか見えないと思います。
〇ジョーカー(ヴィラン)やヒーローという存在について
若干のネタバレになりますが、物語終盤で主人公が扮するジョーカー以外にも民衆が暴徒化してピエロに扮するシーンが出てきます。これを見た瞬間、「今回はあくまで映像としてジョーカーだけにスポットを当てているが、それ以外の社会に不満がある人や虐げられている人達はごまんとおり、その”複合体”がバットマンワールドにおける「ヴィラン」の正体でもあり、ジョーカー個人だけを描きたかったわけではないんだな」と感じました。なのでジョーカーと名乗る一個人をバットマンが倒しても、次から次へとヴィランが現れるし、同じような民衆の中から別のジョーカーが現れてもストーリー的にも全く不思議ではないなとすごく腑に落ちました。
それとは逆に、世間一般的な良識やルールに則り、ルールから逸脱したカウンター的な存在であるヴィランを除外するもの”複合体”が「ヒーロー」と呼ばれる存在であり、その良識側の代表として作られたものがバットマンなんだなと。またヴィランが増加するのに比例するようにヒーローやヒロインが追加で出てくるのも社会構造として必然と言えるかと思います。
(※まあヴィラン側からしてみれば、バットマンこそが悪で、ジョーカーがヒーローなんでしょうけど・・・)
〇最後に
映画を見終えて最初に思ったのが、現代のネット社会で世間一般的に良識と呼ばれるものに外れたことをする人がいる一方で、正義感あふれる人に叩かれ晒上げられる構図そのものだなと思ったことです。(※世間一般的な常識と呼ばれるものから外れているだけで、差別や除外する人がいるのも同様で)
この構造を取り入れてる限り永遠に物語が作れるし、ヒーローとヴィランどちらの視点で物語を描いても、確実に共感を得られる賢い作品作りをしてるんだなと感心しました。またその一方で、この社会構造を物語に取り入れてる限りヒーローとヴィランの戦いは永遠に終わらないし、人々に脳を弄って思考を統一するぐらいしか戦いが終わらない気がするのは気のせいでしょうか?
スカッとした自分にガッカリした
精神疾患、国からの援助断ち切り、同僚の謎の親切(銃)は、同業者を追いやるための罠。彼は笑ってしまう、それでも社会の中生きようとしてた。マイノリティ。
マイノリティを自然と受け入れない社会。根付いてる普通という当たり前。バカにされてもそれをマイノリティだからと我慢しなければならないのは何故か。
信じてた母親、父親だと思いたかった人、すべて嘘だった。可哀想だと思う私も彼には嫌われるのだろう。
我慢を辞めてからの展開にスカッとしてしまった。私はマイノリティ側だから、ジョーカーに感情移入してしまった。そんな自分にガッカリした。
これが全部妄想だったとしても、心の中で自由になれた彼は多分幸せなんだろう
かまってちゃん
キャラクターの設定と撮り方が絶妙でした。
階段を辛そうに登り、乱舞して降りる(堕ちる?)姿はまさにジョーカー。
人殺して逃げる所作のあたふた感も、ジョーカーの弱さ、稚拙さ、間抜けさの全てを引き出しています。
世の中こんな人結構いるのかなー?
気付けてないだけなのかなー…?
