「いっしょけんめいハジメくん!」町田くんの世界 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
いっしょけんめいハジメくん!
世界中の人が家族だと思い込んでる町田一。「好き」と「恋愛」の違いもわからないほどで、運動オンチ、学力も平均以下なのだが、実は町田くんの持つ人を愛する才能のため、周りからも愛されているのだ。そんな癒しキャラの町田くんが、ずっと欠席を続けていた猪原さんに保健室という恋愛要素たっぷりの場所で出会い、恋に芽生えていくのだが・・・なかなか芽生えないまま進む。
一方では池松壮亮演ずるゴシップ紙の記者がバスの中で彼と出会い、世の中は悪意に満ちてるけど、そうではない崇高な青年であることに驚き、彼の姿を追うようになる。
イライラ、ハラハラ、もどかしい。徐々に町田くんが好きだという感情が猪原さんにも芽生えたのに、まったく鈍感な町田くん。それもそのはず、猪原さんは母親の不倫が元で周囲の見る目が変わり、「人が嫌い」、「雨の日が好き」という鬱屈した青春時代を過ごしていたのだ。「誰かに優しくしたら、他の誰かが傷つくことだってあるんだよ」と伝えても、それが理解できない町田くんだったから。
「大切な人だから」という台詞も案外深みを持たせて使いやすいかもしれない・・・などと考えたら自分がとても悪意に満ちていることにも気づいてしまう。純粋な人だからこそ使えるんだよね、きっと。また、想像することの大切さも痛感。「人の痛みを想像する」なんてのは結構色んな作品で使われてますが、この作品では真逆なんですよね。自分は人が好きであっても他人から自分がどう思われてるかなんて考えない無償の愛。“キリスト”だと揶揄されるのもよーくわかります。
終盤のファンタジー部分は賛否両論巻き起こりそうですが、全体から見れば許容範囲。その直前の自転車置き場のシーン、「好きだ、好きだ、好きだ」と鈍足で土手を走るシーンに胸がアツくなってしまいました。だからOK。色んな小物も見事に伏線回収されていて、素晴らしい出来栄えとなっていたと思います。豪華共演陣(特に前田敦子)にも助けられ、新人二人がよく頑張ってました~好きだ~♪
kossykossyさんへ
高校生の頃の気持ち....忘れ去りました。微塵も残ってないですw
町田君の善意が奇蹟を起こす、なオチにして欲しかったなぁと、贅沢を言う偏屈モノが一人....笑
フーセンは許容限界内、池松の反応が限界超えでした!ファンタジーは「画像表現」と「それに関わる人達の反応」を間違えるとギャグにも見えないと思ってますが、あのラストは両方とも微妙過ぎてw
全編通して関水渚の一生懸命さが救いでした!