劇場公開日 2019年10月4日

「内側から胸を掻きむしられるような」ジョーカー ヨコヨコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0内側から胸を掻きむしられるような

2019年10月4日
iPhoneアプリから投稿

孤独とやるせなさを感じた。静かに確実に忍び寄る奈落への入り口。でも最後まで、決してアーサーが狂っているとは思えなかった。おかしいのは社会と世間で、その報いを受けるのはウェインのような富を搾取する富裕層たち。だから暴力を振るったっていいんだ。
これってゴッサムシティだけじゃない、日本にも世界にも蔓延している不満。現代のネットや、ほら、あなたのスマートフォンの中にも。画面をなぞるその指の先にも。どこにだってある。

ジョーカーは悪の華とも呼ぶべき存在だけど、果たして、本当に狂っているのは誰? 世間? 社会? 仮面を付けて騒ぎ立てる人たち? それを問われているような気がした。悲哀の先に開いた白塗りの徒花を、だから私は笑えなかった。優しいハグとあたたかい言葉さえあれば。彼が求めていたのは、たったそれだけだったのに。あの長い長い階段を昇って家に帰れば、まだ人でいられた。踊りながら階段を下り、ジョーカーとして覚醒してゆく場面の巧さに唸った。暴徒が取り囲む中で最後にアーサーが見せた仕草に、心底ゾクッとさせられた。ああ、アーサーは死んだ。そしてジョーカーが生まれた。生まれてしまった。
ホアキンは素晴らしい役者になった。きっと兄のリバーも喜んでいると思う。

ヨコヨコ
ヨコヨコさんのコメント
2019年10月7日

若い頃のホアキンは写真によっては目元が似て…なくもないかな? ご両親が多国籍な血を引いているようなので、兄弟それぞれ違う方向に個性が出ているのかもしれませんね。

ヨコヨコ
Kayoさんのコメント
2019年10月7日

余談ですがホアキンって若い時から全然お兄ちゃんに、(顔)にてないんですが!何か出生の秘密でもあるんでしょうか!カリスマのある兄弟ではありますが!

Kayo