町山さんが褒めてるだけある
TBSの町山さんがお勧めというんで見に行ったんだけど、非常に深い政治的意図が仕掛けられている作品。アメリカのレーティングでも潜伏された意図まで含めてこの作品を考えると放映禁止となっても全くおかしくない
DCの中でバッドマンが結構な位置に存在してるのは、アメコミの歴史の中で重要な指標を提示できた、という過去があるからだ。かつてアメコミは政府の弾圧の元でかなりシンプルな作品しか作れなかった時代がある。「悪者がいる」「やっつけろ」「バーン(解決)」だけの勧善懲悪なお話しかないような。それが日本の漫画が発展していくのにつれ、アメコミも弾圧がなくなって後に変化し、大人が読んでも耐えられるだけの深みを描けるようになっていった。その代表作こそが「ダークナイト・リターンズ」である。そこでは年を取り、政治的意図に振り回され、戦う相手は政府の敵だったりするヒーローが描かれている。無敵でなくなったヒーローが現代の社会の問題と向き合うようになったのである
そして、それが映画化された作品が「ダークナイト」である。そこではバットマンのライバルのジョーカーが狂気の元に社会に恐怖を与えていく。それを演じた役者が役の狂気に飲み込まれ自殺し、アカデミー助演男優賞を受ける事になるという狂気との狭間にある傑作である
この2つの大作がバッドマンの礎となっている。今回の「ジョーカー」はまさにその直系のサイドストーリーであり、狂気の源となったジョーカーの内面に潜り込む作品である。悪役が主役なのだから、バッドエンドが定まってる。救われる道はない
そう、このバッドマンに連なる話というのは、かなりの部分で社会的問題を含んだ話になっている。そして今回のジョーカーで語られてる問題は、マイノリティへの無理解、弾圧、政治の無謬である。その無理解や政治を金持ちが操ろうとしてる様に対して怒りを生み出す作品となっている。そこに解決の為の道は無い。これはジョーカーの話だから、その怒りはただ破壊へ向かうだけである。ジョーカーの話はアメリカ人にとっては他人事ではない。彼らのほとんどは安い賃金で働き、政治の無謬により政府機関が閉鎖され、何時職を失うかという恐怖にさらされながら、金持ちが演じる政治ショーを傍観する立場にある。しかし、この作品に共感し、感応すれば、皆テロリストになってしまう。そういう危険な作品なのだ
つい最近、サウスパークというブラックパロディな長期アニメ作品が中国の最近の香港弾圧、ウイグルの民族浄化、ハリウッドが中国に操られてる問題をパロったら、中国でサウスパークが見れなくなる、という問題が起きた。NBAの一部の人が香港デモを応援したら中国からNBAへ謝罪を求められる事になり、スポンサーから降り、中国放映が危ぶまれる事態となっている。米国のショービジネスは今や中国に大きく舵取りをされている状況となっている
その背景を踏まえた上でこの作品が米国の大統領選挙で大事な時期に公開された、という意味は非常に大きい。民主党、そしてハリウッドはリベラルであり、弱者やマイノリティの意見を代表している。しかし、最近ではそれらのマイノリティの意見表明は非常に敵対的になっている。ソーシャルジャスティスウォーリアーと揶揄されている。彼らは協調ではなく敵を打ち倒す事に力を入れ、彼らを批難する言葉に対しては弱者への弾圧であると(日本ではヘイトという表現で)批難し、その発言を社会的に封じようとする。これは何か?民主主義を対立によって立ち行かなくさせる活動であり、表現の自由を弾圧によって奪う活動だ
民主党はヒラリーが中国から大きな支援を得ている。ハリウッドには中国の資金が入って中国からの指示を断れない状況にある。ヴェノナ文書という公文書がある。共産党がいかに長年ずっと敵対国家を内部から破壊しようとしてきたかという事を米軍情報部らが明かした公文書だ。ぜひYoutubeでその衝撃の中身を知ってほしい。ジョーカーで実現しようとしている世界とは、民主主義を壊し、表現の自由を奪う活動と繋がっている。そしてその先に中国の影がちらついて見えるのは自分の視座から見えるだけの事ではないと確信してる
これだけの意図を持って作られた作品にも関わらず、米国で上映できたのは、米国が表現の自由を何よりも優先しているからである。たとえその作品の意図が民主主義の破壊、表現の自由の弾圧に繋がっててもだ。それはこういう作品から得られるモノが人によっては意図以上の考えにまで至る道を用意してくれるからだ。このレビューがその一助になるとうれしい
この作品は良く出来ている。そしてそれが示すモノとは何を示しているのか
ジョーカーは誰によって生み出された?それこそがこの作品の価値かもしれない
ホアキン・フェニックスの独り舞台。マイナー日本映画にありそうな雰囲...
