「「狂人」というより「世界が憎い犯罪者」??」ジョーカー 映画の子さんの映画レビュー(感想・評価)
「狂人」というより「世界が憎い犯罪者」??
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ジョーカー 【IMAX 2D】
鑑賞日 2019 10/4
アメコミ映画がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞するという異例の事態が起きたことや、ツイッターでの試写会組での評価がとても高かったので大いに期待して鑑賞。まず、自分の目にはこの作品のジョーカーは、「狂人」というより「世間に強烈な憎しみを持った犯罪者」に写った。また、過去のバットマン作品や、「スーサイド・スクワット」ではジョーカーに関して、「何も情報がない」ということや「凶行の動機がない」ということが「狂人」っぷりを加速させて鑑賞者に恐怖を与えていたのに今作では動機も生い立ちもわかってしまうので、あまり「恐ろしさ」というものを感じることができなかった。だが、ホアキン・フェニックスの演技はこれらの残念な箇所を吹き飛ばせるくらいに素晴らしかったし、流れる不協和音だらけの音楽がさらに臨場感を与えてくれていた。結局、テレビ番組に招待されたあたりから全てジョーカーの妄想だった、という解釈でいいのだろうか?これにきっと答えはないだろうし、「アメリカ社会への風刺映画」と捉えるか「1つのヒーロー映画のスピンオフ」と捉えるかは鑑賞者の自由、つまりこの作品は鑑賞者に考察や推測をさせるためにある、とも自分は感じた。
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