劇場公開日 2019年9月6日

「説明セリフ調のネタ明かしは、映画の悪い演劇調の見せ方。」台風家族 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5説明セリフ調のネタ明かしは、映画の悪い演劇調の見せ方。

2025年4月30日
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鑑賞方法:VOD

単純

昔葬儀屋を営んでた藤竜也ジィジが、銀行強盗後に、
榊原るみバァバと共に行方不明。
すでに自立してた、子供たち4人兄弟は「加害者家族」として有名人に。
数年後、失踪宣告から死亡確定、
なんちゃって葬式、遺産相続、財産分与。
そこから始まる、登場人物全員クズの展開へ。
世界に兄弟喧嘩を伝えよう、YouTube生配信の輪。S●X生配信も実施中〜。
\(^o^)/

物語を展開させる為、数々の仕掛けを用意してるが、
ことごとく消化不良で不発気味。
財産分与という、人間の本性が最も露呈するであろう仕掛けを施し、
兄弟のクズっぷりが徐々に露わになるのだが、それもイマイチ振り切れていない。

4人兄弟で一番社会的に成功してる次男坊の新井浩文が、
映画上映前に、一番社会的にヤバい騒動をプライベートでやらかす、
いわくつき作品にもなってしまった。

これだけ不発が続けば、違和感だらけの粗探しになるのは必定。

YouTube生配信のくだりは、結局どうなった?
遺体骸骨はなぜ数年間も今日まであそこにあった?
骸骨を見つけた瞬間、川に流されるのは奇跡?
違和感は、没入感が弱いから気になるのだ。

酷いジィジ(父親)扱いだった藤竜也が、
実は一番家族思いで息子思いという設定も、ありきたりで鼻につく。

そういう「実はこうだった」みたいな人間模様部分の見せ方も、
説明セリフ調の中で示されるだけなので、映像作品としての巧妙さを感じない。
こういう現象は、演劇によくある演出なので、
映画ファンはこういう現象が垣間見えると、意外と拒絶反応を示す人が多い。
彼らに言わせれば「だったら映画じゃなくて演劇でいいじゃん」、
という結論になってしまうからだ。
説明セリフ調のネタ明かしは、映画の悪い演劇調の見せ方になるのだ。
ゆえに、巧妙な展開でテンポよく見せないと不満が溜まるのだ。

まあ、我慢して見続ければ、色々変だなぁと思う所はあるけれど、最後はまあ、めちゃくちゃでみんな笑ってたエンディングだから、まあいっか。
というような、妥協の産物みたいな終わり方だった。
まぁまぁまぁ、まぁいいんじゃない?みたいな。

個人的な所の違和感でいえば、
あそこまでMEGUMIが濡れ場で頑張れるなら、
もう、おっぱい出すとこまで行こうや、と思った。
ヽ(`Д´#)ノ

良かった演者
MEGUMI
若葉竜也

ソビエト蓮舫
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