「ジョーカーの悪の本質に迫る衝撃作」ジョーカー みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョーカーの悪の本質に迫る衝撃作
予想を遥かに超えた凄い作品だった。アメコミヒーロー・バットマンの悪役として有名なジョーカーの誕生秘話を、一切の虚飾を排除した容赦ない描写で綴っていく。悪役の誕生秘話を描いた作品は多いが、そういう作品とは全く異質な衝撃作である。
主人公・アーサー(ホアキン・フェニックス)はゴッサムシティで年老いた母と暮らす、孤独で優しい青年だった。彼は、笑顔で人を楽しませなさいという母の言葉に従って、ピエロとして生計を支え、コメディアンを目指して必死に生きていた。しかし、それでも貧困から抜け出せず、彼の心は次第に荒んでいく・・・。
全編、心地良い気分になることはないが、衝撃的な展開に画面から目を離すことはできない。格差社会、貧困、差別、社会への不満など、現代社会にも当てはまる負の要素を背負って、主人公は生きている。それでもなお、前向きに生きようとするが、度重なる理不尽な出来事が、主人公を次第に追い詰めていく。生きる選択肢を一つまた一つと消していく。
主人公役のホアキン・フェニックスが、時に体全体を使った激しい演技で、時に表情だけの繊細な演技で、変幻自在に主人公の心情を演じ切っている。非常に難しい役どころを見事に熟している。
本作で象徴的なのが、階段のシーンである。前半、主人公は、家路に着くために、肩を落としながらも黙々と階段を上っていく。その先に善なる未来があることを信じて。終盤、今度は、その階段を軽やかなステップを踏みながら下りていく。受難の果てにどう生きていくかを定めた姿に開放感が溢れている。
主人公のジョーカーへの変貌を肯定はできないが、否定することもできない。主人公は悪を自ら選んだわけではない。悪にしか生きる選択肢がなかったのである。生きるために悪に辿り着いただけである。それ程に、主人公の受難は、壮絶であり救いがない。
本作は、受難の果てに悪に辿り着いた男の壮絶な半生を通して、悪の本質に迫る問題作である。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
コメントと共感ありがとうございます。
悪として生きるしかない壮絶な境遇でしたね。
それにしてもホアキン・フェニックスはジョーカーに
乗り移ってました。
2024年にはホアキンで続編が公開されるとか。
楽しみですが、これ以上の演技ってあり得るのでしょうかね。
心配になります。どうかご健筆を。
こんにちは。
これは、精神的に怖い映画でしたねー。思い出すとザラザラした嫌ーな感じが蘇ってきます。
戦争が起こっているこの時期、嫌ーな感じは、実戦争の映像を見せられるだけでお腹いっぱいになる自分です。
みかずきサマ✨
こちらの方こそ沢山のイイネとフォロー
ありがとうございます!
レビューは自分の為に書いてます。
記憶力が弱くて、映画や本など作品の内容を覚えていないことが多々…
その時はめちゃくちゃ感動して目腫らしてるのに忘れてしまってるのが辛くて、ここに書き留めています。
私の周りには共鳴者が居ないので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m