「もっと長くできただろうが纏めている中編作品。」薄暮 くすのきさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと長くできただろうが纏めている中編作品。
クリックして本文を読む
福島県外出身だが、ファーストランが東京と舞台となっている福島でしかないことを知り、福島県の舞台の劇場で見ることにした。
体調不良のため中編映画の40分が限度と以前から監督は仰っていたようだが当初の予定より尺を伸ばして52分まで増やしたということは、販売されている小説とアニメの描写を比べるとも伺い知れることである。
内容はいわき市に住んでいたヴァイオリン少女が避難してきた絵描きの少女が出会い、交流し、一時の仲違いがあったとはいえ結ばれるというお話。
震災と絡めてはいるが、震災の処理や避難、原発の是非などは論評はせず背景を描いているのみである。
エンターテインメントとの両立で最大公約数的には受け入れやすい演出には監督自身は苦心を感じたとは思うがうまく描いているだろう。
表面的には大人気の吹奏楽部より小ぢんまりと活動している弦音楽の音楽部での青春、佐智と祐介の恋愛物語が流れているが、深層には震災のテーマが流れていると感じた。
観賞後、アニメの舞台となった喫茶店、コンビニエンスを回ることにした。忠実にロケハンされていることを感じた。作画、美術や演奏シーン含む作画も単館系の商業劇場映画として申し分ない。
傑作。☆5
コメントする