「この作品を一生忘れることはないだろう。 DCコミックの悪役の誕生秘...」ジョーカー wkchanさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品を一生忘れることはないだろう。 DCコミックの悪役の誕生秘...
この作品を一生忘れることはないだろう。
DCコミックの悪役の誕生秘話にしては余りある内容だ。
未だかつてこんな感情を抱いたことがあっただろうか。
悲惨で恐ろしい映画はごまんとあるが、この作品は全然種類が違う。
ゴッサムシティ、ホワイトフェイス、ジョーカーの不気味でセクシーなダンスとときどき垣間見える彼の上品な所作、そしてどうしようもない絶望。
それらがスタイリッシュな映像で映し出されるとともに、途中何度かフランク シナトラの“That's life”が流れるが、希望とユーモアを感じられるそのメロディに余計に心がかき乱される。
恐怖と悲嘆にくれて目に涙を溜めながら無理矢理笑ってみるような感じ、とでも言えば少しは説明がつくのではないか。
もしかしたら、それが「道化」の正体なのか。
それからもうひとつ、孤独と貧困がもとになっているであろう犯罪は私たちの社会でも現実に起きている。
これはけっして対岸の火事ではないということも深く心に留めておかなければ。
最後に、主役のホアキン フェニックス、監督のトッド フィリップスには最高の賛辞を贈りたい。
コメントする