劇場公開日 2019年6月7日

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「”善意”に翻弄される人々」町田くんの世界 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5”善意”に翻弄される人々

2020年4月20日
PCから投稿

脇役を主役級の俳優で固めて、主役が無名とは斬新だなあと、思っていたが

なるほど、こうでなきゃいけない理由があったのか。

町田くんの存在は、この映画では”善意”そのものとして描かれている。とにかく悪意のない存在。

そんな彼と、悪意に満ちた社会を知り過ぎてしまった周囲の人間との触れ合い。

彼に触れた人間たちは社会への希望を見出しだす。

だからこそ、彼は無名であり、裏では主である脇役こそが、主役級でなければいけなかったのかもしれない。

それぞれのキャラクターも良かった。
特に、汚れ切った池松壮亮がもうらしくてらしくて好き。
そして猪原さんが猪原さん過ぎてもう、どんどん可愛くなってくからそこも見どころ。

あと、がんちゃんが町田君と出会ったことによって、”想像力”を学んだのは素敵だったなあ。

ベタなセリフも「青春」をいい意味で感じられるし、ちょうどそれを俯瞰でみてくれる前田敦子の存在があったし、違和感なく見ることができた。

思い出したのは槇原敬之の「GREEN DAYS」(作者が何をしたとか関係なく超名曲)。

ザ青春な曲だけど、この映画と同じように、一度世界の悪い部分を十分に知ってしまったけど、それでも僕らは青春するぞって感じがダブりました。

(↓一部歌詞抜粋

"よかった この世界はサイテーだと誤解したままで
今日いちにちが終わらずにすんだよ 君といたからだ”)

うん、最高。腐りかけてる若者にこそ観ていただきたい映画。

JYARI