「題材は好き」おいしい家族 Rubysparksさんの映画レビュー(感想・評価)
題材は好き
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監督が若い女性で、自らも養子というバックグラウンドであることをきき、また題材もいいと思ったので観にいきました。その若さと長編初監督ということで、少し下駄をはかせて星3つ。
こんな風に人が人に対して寛容なら本当にいいだろうね、というユートピアが描かれているのだけど、その背景や必然性が描かれず、ご都合主義の作り話感が拭えなかった。
リアリティって大事ですよね。一見ありえないことでも、それがもう存在することを信じて疑わないって観客が思うくらいのものを見せてくれるのが、監督の仕事ではないか。自分の頭の中のリアリティで完結するのでなく。
いい場面はたくさんあって、泣けるし、実際に何ヶ所かで泣きました。なのだけど、なぜかどっぷり浸れず。違和感がところどころにあり。入り込めなかった。いかにも泣かせる台詞に泣かされたという感じか。
最初の2人のシーンから、結婚式の場面をもってしても、あの2人がお互いかけがえのないパートナー(結婚までするほどの)であることが、あくまで「設定」でしかなく、その空気感はあまりリアルに伝わってこなかった。
仲のいい居候ではなく、わざわざ夫婦になることについて、色々と台詞で説明しようとしてるのはわかるんだけど、、、その設定を成り立たせるための台詞で説明されてる感が拭えず。
主人公の演技が研修生のワークショップを見ているようだった。それ以外の俳優さんはとてもリアルで良いと思った。
すごくいい題材だし、監督が表現したいこともなんとなくわかるだけに、作品ではそれが観られず残念。でも、この映画に関心ある人には、自分の感想は言わずに「ぜひ観てみて!」と勧めます。こんなレビューでごめんなさい。
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