「近場ばっかでしょぼない?」最高の人生の見つけ方 erimakiさんの映画レビュー(感想・評価)
近場ばっかでしょぼない?
・全体の印象
泣かせにくる描写ばかりでその感動を煽るための障壁が少ない、と感じた。加えて違和感のラインを超えるような無理のある設定が多く、それがまた私を冷めさせる要因となった。総じて退屈だった。
・旅って国内ばっかでしょぼない?
もちろん日本国内を旅すること自体がしょぼいと言いたいわけではない。
エジプトやスカイダイビングだとかまるで世界中の絶景を巡るかのような予告を見て観たいと思ったのに、意外と国内ばかりでめっちゃ近場かい!っていう肩透かしは正直あった。まあ勝手に私が期待を抱いていたわけだけど。
それでも死ぬ直前にこれだけは!何としても!成し遂げたいんじゃ!!っていうテンションでももクロのライブとか京都とか長崎とか流石にスケールが小さい気がしたのは否めない。もっとエアーズロックとかイースター島とかウユニ塩湖とかありとあらゆる秘境を見せてくれるのかと早合点した。あ、そういう映画じゃない?まあ勝手に私が期待を抱いていたわけだけど。
・「違和感ライン」の数々
副社長の30億(?)もの投機を知ってて見逃していたってどんな経営者だ
赤の他人に200億の相続ってんなアホな
あっさり心を開く引きこもりの息子
重病の少女が実は生きていたという設定
もともとできない逆上がりを質量増加した大人が初めてできるはない
末期癌で宇宙ってどんな訓練受けたんだ(←追記:確認したら主人公本人が宇宙に行ったものだという私の勘違いでした)
イチャテラ
・ムロツヨシは良い
最近だと「ダンス・ウィズ・ミー」でも感じたが、ムロツヨシはいつもいい緩衝材として機能している。もし彼がいなくて主役の女性二人ばっかりだとどうにも重い過去や現状に鬱屈しすぎてぎこちのない絵になってしまうだろう。しかし彼の愛嬌あるキャラとファニーな描写によって適度に柔らかい印象をもたらしている。
・提案
例えば「障壁」として「家族や会社をおざなりにして好き勝手散財をする常識のない女性二人」という点を強調して責めてくるようなキャラがいて周りの登場人物もそれに同調して皆が彼女らの敵になる。社長は有名人であるから世間にも叩かれたり追い詰められそうになる。副社長の増長っぷりだとか引きこもり息子のグレっぷりがエスカレートするなど観客に「このままじゃヤバイよ」って焦らせる要素を最大限引っ張り出す。
そこまで至って初めて重病であることが露呈、改めて二人の大切さや、時にはハメを外して羽を伸ばすことの大切さを問いかけるとか。
幼い少女が、エアーズロックとかイースター島とかウユニ塩湖とかに行きたいと思うかどうかは疑問に感じます。
大人の主観や価値観だけで、映画の評価を下げるのはどうかと思うのですが。。。
12歳で死んだ(ことになっている)女の子の夢なんだから、充実して生きている健康な大人からしたらショボく感じてしまうのなんて当たり前です。それを死ぬ間際の二人が頑張って叶えたんです。あなたのレビューは悪いところばかりを見て、純粋にその作品を楽しもうともせず、しかも内容も良く理解できていない感性の薄いひとだと感じました。映画見ない方がいいですよ。