「フィルム外で評価が大きく変わる作品」劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song そらのばさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5フィルム外で評価が大きく変わる作品

2020年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私は劇場連作物をあまり評価しない。それは偏に、フィルム以外に依存する部分が大きいからである。
本作も多分に漏れず唐突な導入で始まり、私は前作を思い出すのに幾ばくかの時間を要した。
そういう意味で、間違いなく“予習”をした方が楽しめる作品だったと思う。

そしてこれは劇場連作物としてだけではなく、原作物としてフィルムに収まっていない部分に多分に含まれる物で、「Zeroで描かれていた気がするけど何だったか……」「この時間軸でどういう使われ方だったか……」と、終始考えていた。
そういう意味で、純粋に楽しめたかというと否であり、不完全燃焼さの残る作品だった。

そんな状態であっても、評価を支えたのはセイバーvsライダー戦の描写である。
2章でもあった3D/2Dハイブリッドの立体戦闘だが、緩急の付け方がより極端になり、そして情報密度が落とされより心地の良い物に仕上がっていた。
劇場音響で是非見たいと思えるものだったと断言できる。
劇場で見て後悔することはないのではないだろうか。

そらのば