「分断したアメリカからのSOS」ジョーカー タランティン・クエンティーノさんの映画レビュー(感想・評価)
分断したアメリカからのSOS
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かなり期待して観に行ったのだが、個人的にはあまり刺さらず・・・
その理由ははっきりしており、「この映画のメッセージがあまりに直接的すぎる」からだ。
言っている内容はごもっともだと思うのだが、延々とお説教をされている気分に・・・
もう少し巧みに織り込んでもらったほうが個人的には心が動く。
特に最後の方のシーンでは、「ダークナイト」が巧みに伝えていたメッセージをこの映画ではジョーカーが全部そっくりそのまま喋ってしまう。
ただ、おそらく、今のアメリカはこれぐらい直接的なメッセージを発しないといけない段階まで来てしまっているのではないかと思う。
「わかる人がわかってくれればいい」なんていう段階はとうに過ぎ、「観に来た人が誰でもわかるレベルの警告を発しないといけない」という段階に入ってしまったのではないか。
そう考えるとこの映画はアメリカの悲痛なSOSともとれる。
この映画で良かったと思ったのはやはりホアキン・フェニックスの素晴らしい演技だ。
また、妄想が現実を侵食していく部分の演出も気が利いていたのも良かった。
この映画は結局のところ、あくまで「ヴィラン誕生を描いたアメコミ映画」として観るのが一番良いと思う。ひとときの娯楽としてみれば充分楽しい。
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