「人間か否か」ボーダー 二つの世界 ヒックス伍長さんの映画レビュー(感想・評価)
人間か否か
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スウェーデンの税関職員ティーナは何らかの罪に関する事柄を匂いとして嗅ぎ取るという特殊能力を持っているが、と同時に自分の容姿にコンプレックスも抱いていた。
いつものように税関職員として違法物所持を検挙するが、それが児童ポルノだったことからルート摘発のために捜査に協力をする。
そんな折、いつもの税関にて自分と非常に容姿の近い怪しげな男ヴォーレから何かを嗅ぎ取るが、成り行きで親しくなって行くうちにヴォーレに恋心を抱き、さらに自分のルーツを聞かされることでティーナの運命は翻弄されていく。
前半の動物と触れ合うティーナを見ていると、もっと牧歌的なストーリーなのかと思ったが、ヴォーレ登場後の展開がまさかのクライムサスペンスとは恐れ入った。
もちろん動物との触れ合いもある意味伏線なんだが、ティーナやヴォーレがまさに人間ではない種族であり、ティーナ自身の生態や出生の謎までがサブストーリーの展開と上手く重なることでより見応えのある作りになっていると思う。
もちろん予算的な都合や原作との兼ね合いもあるだろうが、後半からラストまでをより壮大なホラーやファンタジーなどの感覚で描かず、あくまでティーナとヴォーレの運命的な出会いと別れ、そして彼女たちの近辺で起こった幼児誘拐事件上のストーリーで描いている点がすごく面白くて好印象だった。
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