「ええもんみた。町田くんそのままでいて欲しい。」町田くんの世界 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
ええもんみた。町田くんそのままでいて欲しい。
誰にでもやさしい町田くん。走るのが遅くって、勉強も苦手らしい町田くん。
はじめは町田くんとは妖精さんなのかなと思って見ていました。
出会ったらそっとやさしさをくれる妖精、天使、人ではない清らかななにか。
だけど町田くんは人間で、猪原さんに出会って、誰にでもやさしいができなくなりました。たった一人を特別にいとおしむことは、差別的で自己中心的で、とても人間らしいことだと私は思っています。
猪原さんもよかった。不機嫌顔で左の口角を歪ませてるのが、悲しげで泣いた。
脇役の芸達者たちも、良かった。太賀、前田敦子、高畑充希、エグザイルの人(ごめん名前わからん)、池松壮亮に戸田恵梨香!
前田敦子と一緒に唐揚げ棒食ってた同級生もいい味出しててよかった。役者の名前知らんけど。
まえだまえだのお兄ちゃんと、ソロモンの偽証の松子ちゃん役の子もでてた。つか、まえだまえだのお兄ちゃんもソロモンの偽証にでてたな。
人がすきのすきと、恋のすきが分からないと何度も町田くんはいいました。
37さいのわたしもよくわかりません。
恋かもとか、愛かもとか、思ったことはあるけれど、そんなきれいなことばからは、およそはみだした気持ちだったようにおもいます。
そのことを科学的に説明できる人がどれだけいるでしょう。
よくわからないまま、好きと感じる人と、自分を見つめて、二人の場合の正解をおそるおそる手探りでたぐり寄せる。そういう経験を重ねてやっていくしかありません。
多分、やぶれかぶれな大人の方がこの映画は刺さるでしょう。
後半のファンタジー設定は、映画的な飛躍として、わたしはアリ!と思いましたが、これはなかなか、映画いろいろ見てもっとどえらい飛躍に慣れてないと、バカにされたとかんじるかもです。
なので、高校生向きじゃないですね。
池松くんの立場の大人がみて、きらきらしたワカモノの魅力にクラクラする映画だと思います。
猪原さん、角度によって広瀬すずに似てる!って思いました。
町田くんの父母はもうちょっと町田くんの家事負担を減らすべきかと思います。なんぼ町田くんが自主的にやってたとしても、あかんで。