「阿岐本組メンバーのキャスティングの妙」任侠学園 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
阿岐本組メンバーのキャスティングの妙
かつては任侠物や暴力団の抗争を描く映画が定番ジャンルとして興隆していたが、反社会的勢力に対する規制と批判が高まるにつれ、直球でヤクザを描く劇映画が衰退。その穴を埋めるかのように、任侠物と学園物を組み合わせた変化球の喜劇が映画でもテレビドラマでも時折作られるようになった。本作もそうした流れをくむ一本だ。
日村役の西島秀俊は、コミカルな演技がそれほど得意ではない。だから自分から笑いを取りにいくような芝居はさせず、西田敏行、伊藤淳史、池田鉄洋という存在感でも台詞回しでも笑える状況を作り出せる演技達者たちを阿岐本組のメンバーとして周囲に配置。彼らの無理難題や突飛な言動に日村が困惑し振り回されるという、受けの演技で喜劇の場面を創出した。
中尾彬、高木ブーの使い方がちょっともったいない。出来は良いので、ヒットしてシリーズ化されることを期待する。
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