ホアキン・フェニックスの独り舞台。マイナー日本映画にありそうな雰囲気で始まりながらも、そのままいくわけはなく、でも、過剰になるわけでもなく。デニーロとのやりとりは、タクドラ思い出すと、そういう意図なのかなあとも深読み。
バットマン詳しくないけど良かったです。
過去に、劇場でダークナイトを見て興奮したことがあったので、期待して見ました。
ジョーカー誕生までの生い立ちというか、悲劇というか、理由付け(笑)というか、そういうお話ですが、割とすんなり受け入れられました。少し展開が遅くて、退屈な時間もありましたが、話も分かりやすくて面白かったです。
強いて言えば、驚きが少なかったことが物足りなさでしょうか。
精神状態のリトマス試験紙
見る人の精神状態で全く違った受け止め方になると思います。ジョーカーについて考えさせられるよりは、ジョーカーが自分自身にに深く切り込んでくるから、つらい時ほど刺さる気がします。すごい俳優さんでした、、、
うーん。良かった。
現実なのか、幻想なのか。ジョーカーなのか、魂が繋がるのか。
あれは誰?最後の足元は?
元々SFあるいはファンタジー。見る側が決めれば良いこと。
最後まで引き込まれた。良かった。
内容に期待しすぎたかも
ホアキン・フェニックスの演技は本当に素晴らしかった。
だけど、内容は思っていたよりも…
見た後に映画に引き込まれ、辛くなるという意見を多数見てたので覚悟いるのかな?と思ってみたところ特に覚悟も必要なかったし疲れもなかった。
過去の環境や周囲の人はとても酷いものではあったけれど、ジョーカーになった時は悪のカリスマと呼ばれるような人ではなくただの狂気的な殺人犯に感じた。
ジョーカー上映前のホアキン・フェニックスのインタビューを読み「今までのジョーカーとは全く別」というような話を聞いていたのでヒース・レジャーが演じたものとは別のジョーカーを思い浮かべ鑑賞したとはいえ、やはり私にはこれまでのジョーカーの方が絶対悪であり魅力的に感じる。
今回のジョーカーで特に最初の地下鉄で殺人をした後に動揺してトイレに駆け込んだり、元同僚を「優しかったのはお前だけだ」といって襲わなかったのも私の考えてたジョーカーだとありえなかった。
でも、個人的にはダークナイトや今までのジョーカーを知らずに見たらまた違う視点で楽しめたのかもしれない。
バットマンを見てたからブルース・ウェインが出てきた時も、ブルースがバットマンになる頃にはジョーカーの年齢が…とかも考えてしまったりしたので余計に。
社会や環境がアーサーのような人を出してしまうというストーリーの流れはわかりやすかった。
ヒーロー物を期待して観ると・・・
スピンオフでコレだけ質の高い映画を生み出す所が凄い。改めてハリウッドの底力を感じた。
描かれるのは貧困層の底無しの虚無感。何とか這い上がろうと、もがけばもがくほど貧しさにどっぷり溺れていく。一切の希望も見いだせないまま、自分の存在感を暴力に見出した主人公は、彼を貧困層のカリスマと祭り上げた群衆によって、怪物へと変貌を遂げる・・・
ヒーロー物を期待して観ると、余りの陰鬱さに失望するかも。デート向きではないですw
DC原作だがヒーローは出ないしアクションも無い。ただひとりの男が壊...
DC原作だがヒーローは出ないしアクションも無い。ただひとりの男が壊れていく話。
それが怖い。
序盤は少し退屈だが、ウエイン産業のDQN社員をヤっちゃてからラストまでの展開は凄かった。
ジョーカーになるまでは非力な精神疾患患者。 そこまでの話が長くて突...
ジョーカーになるまでは非力な精神疾患患者。
そこまでの話が長くて突然ジョーカーになっても違和感が残ってしまった。
それに、ジョーカーがまともに見えてしまうのもちょっと困る。
だけど、最後にバッドマントとの話の繋がりが見えて感動した。
内容は面白いけど、ジョーカー好きには分かれるかも。
あまりにも凄いというレビューが多かったので映画マトリックスほどの期待感をもって映画館へ行った
us版予告が良かったのと、とにかく凄いというレビューが多かったので映画マトリックスほどの期待感をもって映画館へ行った
確かにホアキン演じるジョーカーの幼少期からの生涯には不幸が付きまとっていて気の毒に思うけれど
社会から逸脱する事で自ずと意気揚々と生きる道を見つけたので、結果的には他者には迷惑な話だけど、本人にとっては良かったんじゃないかなという感想
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