「悪役もヒーローも表裏一体」ジョーカー あささんの映画レビュー(感想・評価)
悪役もヒーローも表裏一体
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不遇な生い立ちと、幼い頃の虐待ネグレクトによって精神病を患ったアーサー。下層級の不幸で気弱な精神病疾患者が残された救いは“笑い”なんだ。
愛する“道化師”の仕事さえも奪われたら、それこそ死ねというのか!!
これだけ多くのマイナスと不幸が重なり“ジョーカー”が生まれてしまったのだ。
一方でアーサーは年老いた母の面倒を献身的に見る優しいところがあったりもする。
誰だって悪役になりたくてなったわけではない、“ならざるを得なかった”という背景があるんだと本作を通して気付かされる。
生きていると、自分より幸せそうな境遇の人や才能を持つ人に対して嫉妬するし、嫌なこと不幸が続くと投げやりな気持ちになってしまうことが誰にでもあるのではないだろうか。
だから本作は多くの人から共感を得ているのかも。分かるよ、ジョーカーの気持ち。
笑いと怒り、悲しみ
正義と悪
現実と妄想
この世のものは全て表裏一体
ジョーカーだってある人たちにとってはヒーローなんだ!
どこからが現実か、アーサーの妄想なのかという線引きが難しいのが本作の特徴だが、鑑賞者に判断を委ねているのだろう。最後の民衆の逆襲は現実であってほしい。
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