「骨ばった背中とダンス 加筆」ジョーカー talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
骨ばった背中とダンス 加筆
やっと2回目鑑賞(11/29)。チェロ演奏と全体の構成の素晴らしさに気づくことができた。どれがアーサーの妄想でどれが現実か、遅ればせながら分かった。でも分からないのもある(観客に任せられている?)。または全部が妄想?
ホアキンのかっこよさ、アーサーの孤独、両方にやられた。
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ガリガリの背中と、なめらかなのか、ぎこちないのかわからないダンスと、走る姿と古き良き時代の音楽が頭から離れない。階段、鏡、化粧しながらの涙、倒れて左胸の薔薇から吹き出た水も強烈で忘れられない。
豊かと貧困、拍手と怒号、「普通」と「普通」でない、嘘と本当、虐めと優しさ、笑いと怖い、話してるのに聞いてくれない、全部が隣り合わせのこの町は虚を超えた現実の私達の町。余韻が大きすぎて頭がまだ混乱状態。この映画がきっかけで暴動が起きるのではとアメリカで懸念されてる。そういう世界にした言い出しっぺは誰?
頭、混乱してるけどこの映画好きだ。
talismanさん、コメントありがとうございます。
公開時あまりに話題になっていたので映画館で観ましたが、トッド・フィリップス監督の階段の演出とホアキン・フェニックスの憑依したような演技にとても感服した映画でした。例の流行り病が流行する前です。偶然ですが、時代を映した作品と思わざるを得ない内容ですね。
この演出で連想したのが、フリッツ・ラングの傑作「暗黒街の弾痕」です。数える程しか観ていませんが大好きな監督です。というかドイツ表現主義の巨匠ですね。光の演出と構図の無駄の無さが絶品です。この技巧が蘇ったと思い、思わずニンマリしてしまいました。
沢山の共感ありがとうございます。
この作品は主人公の気持ちに共感出来なかったことです。気持ち悪さの方が勝ってしまったため奥深いところまで行き着かなかったのかもしれません。