「ジェームズ・ワン製作の新ホラーは『リング』や貞子の影響を強く匂わせる」ラ・ヨローナ 泣く女 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェームズ・ワン製作の新ホラーは『リング』や貞子の影響を強く匂わせる
ジェームズ・ワン製作のホラー映画の数々は、ある種の幅広い観客層が楽しめる安心型エンタメ・ホラーだ。ただし、本作で謎の悪霊から狙われるのは、通常このエンタメ・ホラーの世界では犠牲者になりにくいとされる「子供たち」なのだから驚かされる。ここにはルールが通用するようでいて、しかし実のところ安全圏なんてどこにもないのだ。
南米コミュニティに焦点を当て、女性ケースワーカーの立場から謎を紐解き子供達を守ろうとする姿には、単なる受け身にとどまらないたくましい女性像が見え隠れする。そしていざ、悪霊が姿を現すと、それが意外にも『リング』の貞子のようで、日本人として「やりやがったな!」という気持ちが沸き起こらないわけでもない。そういえば、シングルマザーが奮闘するという点も似ている。総じて『死霊館』を2グレードくらい引き下げたお屋敷ホラーといったところか。少々雑なところに目を瞑れば、そこそこ楽しめるのだが。
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