「周りの人々が、世界の不満がジョーカーを表舞台へ押し上げる。」ジョーカー 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
周りの人々が、世界の不満がジョーカーを表舞台へ押し上げる。
バットマンの悪役として有名なジョーカー誕生までの秘話を描く。(バットマン側もあるよ。)
内容は予告編にて想像出来る内容ですので、ドンデン返しを期待する方はご注意を。
今回、ホアキン・フェニックスは過去ジョーカー役を演じたジャック・ニコルソン、ヒース・レジャーに劣らないほどジョーカーを演じ切ったと言えるでしょう。
あのカラフル(赤、橙、緑)なスーツが断然カッコいい。
ジョーカーになる前のアーサーだが、今回描かれた人生が哀しすぎる。痩せ過ぎたあの身体と甲高い笑い声は見事。
彼の人生何もかもを全否定される様な描写は心打たれる。
しかし、その妬みや僻みを肥やしにしてアーサーは自己的にジョーカー化している訳では無い。
同じ様に考える周りの人々が、世界への不満が、ジョーカーを表舞台へ押し上げている。そうこの映画では感じるのです。
周りが共感が出来る。だからこそ、ジョーカーがヴィランなのに愛されるのでは?とこの映画で再認識させられました。
ロバート・デ・ニーロ扮するマレーとのクライマックスシーンは特に良かったです。TVならではセンスも有り。
イジリを勘違いしてイジメを行っている奴らはゾッとするでしょうw
褒める事ばかり書きましたが、私星評価はまずまずです。
アーサーの不幸話に面白みや深みが足りないし、もっと周り(隣人のシングルマザーなど)が絡んでも良かった気がします。
また、ラストシーンは右側の窓を爆破でぶっ壊して頂きたかったから。(ああいう妄想ラストだっただけに。)
ジョーカー&バットマンシリーズ好きは楽しめると思います。
追記、
もっとも、バットマン過去作を知らないと、一部シーンの意味が
分からない部分もあります。バットマンの正体の名前、ブルース・ウェイン
とその一家豪族ウェイン家、町の名前ゴッサムシティぐらいは頭に入れておいて下さいませ。
築地様、コメントありがとうございます。貴方様のレビュー映画内容傾向も考慮しコメント致します。私の主観も入ります。
大半の方はバットマンの1番の敵役として鑑賞している方が多いです。頭の良さ、キレ、思惑、バットマンの行動の先の先を読む能力。そんな性格を期待します。しかし、この映画にはそれがあまり関連ありません。知らない方が観ると、悪役になる前の彼の人間性、人間模様に心揺さぶられる方が多いです。
主人公が四方八方から否定される内容ですので、「自分がこの立場なら」と少し凹んでしまう人もいるようです。希望の光は見えません。
映像好きの面から言わせて頂ければ、劇場のワイド画面を上手く活かせている映画だと思います。
楽しい映画ではありません。涙する映画でもありません。彼の人生を考えてしまう映画です。
クライマックスシーンは過去名作に匹敵するシーンに見えるかも知れません。(残虐性あり)
私としては過去作で考えると「エレファントマン」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」系かなと思っております。(まあ、この2作には哀しさでは勝てていないと思っておりますが、)
映画にて心が影響されやすい方(共感して凶暴性が増したり、自分も社会からハブられていると思っている方)にはオススメ致しません。
更に周りに影響を及ぼす様な方はいますのでw
長文になりましたが、性別や年齢問いません。
ちなみに知り合いの夫婦の嫁さんの方から「知らなくても面白かった」と最近言われましたw
コメントありがとうございます。時計じかけデジタルリマスターですが、映像も音響もかなり良かったですよ。なにしろ大きいスクリーンで観るあの独特な世界観と、劇場の音響で体感するあの交響曲たちは最高でした笑 この機会に観ておくべき作品だと思いますw