「予告編を超えていませんでした...」ジョーカー bukojiさんの映画レビュー(感想・評価)
予告編を超えていませんでした...
予告編を見た時は、ホアキンの役作りの完璧さやカメラワークの情感、音楽、等々で早くもヤラれてしまい、トレイラーだけでウルウルして、勝手にハードル上げまくってました。。
個人的結論は、ヒューマンドラマとしてもクライムアクションとしても、退屈な映画でした。
いろいろ趣向を凝らした演出の意図はホアキンのインタビュー(ダンスすることの趣旨、タバコを吸うこと...等)で話されてましたが、それら1つ1つが分かりにくかったり、軽かったりで、期待値を超える名作には至ってない印象です。良く出来てますが、あのダークナイトを超える名作ではないと思います。
ダークナイトを超える可能性はあった題材と思います。だけどDC世界との関係上、プロットに乗せられずボツになったアイデアも沢山あったと思います。正直、あんな矮小な動機付けでアーサーが稀代の大悪党ジョーカーになったとは結びつきません。ジョーカーが本来持つスペックと通じるフックがないまま、ただの貧困と不幸にまみれた中年男の逆ギレ人生を追ってるだけで、DC世界を盛り上げるファクターとして弱すぎます。
またヒューマンドラマやサスペンスとしての立て付けも、いまいち「え?」なエピソードが多くて疑問でした。ランドルがアーサーに拳銃を渡した意図も不明瞭だし、アーサーがソフィーをそこまで気に入る理由や経緯も適当で、ソフィーがアーサーのそばに居るシーンの方が不自然でした。(その不自然さこそ狙い、とも言えますが、その後のネタバラシ的演出を見ると「え、そーだったの!?」より「うん知ってた」くらいの生ぬるいリアクションしかできません..)
たしかにホアキンの演技と役作りは完璧でした。でも宣伝側の、本作を「怪作」「怪演」というキーワードで押そうというコンタンが見え見えで、そこもまたイヤな印象です。R指定するほどのシーンもそれほどなかったですし。(もっとヤッてくれると思ってたのに..)
長々と書きましたが、要は勝手に期待して勝手に失望しただけの逆ギレレビューです。
いろんな前情報や先入観なくフラット見れた場合は、また違う印象かも...と思いました。