「母親の危機感が足りない」ラ・ヨローナ 泣く女 masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
母親の危機感が足りない
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呪術師呼んでおいて、腐った卵が殻から出るのを見て、
「あれはテレビで観た。トリックだわ」と言ってのける母親の危機感のなさが、
もうイライラの頂点。
サム?!って叫んで返事待ってるよりかは、
まずバスルームに走れよ、とか、とにかく危機感が足りない。
遺伝だろうか。あの緊急時に人形が気になる娘のサマンサも、
もう少し人形とのつながりが分かる描写でもあれば納得できるんだけどな。
終始イライラして観てしまったので、肝心のラ・ヨローナが怖くない。
それどころか、旦那への嫉妬心を自分の腹を痛めて産んだ子どもにやつすなど、
ありえんだろう。
そしてその後悔を、時と場を超えた見ず知らずの人間に、
八つ当たりよろしくぶつけるとか、身勝手にも程がある。
それだもの、呪われて当然だ、バカ女!とまで思ってしまった。
しかし、きっと文明が進んだ国の現状というのは、
こういうものなんだろうな、ということも窺い知れる。
自他の子どもの命を守るということへの豊かな想像力が、
もう薄れかけているのだ。
そういう社会への疑問と怒りの産物であるとすれば、
妙に納得できる悪霊ではある。
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