「優しさの哲学」町田くんの世界 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
優しさの哲学
もしも僕が 優しい人だったら
困ってる人は 全員助ける
見て見ぬ振りで素通りして
惨めな気持ちになるのは、もう嫌だ
もしも僕が 神様だったなら
喜怒哀楽の 怒と哀を無くす
喜と楽だけで 笑って生きていて
それはきっと 贅沢な事じゃない
amazarashi /『たられば』より ~
町田くんをみていると、
自分のなかの良心が、揺らぐ…
揺らぐべき心がある事が
ヒトとして大切な事だと思いました。
それだけでも意義のある作品なのだと…
新人俳優と、若手実力派俳優を配したのは…
一生懸命、自分の道を進む者
それを見て自分をごまかすのをやめた者
他人に自分の存在意義を見出だす者
…の、対比を意識したことだと
わたしは解釈しました。
そしてその三様の、
どれが正しいなんて誰にもわからない
ぶつかってみなければ、見えてこないことがある
ヒトは他者を知らないからこそ、興味が湧いたり
また、勝手にいぶかしく思ったりもする…
“人”が生きてく“間”、他者と接触しぶつかってこそ
はじめて自分の存在を実感できる。
それが“人間”ってことなんですよね!
石井裕也 監督ならでは!の
さりげない技巧的な演出が光る!
あとはラストの「ファンタジー要素」を
許容できるか否かが
本作『町田くんの世界』の評価が別れる
大きなポイントなのでしょうが、わたしは…
ですが啓発モノとしては十二分!
ヒトにオススメしたくなる良い作品です♪
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もしも僕が 生まれ変われるなら
もう一度だけ 僕をやってみる
失敗も後悔もしないように
でも果たして それは僕なんだろうか…