劇場公開日 2019年10月4日

「フェニックスといえば、ホアキン」ジョーカー ユージーンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0フェニックスといえば、ホアキン

2019年10月4日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

近ごろのDC作品は、マーベルを意識しているのか、ややコメディ色が強く、あまりぱっとしないものばかりでした。スーパーマンやバットマンがシリアスだっただけに、DCに軽妙さは要らないな、と感じていました。

今作は、まさに自分が好むDCらしい作品でした。

これまで様々な名優が演じてきたカリスマ的悪役、ジョーカー。そんな彼がいかにジョーカーとして覚醒したかを描く今作で主演を演じたホアキン・フェニックス。彼の演技は、ほんとうに素晴らしいかったです。若いころは、彼のお兄さんであるリバー・フェニックスの陰に隠れてしまっていたような印象でしたが、「her」のころから徐々にその存在感を増していき、今作で、すっかり兄の威光を打ち消したように思います。

個人的には、「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーにも匹敵する、素晴らしい演技だったと思います。

脚本もまた、見事でした。

主人公であるアーサーの悲惨な境遇には同情し、世間の醜悪さに対する感情には同調しました。

彼のおこないが善なのか悪なのか、それはわかりません。ただ、もしかしたら自分も、なにも失うものがなくなったとき、同じような行動に出てしまうかもしれないな、と思いました。きっと、あなたも。

ユージーン