「どこから見ても特等席!」ロンドン版「The King and I 王様と私」 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
どこから見ても特等席!
舞台がそのまま収録されている、ということで間に休憩もあったり。
程よいヨリとヒキのショットで構成された全編は、臨場感たっぷりだった。
知っている王様と私はユル・ブリンナー版だ。小さかったので物語は全く覚えていないが、キングには高圧的なカリスマ、という印象があった。
渡辺謙、演じる今回のキングはそれが記憶違いだったのか、とてもチャーミングで笑うところもふんだんにある。イヤな奴ではあるのだけど憎めないという、とても親しみの持てるキャラクターだった。
ミュージカルとして逃せない歌も抜群。そこへもってして豪華な舞台美術に幻想的な衣装が合わされば、文句なしのエンターテイメントだ。
世はハラスメントや差別と神経質だが、それもこれもファンタジーとして存分に酔える仕上がりだと感じている。
しかもどこから見てもスクリーンと言う視界は特等席。
非常に満足。
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