「とっても惜しい気がする」劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song 仁兎なずなさんの映画レビュー(感想・評価)
とっても惜しい気がする
zeroをテレビで初めて見た時からfateにハマり
原作ゲーム等全て履修済みです。
今回惜しいと思った点が2点ありました。
1点目はイマイチ予備知識が豊富でないと分からない部分が多い点。私はずいぶん前に原作ゲームをプレイしたのであやふやな記憶で2章まで何とかついていけていましたがこの3章は情報量が多いのであーこんなんだっけ?これはなんでだっけ?となるシーンが多かったです…。復習し直してもう1回見に行こうと思います。
もう1点にして最大の私のおしいポイント。
元々私はこのルートは士郎が「桜の正義の味方」になることで変わるそれぞれを描いたストーリーだと思っていました。なのであくまで主流は士郎のイメージ。
ただ今回の映画化にあたり監督は桜と士郎の物語にしたいと仰っていましたがその通りの感じ方になったなと思います。
桜の内面や感情の揺れをアニメ化してリアルタイムで見ることで変化や成長、心の揺らぎをゲームよりももっと感じることが出来ました。よって士郎1人だけの物語ではなく桜もまた主人公の1人なのだと思えました。特にラストシーンで桜と士郎は手を繋がずに新しい1歩を踏み出します。あぁ2人の物語だったのだなあ………。
ただそうすることで士郎の「正義の味方」に対するこだわりや執念がどれほどのものでさらにそれを越してまで桜を守りたいと思う強い心情があまり分からなかったなと…。
特にこの3章にあたる部分でかつての仲間であったセイバーとの戦いや、両極端にありながらどこか似ている言峰綺礼との最終決戦を経てゲーム版ではその思いを感じることが出来ていた気がします。
今回はそういった誰かの視点が少なくただ起こっている物事を並べた感じもあり急ぎ足なのかな?と思えるシーンもあったのですごく残念です。
そこを補完してなおかつ桜の物語でもあることが感じられれば最高だったのでは…と思ってしまいます。
しかし映像は全てに置いて瞬きも惜しいほど素晴らしいものであり、特にアーチャーとのシーンは鳥肌が経ちました。振り返るイリヤもプレイした時のスチルが思い起こされてより一層じんわりきました。
最後に長きに渡る3部作をこうして見届けられたことは何よりも嬉しかったです。ぜひいつかufoにはsnルートを映像化して欲しいものです…。