「Fateシリーズにおける有終の美!」劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5Fateシリーズにおける有終の美!

2020年8月16日
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とりあえず率直な感想は、
俺はFateシリーズに出会えて良かった。
Fateを好きになれて良かった。
同時にFateシリーズがこれで終わってしまうんじゃないかと思うと寂しいです。

前回はヒロインの桜が自分の義理の兄である慎二の事を殺してしまい、黒い影(アンリマユ)と完全融合してしまうというかなりショッキングな展開。
人々にとって最悪な存在となってしまった桜に対し、士郎や遠坂凛、イリヤがどう動くのかを描いた物語。

士郎は今まで、身の危険を省みない正義の味方になろうとしていたのに対し、今回は大切な人のために自分の「義」を貫く様は前作から一貫しており、今回は更に覚悟を決めた逞しい姿が描かれていました。

ただ、セイバーとの対決はセイバー押しの自分としては結構辛かったですね…。

遠坂凛も凛として(姉として)ケジメを付け、イリヤも士郎の関係性にケジメを付けるので、最後として登場人物それぞれがケジメを付ける物語でもありました。

また、今まで「Fate/Stay Night」や「Fate/Zero」では冬月市の聖杯が何故穢れているか、そもそも何故聖杯戦争が始まったのかも明かされる話でもあったので、それが知れて良かったです。
今まで全く明かされなかったけど自分としては結構気になっていました。
そこには意外にも複雑で深い理由があって、ずっと気になってた疑問がようやく解決出来てスッキリしました。

バトルシーンに関しては1作目と2作目共々語ってきましたが、今回も期待を大きく上回る素晴らしく迫力あるバトルシーンになっていました。
これに「鬼滅の刃」も作っているので、制作会社ufotableに勝るバトルシーンを描けるアニメ会社は一体あるのか?
そう思わざるを得ないです。

梶浦由紀の音楽についても触れます。
前作と前々作では比較的作風が同じだったのですが、今回は今までの曲だけでなくまた違ったトーンの新曲も聴けました。
なお、今回とある場面でTV版の「UBW」のサントラもあって、タイミングと相まって凄く感動しました。

今回も今までと変わらないくらいのスピードで物語が展開されるので(そもそも原作が凄く長いらしい)、解りにくい部分もありましたが、この3部作×2時間という制約の中でこれ以上無い程の有終の美を飾ったと思います!

この素晴らしい「Fate Heaven's feel」の3部作を製作した須藤友徳監督ならびに製作に関わったufotableの皆さん、そしてキャストの皆さんに改めて感謝と敬意を表します。
本当にありがとうございました!

さうすぽー。