「おいしくも大きな愛の作品です。」おいしい家族 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
おいしくも大きな愛の作品です。
予告編とか全く観てなくて、前情報も無く、ポスターの画像から、なんとなく面白そうに感じて観賞しましたw
で感想はと言うと、結構当たり♪
こういう思いがけない当たりに出会えたりするからこそ、ミニシアター系の作品はフットワーク軽くして観に行くと良い事があるし、楽しいw
東京の暮らしに少し疲れ、旦那とも別居中の橙花は母親の三回忌に地元の離島に久し振りに帰郷するが、そこには亡き母のワンピースを着た父親とそれを普通に受け入れている家族。
そして父親と結婚すると言う男性と連れ子の娘が現れ、“お父ちゃん、お母ちゃんになるわ”と宣言する。家族も島の住民も皆 普通にそれを普通に受け入れている。橙花は戸惑いを隠せないが、それぞれと触れあっていく内にいろんな事が理解出来ていく…と言うのがなんとなくのあらすじ。
もう、ツッコんだら負けぐらいにツッコミ所は満載ですが、この作品はそのツッコミたくなる様な違和感を包み込む優しさと言うか、雰囲気を楽しむのが正解の作品かなと。
父親の板尾創路さんがのっけからワンピースを着て、ラストには和装の花嫁衣装を着ているのはコントとしか言いようが無いんですが、ゲイと言う訳ではなく、もう大きな愛の持ち主なのかと。
大きな愛がそうさせたんですよねw
そうとしか言い様がないのは、板尾さんが男性を愛する描写や仕草が女らしいと言うのは殆ど無く、振舞いは女性テイストを感じられても、動作はがっつりオジサンで、歩き方や姿勢は少し疲れてはいるが一家の大黒柱なんですよねw
どうしてこうなったとか、何故男性と結婚しようと思ったと言うのは、さほど説明されてなく、だからと言って、LGBT問題の1つなんですが、だからどうしたと言う感じで笑い飛ばせると言うか、大した問題にしないおおらかさ。
島の気候や風土も相まって、沖縄の“なんくるないさぁ”的な雰囲気が心地好いです。
手作りの料理もどれも美味しそうで、食事の途中におはぎを食べるのには、なんか変な感じがしてもしみじみ良い感じ。
手作りのおはぎは愛情の形なんですよねw
三回忌の前に食べてる素麺といろんな天ぷらも美味しそう♪
キャストもなかなか良いです。
橙花役の松本穂香さんは若いのに落ち着いたベテラン感があって、若い頃の松たか子さんに似てるかな?
ダリア役のモトーラ世理奈さんは小松菜奈さんみたいでなかなかカッ飛んだ感じが良いけど、綺麗に見えるのと時折ブサイクに見えるのが極端な時がある不思議な女優さんですw
個人的に気になって、良かったのがハマケンこと在日ファンクの浜野謙太さん。
結婚寸前とは言え、我が家の様に普通に立ち振る舞って遠慮の欠片が見えないけど、裏表の無い感じがとても良いです。
イイヤツなんですよね♪
ちょっと、“ん?”な感じがしたのが三河悠冴さん演じる瀧。皆が普通に受け入れてる板尾さん演じる青治が高校の校長がワンピース姿に唯一“なんかおかしい”と異を唱えたけど、自身が素直になる事をに青治から感銘を受けて、可愛い女の子の格好をするんですが、なんか作中でも違和感を感じるんですよね。
瀧が1つのキーポイントになる筈なんですが、ちょっと板尾さんの達観しきった振る舞いとのギャップが生じるのと、瀧とダリアのダンスシーンは取って付けた様な青春映画の表現に青春映画なのか家族愛の映画なのかは分かりづらくブレた感じがしましたが、如何でしょうか?
あと、細かい事ですが、青治が和生を橙花に紹介する時に“結婚するんだが、小さい島だから、いろんな事を言う人もいるから、和生は養子として迎え入れるんだけどな”と島特有と言うか、閉鎖的な空間での偏見に対しての配慮の筈なのに、ラストでは島の住民、ほぼ総出みたいな人数での浜辺での披露宴には“養子にする配慮での気遣いはなんやったんや!”と声を大にしてツッコんだぐらいの大きなお披露目でしたw
違和感と言うか、なんか変的な感じが全編に漂いながらも優しい雰囲気が漂って、いろんな事に気遣い、振り回されて、疲れていく中に「自分は自分。他人は他人。だからこそ、否定するのでは無く、受け入れる事が大事」と感じさせてくれた優しい映画です。
勿論、島での生活はそんなに優しくないと思いますがw、そこは板尾さんの花嫁姿と相まってファンタジーで良いかとw
クスッと笑わすし、ホロッとさせるし、ちょっと変な感じがするし、でも観て良かった作品です。
結構お薦めですよ♪
きりんさん
コメントありがとうございます。
瀧のエピソードにはそう言う流れがあったんですね。ありがとうございます♪
お薦め作品お教え頂き有難うございます♪
「わたしはロランス」はかなり高評価の作品ですね。
フランス映画は結構好きなので、観てみますね♪
また、お暇な時にでも覗きに来て下さいね。
コロナの影響でまだまだ大変な日が続きますが御自愛下さい。
こんにちはー
イイね!ありがとうございました。
「瀧くんのエピソード」は物語の中で少し浮いているなと思ったのは僕も同じでした。そしたら案の定今回の映画制作に当たって付け加えられた部分なのだと。
違和感は当たりでしたね。
でもすべてが“白日夢”のような展開でしたから、まあこれはこれで良いのかと(笑)
マツマルさんにオススメの映画は
「わたしはロランス」。フランス映画です。
こちらも学校の先生がスカートに挑戦するお話ですが・・今回の「おいしい家族」とは正反対の、現実直視の激しいやり取りが見ものの映画。でも超面白いですよ。
機会があったらどうぞ🎵