劇場公開日 2019年10月4日

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「業の深さ」ジョーカー now loadingさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5業の深さ

2019年10月11日
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鑑賞方法:映画館

まずホアキン・フェニックスの人間的な奥行きに驚かされます、演技から垣間見れる業の深さとでもいいましょうか。何故なら、貧困や狂気を実際に生きた経験がないと醸し出せない演技をするからです。
物語はというと、世の下位層の不満を代弁したかのようです。そういうと大袈裟かもしれませんが、少なくとも富裕層は冷や汗を掻くことになるでしょう。まるで恵まれない人間への鎮魂歌の様でもあります。
日本には天は人の上に人を作らずという言葉があります。しかし、それは、まやかしで実際には人の上に人はいます。それどころか弱者であるほど搾取され、あらゆる悪条件を飲まされ選択の余地を奪われてしまいます。
この映画の残酷なところは、何かの歯車一つでジョーカーが幸せに暮らしたり、夢を叶えたりするもう一つの現実が見え隠れするところです。その幸せな世界からは、ことごとく分断され、梯子は外され足枷を外すことができません。それでも人生を喜劇と捉える主人公が痛々しくてなりません。
その様子に私達は、心を締め付けられることになります。

点数を付けるのも野暮ですが、本作に92点を付けたい。ビューティフル・デイは78点くらい。

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