「”善意”に翻弄される人々」町田くんの世界 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
”善意”に翻弄される人々
脇役を主役級の俳優で固めて、主役が無名とは斬新だなあと、思っていたが
なるほど、こうでなきゃいけない理由があったのか。
町田くんの存在は、この映画では”善意”そのものとして描かれている。とにかく悪意のない存在。
そんな彼と、悪意に満ちた社会を知り過ぎてしまった周囲の人間との触れ合い。
彼に触れた人間たちは社会への希望を見出しだす。
だからこそ、彼は無名であり、裏では主である脇役こそが、主役級でなければいけなかったのかもしれない。
それぞれのキャラクターも良かった。
特に、汚れ切った池松壮亮がもうらしくてらしくて好き。
そして猪原さんが猪原さん過ぎてもう、どんどん可愛くなってくからそこも見どころ。
あと、がんちゃんが町田君と出会ったことによって、”想像力”を学んだのは素敵だったなあ。
ベタなセリフも「青春」をいい意味で感じられるし、ちょうどそれを俯瞰でみてくれる前田敦子の存在があったし、違和感なく見ることができた。
思い出したのは槇原敬之の「GREEN DAYS」(作者が何をしたとか関係なく超名曲)。
ザ青春な曲だけど、この映画と同じように、一度世界の悪い部分を十分に知ってしまったけど、それでも僕らは青春するぞって感じがダブりました。
(↓一部歌詞抜粋
"よかった この世界はサイテーだと誤解したままで
今日いちにちが終わらずにすんだよ 君といたからだ”)
うん、最高。腐りかけてる若者にこそ観ていただきたい映画。
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